決断 米第42任務部隊
もちろんスターリンは拒否し、徹底抗戦を指示した。
そこで日独両軍は来る英米との最終決戦を前に、むりやりモスクワに突入し、兵士を失うのは愚策と考え、大統領府をロケットや砲弾で絶えず攻撃した。
一時の途切れもなく続く砲撃にソ連の軍上層部はスターリンに無条件降伏を進言した。
スターリンはその将校を粛清せよと命令したが、誰も銃を取らない。
既に前線の兵士たちは迫りくる鍵十字と旭日旗を見て絶望し、旗竿から赤旗を下ろし、白旗を上げた。
1945年2月5日。
クレムリンで一発の銃声が響いた。
この日、スターリンは自室で拳銃自殺した。
ソビエト国内に翻る赤旗は無く、各地で白旗が上がっていた。
スターリン亡き後のソビエト連邦はソビエト民主主義共和国と名前を変え、大統領には親日独のサブリーロ・グッデレスが就任した。
―1945年3月23日 アメリカ―
東海岸より残る海上戦力を集結させた第42任務部隊が抜錨した。
その陣容には大本営も青ざめた。
・超大型空母 ジェラルドフォード級 4隻
・大形空母 トマス級 6隻
エセックス級4隻
ウィリアム級2隻
小型空母 20隻
戦艦 8隻
重巡 43隻 軽巡 2隻
駆逐艦 32隻
潜水艦10隻 航空機1200機
連合艦隊の総力を結集して挑んでも不利は目に見えていた。
しかし、同盟国ドイツの力を借りようとしても、決戦は太平洋になるうえ、ドイツの海上戦力は無いに等しい。
また、超大型空母ジェラルドフォード級は空母「信濃」に匹敵する攻撃力と防御力を併せ持つ。
これを撃破するのは総攻撃でも難しいだろう。
少しでも戦力差を埋めるため、まもなく進水する大和型4、5番艦の到着を待った方が良いだろう。
大和型空母「甲斐」と「薩摩」はまもなく進水する。
大本営は、ジェラルドフォード級はパナマ運河を通れないため、南米を大回りする航路を取るだろうと予想していた。
3月25日、ハワイで待機中の潜水艦「伊400 伊401 伊402」に護衛の数が少ない南米航行時に敵空母を攻撃せよとの下命があった。
4月2日 フォークランド諸島付近を航行中の敵空母を潜水艦が発見した。
ジェラルドフォード級空母4隻と護衛の駆逐艦が6隻だけだ。
攻撃可能と判断した旗艦「伊400」は大本営に攻撃可を意味する
「これより鶴4羽と小魚6尾を狩る」との電文を打ち、攻撃態勢に入った。
潜水艦による攻撃は成功するのか!?