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皇国最期の反撃作戦  作者: パイン
対連合国戦線
31/49

大西洋沖海戦

ーアメリカ東海岸ー


大西洋を大量の船舶が埋め尽くしている。


ドイツ第三帝国は、大日本帝国の要請を受け、同じタイミングでアメリカ本土への攻撃を開始した。


道中の障害であったイギリスは、連日の空襲で戦力をなくし、数少ない駆逐艦や戦艦の攻撃へは、潜水艦の待ち伏せ攻撃で次々に沈めていた。


だが、東海岸には米軍の主要な基地が多数ある。


海軍基地ノーフォーク、ボストン。


空軍基地トレントン。


これらの強力な戦力との決戦は避けられない。


第三帝国の誇るシャルンホルスト級やバイエルン級と米軍のモンタナ級やアイオワ級が大西洋で激突した。


シャルンホルストやバイエルンは28センチ砲や38センチ砲を装備し、41センチ砲を持つアメリカ戦艦との撃ち合いは不利だ。


だが、ドイツ戦艦には魚雷が搭載されている。


ドイツ海軍元帥であるカール元帥は砲戦が困難である夜間に敵に接近し、魚雷を発射し全速で離脱。


この艦船での一撃離脱戦法には大きな危険が伴う。


将兵の不安を払拭するため、旗艦「バイエルン」にはカール元帥が乗り込み、直接指揮を執る。


ヒトラーはこれを押しとめようとしたが「第三帝国最後の戦いに私がいなくては。死んでも本望です。閣下、未来の帝国は頼みました」


と言い遺し、艦橋に入った。



ードイツ海軍第三戦艦群 旗艦「バイエン」ー


「司令、前方50キロに敵艦を発見。攻撃を開始します」


カール元帥は静かにうなずいた。


米戦艦はレーダーでドイツ軍の接近を捉えていたが、確実に当たる距離まで引き寄せ、主砲の一斉やで沈めようとしていた。


敵の主砲射程よりも、我々の砲の射程の方が長い。


そう確信しての措置だった。


この頃の常識では、被弾覚悟の戦艦に誘爆しやすい魚雷を搭載することはありえなかった。



「司令、敵艦との距離45キロ!!敵艦は停止中。魚雷射程に入りました!!!」


砲雷長が興奮気味に報告する。


「落ち着け。君は将校だろう。魚雷発射を各艦に通達。5分後に離脱する」


艦後部の魚雷発射管がゆっくりと旋回する。


敵戦艦を捉えた。


バシュッ!


次々に魚雷が海中に吸い込まれる。


白い雷跡がまっすぐ敵艦に向かっていく。


米戦艦の艦橋は騒然となった。


こちらに向かっていた敵艦がいきなり回頭し離脱したのだ。


攻撃を中断したのか。


だがどうも嫌な予感がする。


「見張りを増強。サーチライト起動。対空、対洋上警戒を怠るな!!」


一斉に海が明るくなった。


多くの光の線が夜の大西洋を照らす。


敵艦の姿はなく、警戒が緩みかけたその時。


「右舷側より魚雷多数接近!距離3キロ!!」


ようやく魚雷に気づいた水兵が大きな声を上げる。


だが、遅すぎた。


ドオオオオオン!!


戦艦の右舷側に大きな水柱が何本も立ち上がる。


その光は離脱中のドイツ軍からも確認できた。


敵艦が燃え盛り、海中に引きづりこまれる。


その様子を見届けたドイツ水兵たちは沸き立った。


そして、上陸作戦が開始された。

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