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皇国最期の反撃作戦  作者: パイン
対連合国戦線
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鉄のカーテン 1

「鉄のカーテン」


アメリカの執った航空作戦だ。


地上戦力はほぼ壊滅。兵力差は日に日に開くばかり。


そこでアメリカは、残存するすべての航空機を駆使し、上陸してきた日独軍に大打撃を与えようとしていた。


複葉機のF3FからP51マスタング、カタリナ飛行艇からB29など合衆国空軍の保有する全ての航空機が出撃する。


爆撃機の攻撃目標は前線飛行場及び軍港そして上陸してきた地上部隊である。


核という最強の矛を失ったアメリカは最期の攻撃にでる。


のこされたすべての基地から戦闘機が発進。


30分の差を置いて爆撃機が出撃する。


目標は日本軍に限定された。 航空機の発進と同時に無線誘導弾が発射された。


迎撃を防ぐため、日本側の前線飛行場に向けて発射されたのだ。



ーカリフォルニア前線飛行場ー


日本側の電探レーダーに敵の無線誘導弾が映った。


「池本大尉、電探に感あり。目標200以上。こちらに向かっています。景雲でしょうか」


「いや、この数の景雲が出撃したという知らせはない。直ちに緊急発進を下令せよ!!」


ウー ウー ウー


飛行場に空襲警報が響く。


「回せ! 回せ!!」


整備士が戦闘機に駆け寄り、パイロットはコクピットに飛びこむ。


「離陸作業完了!!」


整備員の誘導のもと、紫電が次々に飛び立つ。


「対空戦闘用意!!」


対空自走砲が滑走路を走り回り、対空砲は獲物を狙う。


迎撃隊の戦闘機が無線誘導弾を発見した。


「3番機より管制、敵の誘導弾を視認。警戒されたし」


迎撃隊からの指令を受け、対空砲が射撃を開始した。


このころの対空砲には近接電波信管、いわゆるVT信管が使われている。


電探から正確な位置情報を受け取り、射撃を開始する。


飛行場の青い空に黒煙が次々に現れる。


「右30度の目標、撃墜確認」 「前方3目標、撃墜確認」


「対空砲、残弾なし。装填急げ」


正確な射撃で次々に誘導弾を撃墜していく。


しかし、数が多すぎた。


「右20度!敵弾抜けた!!」


「機銃、撃墜急げ!!」


取り逃がした誘導弾が黒煙を突き破り滑走路に突き刺さる。


ドオオオオオン!


「滑走路上に被弾!消火、修復いそげ!」


「3番格納庫付近に被弾! 爆撃機が燃えています!!」


「燃料タンク誘爆!被害拡大!!」


基地の重要な施設が次々と被弾し、使用不能となった。


また、狙われたのは飛行場だけではなかった。


ーカリフォルニア軍港ー


「敵弾接近!全艦対空戦闘用意!」


楊陸作業中の港も狙われた。


停泊していた戦艦や巡洋艦が対空射撃を開始する。


「主砲三式弾、砲撃はじめ!!」


グワッ!!


軍港の空が紅く染まる。


大半は撃墜できたが、やはり取り逃がした数発が艦船に突き刺さる。


この攻撃で軽巡一隻が大破・着底 駆逐艦3隻と輸送船が沈没した。


だが、この迎撃戦は緒戦に過ぎなかった。

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