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皇国最期の反撃作戦  作者: パイン
対連合国戦線
37/49

掃討

レジスタンス関係の書類から敵の拠点が判明した。


驚くべきことに、大陸東部の都市が、まるごと要塞化されているらしい。


かつて軍事工場だったその場所は、米軍正規兵と州兵、レジスタンスの巣窟となっているらしい。


ドイツ国防軍からも、奴らの抵抗にあい、戦車部隊が壊滅したとの情報を受けたので、こちらも攻撃を開始した。


隠密作戦ではないが、多くの兵力を避けないため、また少人数での攻撃となった。


以前の作戦で、航空支援の貧弱さが問題となったため、今回は富嶽による絨毯爆撃と戦闘機による近接航空支援によって徹底的に破壊した。


工場はがれきの山となり生存は難しい状況になっていた。


さらに、富嶽には焼夷弾が搭載されていたためあたりは火の海となり対戦車火器などは使用不能になった。


先の突入作戦で名をはせた高野中尉の班が投入された。


工場の外周には高い塀が築かれていたが、ドイツ軍のものと思われる戦車が一部を崩していたため容易に侵入できた。


周りにはドイツ国防軍の制服を着た男や銃を持った民間人が横たわっていた。


戦車の中も確認したが黒焦げになった兵士にハエがとまっているだけだった。


大破した入口からライトを片手に前進する。


この工場はどうやら戦車の工場だったらしく、あちこちにシャーマンと思われる車体や砲塔が転がっており、燃料タンクと思しきものまであった。


「工場内に突入、しかし人影は見当たりません」


中尉は本部にそう連絡した後、もう少し工場内を探索することにした。


「中尉、これを見てください!」


部下が本のようなものを手渡してきた。


「これは・・・」


「隊長、これは日誌です。おそらく、ここで暮らしていた者の」


「すぐに内容を調べろ!重要な手がかりになるぞ」


7月1日 今日は演説の動画を見た。この世の中でビデオカメラをもってるメンバーがいるとは。


7月2日 地下壕の天井が崩れた。ドイツ野郎の空襲のせいだ。


「隊長、どうやらこの工場、地下壕があるようです」


「なんだと・・・」


「みんな伏せろ!!」


周りを警戒していた隊員が急に叫んだ。


一瞬遅れて何かが転がる音がした。


「手榴弾だ!」


爆発する前に目の前にあった戦車の残骸の中に投げ入れる。


大きな爆発音を煙が当たりに満ちる。


銃を構えて周りを見る。


どこから来たのか、大勢の人が銃を構えてこちらを見ていた。



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