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第19話 今日はアソブ日♡

~第18話までのあらすじ~

 庭園をあとにしたひびきたちは、響が得意とするゲームセンターで遊ぶことにした。伊奈瀬いなせたちはゲームセンターに目を輝かせ、響に教わりながら夢中になって楽しんでいた。


 それぞれがゲットした大量の景品をもって4人が外に出てきたときには、とっくに日が沈んでいた。


 ...というか、夜の22:00である。このお店にはクレーンゲームだけでなく、昔ながらのゲーム機や10円キャッチャーなるものが存在するのだ。さらに4人は庭園で軽食をとってきたので腹ペコというわけではなかったため、小腹が減ったらお菓子をゲットして食べるといった楽しみ方もできたのである。



 飛行板フライングボードで3分。午後をフルで満喫した4人は、都会の夜景を眺めながらアパートへ戻った。

 昨日は杉野ヤヌの件もあり、あまり爽やかな気持ちな夜ではなかった。しかし今日は違う。4人でいられる残り少ない時間のうち、今日という1日を全力で楽しむことができた。久しぶりに心から楽しむことができた響は、花見を提案してくれた3人に深く感謝した。


 さて、今日はまだ終わっていない。あと2時間あるのだ。この時間に何が起きるのか。



 それは、作中初のアッ♡なシーンである。響にとって、せっかくのオトナ3人との夜。風呂編とお布団編に分けて、ご覧いただこう。



―風呂編―


「ひーくん、お風呂一緒に入ろ」


 風呂に入る順番なんて、どうせ昨日と同じなんだろ。オレのことなんて、誰も誘ってくれないんだろ。下心丸出しでそう考えていた響にお誘いの言葉をかけたのは、永久野とわのである。彼女は一応まだ、服は着ている。


 ただ。

 一緒に...というのは恐悦至極きょうえつしごくなことであるが、それはそれで困ることがあるのだ。

 この世界で男性だけが持っている、アレ。少し油断すると元気になってしまう、アレだ。見られて平然としていられるものではない。

 そのことに引っかかって響が返答に困っている間に、2人目からのお誘いが来た。


「ちょっと、あい。ひっきーと入りたいのは...あんただけじゃないわよ」


わーお。これだからツンデレは。

伊奈瀬いなせである。いつも通りのトーンな永久野に対し、照れを隠せない伊奈瀬である。

そしてもちろん3人目も。


「私も一緒に入りたいですぅ~!」

 

衣央いおだ。響はいよいよ本格的に、返答に困った。

アパートだから4人一緒には入れないし...。

そもそもそんな答え、受け入れられるはずもない、か。

え、じゃあ順番に~...

響が妄想を始めた、その時だった。


契約成立ディール!」


 3人の声で現実に戻された。次の瞬間には、部屋に雀卓じゃんたくと1人1杯のウーロン茶が現れたのだ。この時間だから緑茶でなはなくウーロン茶なのはありがたいが、雀卓...。


 そうして、響とお風呂に入る人を決める、麻雀-3人打ち-が始まったのだ。


            ~~~~~~~~~~~~~

             麻雀-3人打ち-試合中

            ~~~~~~~~~~~~~


 こちらも茶緒のときと同様、結果からお伝えしよう。

 勝利したのは永久野だった。1位で48600点。25000点の持ち点からこれだけ増えたのだ。次に2位が衣央。30100点で、同じく原点越えである。そして悲しきかな、0点を下回ったのは、伊奈瀬。-3700点でぶっちぎりの3位である。


 3人の試合中、暇だったのでお先に風呂をいただいた響は、3人の試合が終わったときにはゲーセンでゲットしてきた缶コーラを飲んでいた...あれ?これは何のための試合だったっけ?



「あぁぁぁ~!ひーくん!なんで先にお風呂入っちゃうの!!私せっかく勝ったのに~!」


永久野に言われ、響はこの麻雀の試合の意味を思い出した。


 永久野は先に1人でお風呂に入ってしまった響を怒っていたが、響と同じ布団で寝ることを条件に、和解した。


*人物*

国見響くにみひびき  :物語の主人公で、県内の高校に通う男子高校生。妹とアパートで2人暮らし。

国見糸葉くにみいとは :響の妹。県内の中学校に通う女子中学生。

王那おうな      :3次元世界の神様。第1話で登場した、謎の少女の正体である。

神楽美心かぐらみこ :神社に仕える巫女。

角末かくすえ伊奈瀬いなせ:17歳の女子。入れ替わりにより4次元から転移した。

永久野とわのあい:17歳の女子。伊奈瀬とは幼馴染。

科戸衣央しなといお :16歳の女子。いつでもどこでも誰にでも敬語で話し、素直な性格。

・杉野ヤヌ(すぎのやぬ) :響の前にオーナーをしていた、20代前半の男性。口調は軽め。

・福田あいり:バグ調査組織RGBの副リーダー。

篝茶緒かがりちゃお  :バグ調査RGBのサードリーダー。

中野旗音なかのはたね :響と同じクラスの女子高校生。成績・人柄ともに良く、男女どちらからも人気が高い。

仕立したてハルヤ:響と同じクラスの男子高校生。響の仲の良い友達である。


*発生したバグ*

・空白の半日

 2028年2月28日の昼12:00~夜24:00までの12時間の記憶を持つ者はいない。

・国見糸葉のオトナ化

 国見糸葉は身長およそ230cmのオトナになった。

・中野旗音の消失

 2028年2月28日を最後に、中野旗音は姿を消した。

・神社の違和感

 3次元と4次元をつなげる神社。

契約成立ディール

 4次元の住人は3次元世界において武力での戦闘を起こすことはできず、これに従い決着をつける。

・言語の統一

 バグに直接関係しないものはすべて、日本語に統一された。

・2月30日

 存在しない日。響とオトナなどのバグに関する人間以外は、その運動を停止する。

・謎のインターホン

 自然石の近くに出現したインターホン。響の呼び出しに応答はなかった。


バグについて考えていた昨日までとは一変、響は3人と楽しむことに焦点を当てた。

アパートの広くない部屋で、響とオトナ3人。


なあ響よ、この作品は年齢制限をかけていないから、どうか自制心だけは忘れないでくれよ...!

(いや、警戒すべきは永久野あたりか??)


小ネタ)

麻雀(3人打ち)のルールについては、スマホアプリ「麻雀格闘俱楽部SP」に準じています。


また、第3話の小ネタでちょこっとだけ出てきましたが、響はテーブルゲーム部に所属しており、トランプや麻雀、ボードゲームを得意としています。契約成立ディールで行われる対戦の内容は、実はオーナーである響に合わせてランダムで決められているのです。茶緒のときはババ抜き(トランプ)、ヤヌが来たときには人生ゲーム(ボードゲーム)、そして今回は麻雀でしたね!

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