赤軍 突撃!!
思ったよりも苦戦したソ連は、戦車を大量に投入する縦深攻撃によりいっきに防衛線を突破しようとしていた。
―ソ連軍 極東戦車部隊―
「同志スターリンより下命があった!本日12時、我々は日本軍の防衛ラインを戦車部隊による縦深攻撃によって突破する!! 突撃か、死か、選べ!!」
「ypaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!」
こうしてソ連軍の戦車800両が防衛ラインに侵攻してきた。
重戦車KV1を先頭にした侵攻部隊は日本軍の火砲をくらっているが、装甲の厚いKV1には有効弾が得られない。
唯一、対戦車自走砲であるホロのみが有効な攻撃を可能とした。
敵の直撃弾を受けたチハは勿論、チハ改でも戦闘不能になるほどの深手を負った。
防衛線が危なくなったその時。
「目標上空に到達。全機、バラバラに投下せよ」
制空権を握った日本軍は、本土から一式陸攻を主力とする航空支援を送った。
敵の戦車部隊は格好の的であり、半分以上が戦闘不能になるという大被害を受けたソ連軍は退却し、督戦隊は一部、弾切れをおこした。
ソ連が苦戦している間に、増援は次々に到着し、防衛線はますます強固になっていった。
―大本営―
「さて、満州はしばらく持ちそうだ。対米戦も順調に進んでいる。いよいよソ連への攻撃を開始しようと思う」
陸軍司令官の山下将軍が静かに言った。
「そうですか、いいでしょう。海軍は全面的に支援します。さすがに主力部隊を向かわせるのはまだ先になりそうですが、満州の港にある駆逐艦ならお好きに使って下さい」
すると山本大将が
「ソ連を叩くなら、ドイツが回復してから挟撃するのが良いと考えます」
米軍は今ヨーロッパから兵力を引き抜いて太平洋戦線に当てている。
ソ連も極東に兵力の三分の一を回している。
この隙に、ドイツと組んで攻撃したら戦線は混乱するだろう。
またドイツは、連合国の攻撃が弱まったことから、ノルマンディー地方の奪還に動き出していた。
―ドイツ領ケルン V2ロケット基地―
「総統閣下より攻撃開始の電文が届いた、力を信じ、ドイツを信じろ!!」
1945年 1月6日ドイツ軍は反撃を開始する。
シャアアアア!!!
基地から数百発のV2ロケットが発射され、連合国の部隊を襲う。
まもなく陥落すると思っていた基地から大規模な攻撃を受けた連合国は大混乱に陥った。
敵の部隊が大被害を受けると、今度は最新鋭の戦車 Tiger IIが攻撃する。
指揮を執るのは名将ロンメル将軍だ。
「Panzer Vor!!(戦車前進)」
120両の最強の戦車に襲われた連合国軍は、生き残った戦車をかき集めて反撃したが、シャーマン戦車の砲では王虎の正面装甲はおろか、側面の装甲さえ抜けず、ただただ88mmの餌食になっていった。
ノルマンディーに上陸した精鋭部隊が壊滅した連合国は再配備を急いだが、頼みの米軍はもうおらず、残されたイギリスはまた連日の空襲にさらされることとなった。
数年前は防空に役立ったスピットファイヤだったが、いまではBf109メッサ―の餌食になった。
主力爆撃機のMe264は計4トンの爆弾を搭載可能で、イギリスのレーダーや飛行場を潰すのに大きく貢献した。
西側で決着がついたドイツは、もう西は大丈夫だと判断し、持てる兵力を総動員し、再びソ連との決戦を挑むことになった。
―関東軍前線陣地―
1945年1月10日
「本日午後10時より、ソ連への攻撃を開始する。この戦いの結果は今後すべての対ソ戦の行方を決する。皆、心してかかれ!!」
攻撃作戦の一時間前、満州の飛行場で100機の超大型爆撃機がエンジンを回していた。
「一番機より指令所、離陸許可を」
「司令所より富嶽一番機、離陸せよ!!」
この作戦には日本の開発した六発爆撃機「富嶽」が投入される。
日本初の超大型爆撃機はその爆弾層に10トンもの爆弾を搭載可能にした。
次回、ドイツとともに反撃を開始します!!