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40.大樹の手記 七章(閑話)

 七.資源について その1


 光源や熱源等に使われる燃料について


 トラスの正確な歴史はわからないが、どうやらそれほど古いものではなさそうで、化石はおろか地層も見たことがない。地殻変動自体が記録されたことがなく、観測範囲では未確認で存在を知っている者も未確認のため地震はないと考えられる。そのため大きな断層を見かけることもほぼ無い。これらの経験や調査結果からは化石燃料は存在しないと判断した。


 魔人や魔族にとっては燃料は刺して大きな問題にはならない。暗闇での照明も調理をするための熱源も不要であるし、気温が下がっても暖を取る必要性すらないからだ。あえて言うなら、どれも必須ではないだけであった方が生活は豊かになることは間違いない。しかしどれも魔法や魔術で代用が可能である。


 だがその他人型の種族にとって燃料は死活問題となることも多い。その中でも活動可能な環境温度の幅が狭い人間族は、氷点下手前でも長時間そのままでは命を落とすため暖房用の燃料を必要とする。現在使われているのは主に薪、そして木炭である。一部の集落では魔人との交流を持ち魔道具に頼る者たちもいる。


 

 鉱物、鉱石等について


 黒っぽい山肌や荒野で潤沢に採集でき広く使用されているのが鉄である。とは言っても組成は地球の物と異なるため正確には鉄の合金と言えるだろう。用途は調理器具から補強材のような構造物、そして武具や農耕具まで幅広い。広く普及し安価で加工しやすいため純度にこだわる必要もない。


 産地によって不純物の含有量が異なるため色や硬度に違いがある。中にはステンレスに近い性質を持ち、頑丈で非常にさびにくいものも存在するが非常に高価である。逆に銅や金が含まれているであろう鉄合金は柔らかいため、実用品としての武具等には向かないが、装飾が容易なため贈答用の刀剣等の装飾彫金素材として用いられることがある。


 純粋な装飾目的であれば金、銀も用いられるが、純度の高いものは精製に手間がかかるため非常に高価である。人間族が王を祭り上げて王国を築いていた時代には貨幣としても用いられていたが、溜めこまれて流通しなくなることから鉄硬貨へと変更された歴史がある。


 余談だが、そう言った流通の問題や略奪、空き巣や強盗等の発生を減らすため、魔神ドーンへ電子取引が出来ないか相談したところ、他の世界の神が開発したスマメと言うものが導入された。ついでに持って帰るのが大変な素材をドロップ式にしてもらったのだが、名前だけでは判別が難しく一考の余地あり。


 また鉱物に分類される他の資源として宝石が挙げられる。加工しての二次利用価値はあまりないが、純粋にきれいなものは誰の心でも掴む物だ。そのため大きくて透明度が高くきれいな色をしている石はそれなりに高価で取引されることがある。


 ただし、燃料同様に長い年月をかけて生成されるような性質のものは存在せず、マントルや火山もないためダイヤモンドも存在しないと思われる。そのためトラスの宝石のほとんどは、水晶に近い性質の物質に不純物が混じり色がついたものである可能性が高い。



 その他採掘資源について


 金属ではないものの例としては岩塩が挙げられる。東側には大規模な岩塩鉱山は見つかっていないが、その他の地域ではごく普通に広く採掘されている。特に西側では経口摂取を必要とする種族が多いため料理が発展しており、調味料として欠かせない塩はその消費量も相当なもののはずだ。


 西側の荒野では石英らしきものも多量に採取可能だが、加工難度が高いせいでガラス製品は全く出回っていない。そのため魔術精製で作成したグラスは飛ぶように売れた。その方法は記録せず宿題としておこう。


 東側では粘土質の土壌が多く煉瓦生産が盛んである。コ村の街並みを作る際は、煉瓦と木材を合わせた統一感のある村づくりを心掛けたため、多くの煉瓦職人の手を借りたものだ。他にも北東の果て付近には大河が流れており、緩い流れで磨かれた玉砂利は装飾に欠かせない資源である。


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