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感情の欠けた自己嫌悪  作者: 片目の幽霊
2/2

大嫌いな「あいつ」

翌朝__

今日もいつも通り学校があるので、身支度を済ませて家を出た。

俺の通っている学校は、家から自転車で約10分程で、普通なら7時30分位に家を出ればいいのだが、俺はその30分前の7時丁度に家を出る。何故なら、7時30分に家を出ると、決まって「あいつ」に会ってしまうからだ。

「あいつ」とは1秒たりとも同じ空間にいたくない。理由は明白になっている。それは、「あいつ」と俺の性格が真逆だからだ。

「あいつ」はとにかくいつも明るく振舞っている。こんな俺にも話しかけてくる程に。

そんな「あいつ」の性格が嫌いだ。大嫌いだ。

「あいつ」からしたら、ただ話しかけてきているだけかもしれないが、そんな奴に話しかけられるなんて、俺にとっては正面から攻撃を受けているようなものなのだ。

…気付いたらもう学校の正門前だった。その時、まだ学校に来ているはずのない「あいつ」の姿が目に入ってきた。…その瞬間、する訳がないが家に引き返すという考えが頭をよぎった。そして不幸なことに、向こうもこっちの存在に気付いてしまった。

「あ、理音くんだ!おはよー!」

今俺はどんな顔をしているだろうか。眼力だけで相手を殺しそうな顔をしていないだろうか。 一応返事はしておいた。

「あぁ…おはよう」

今のこの言葉は相手に聞き取れただろうか。何故か心配事が増えていく。

「あはは、もしかして今日初めて理音くんに挨拶返してもらったかも?いつもは『ああ』とか『うん』しか聞いたことなかったな」

次々と言葉が出てくるこいつに嫌気が増してきた。早く会話を終わらせてこの場を立ち去りたい。

「あれ、なんかあった?イライラ?ソワソワ?してるように見えるけど」

(もうそれ以上喋らないでくれ…)


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