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ゲームの世界に転生した舞台裏の話《後編》

 前回に引き続き本編では触れられなかった設定――舞台裏についてを語ろう回になります。


 今回のお品書きはこちら↓↓↓


◆先代守護者の顛末〜シスコンと狂人と無知を添えて〜

◆次代守護者への布石&光の守護者闇堕ちの真実が隠蔽されていたワケ

◆先代守護者の紹介



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◆先代守護者の顛末~シスコンと狂人と無知を添えて~

 前回、ポンコツ女神が調整をミスって魔王を誕生させた事には触れましたがそこから世界の滅びが確定(先代光の守護者シスルの闇堕ち)までについて触れていきます。


 魔王と死闘を繰り広げ、負傷しながらもなんとか勝ち残った先代守護者一行。(この時一番怪我がひどかったのが炎の守護者、時点で光の守護者(シスル)闇の守護者(ルーチェ)の前衛組。)

 ライラの力で北の大陸に蔓延る魔王の残滓(濃い瘴気)を浄化しようとしたところで、待ったをかけたのがライラ。


「魔王の芽はすべて排除しなければ」


 そう言ってルーチェを殺そうとしました。この時点でライラ側についていたのが地の守護者(ゴーシュ)と水の守護者。

 ゴーシュの不意打ちからルーチェを庇った炎の守護者が死亡。

 混乱の中シスルと風の守護者がゴーシュと水の守護者を相手取る中、ルーチェがライラにナイフで貫かれて死亡。それを見て錯乱したシスルが暴走、闇堕ち。

 味方であるはずの風の守護者もろとも殺そうとしてシスル以外全員瀕死に追いやった。

 ようやくそこへ女神が介入しなんとかシスルを封印するも、魔王の力と守護者の力を併せ持った最強魔王の爆誕により世界の滅びが確定。

 なお、風の守護者以外全員死亡。さらにライラ、ゴーシュ、水の守護者の3人は死後瘴気に取り込まれ魔物に堕とされた。ライラとゴーシュはそれぞれの目的の為に自我を保っているが、水の守護者は発狂し早々に自我が消えた。

 ……というのが滅び確定までの流れ、先代守護者の悲劇です。

 この事があってから女神も守護者の選定はめちゃくちゃ慎重になりました。

 今回の守護者一行が皆いい子ちゃんなのはその為です。


 それはさておき、シスル闇堕ちの引き金となったルーチェ殺害についてもう少し触れようと思います。

 本編では前世兄が、「――先代守護者達が無事魔王を倒して、めでたしめでたし……とはならなかった。先代巫女の暴走で闇の守護者が殺されたんだ。闇の守護者は光の守護者の最愛の妹だった」と語っていた通り、元凶は巫女だとされていました。

 彼にこの話をしたのは女神なので、当然女神視点の話です。


 一方でライラ視点だと『どうすればいいか分からず途方に暮れていたら、ある日あの()が、その方法を教えてくれた』とある通り、誰かに唆された事が示唆されていました。

 80話でルーチェ達が交わしていた会話『女神サマも(巫女に対して)えっぐい事するなァ』「(ライラを唆して破滅させた)お前がそれを言うんですか」『アヒャッ、そっかー流石に気づくカ』がそれの匂わせでした。


 というわけで、本編では明かされなかった真の元凶はゴーシュです。

 こいつが何もしなかったらライラは胸の内にモヤモヤ抱えたまま消えるだけだったし、世界の滅びが確定する事もありませんでした。




◆次代守護者への布石&光の守護者闇堕ちの真実が隠蔽されていたワケ

 お次はこれ。どちらもとある人物が裏で奔走した結果です。

 誰かというと唯一生き残った風の守護者でした。

 名前はガバラ。本編でも出てきた引きこもりエルフその人です。

 当時の彼はまだ少年で、人間不信を拗らせた世間知らずでした。


 それではまず次代守護者への布石について。

 万が一魔王化したシスルを救えず戦わなければならなくなった場合に備え、次代の守護者が自分達のように苦労しない為の仕組みを築きました。

 具体的何をしたのかと言えば、炎の守護者の弟を誘導して守護者支援の為の国を建国させたり、女神の神殿をつくり(本来は地面に魔法陣があるだけでした。それが朽ちないようにする為その上に神殿を造ったのは彼)、女神と結託して北の大陸の封印の鍵を石に閉じ込めて各地に隠したり等々。

 アルム達の旅が順調だったのは実の所彼の功績がめちゃくちゃ大きかったわけです。


 次に光の守護者闇堕ちの真実が隠蔽されていた理由について。

 これはまぁ守護者が魔王になったという醜聞を隠す事で守護者に対する不信・疑念・不安を抱かせない為です。……というのが表向きの理由。ようは女神側の理由です。

 ガバラ的にはシスルを守る為でした。

 というのも彼はシスルが堕ちた後も救う手立てをずっと探していたんですよね。救い出した後、守護者殺しの汚名を被せられて後ろ指さされるなんて事がないように全力で事実をねじ曲げました。


 結局救う手立てがゼロだとわかり、シスル達がかつて暮らしていた村の近くに住み着いて、今日(こんにち)まで惰性で生きる事になるんですけど。(余談ですがシュゼッタはシスル兄妹の親戚の子孫になります。シュゼッタの髪色、35話で触れていますがアッシュブロンドなんですよね……)


 とまぁそんな理由で隠蔽するに至りました。




◆先代守護者達の紹介

 それでは早速先代守護者一行の紹介をば。

 実は全員名前も決まっていて、なんなら顛末で書いた内容を本編に入れる計画もあったんですが、長い上鬱しかないのでやめました。やめて良かったと思う、だって救いがないんだもの。


[光の守護者シスル]

とにかく妹大好きなドシスコン青年。妹を中心に生活しているが、彼自身結構お人好しなので不安定な子を見るとついつい世話焼いちゃう。おかげで不安定の代表格だったライラや人間不信で全方面にシャーシャー言ってたガバラがめっちゃ懐かれていた。


[闇の守護者ルーチェ]

シスコンの兄を持つ前向きな少女。髪色と目の色で色々大変な目に遭いつつもひねくれず真っ直ぐ育ったいい子。シスルよりもマシだがブラコンの気がある。ガバラを弟みたいに思っていた。色気より食い気で、特にお肉が大好物。見た目によらず結構な大食い。炎の守護者レントルディオに淡い恋心を抱かれていたが全然気づかなかったし、なんなら少し苦手だった。


[風の守護者ガバラ]

人間不信を拗らせた少年エルフ。プライドが高く、尊大な発言がデフォルト。外で遊ぶよりも家の中に引きこもって魔道具をいじったり作ったりするのが好きなインドア派。

最初は全員信用するもんかと全方面に虚勢を張ってハリネズミ状態だった。

その後例外的にシスルとルーチェには懐いた(シスルには思慕、ルーチェには友愛)。

その一方で彼ら以外には心を許す事はなかった。(自分の事を研究対象としかみていなかったゴーシュの事は毛嫌いしていたし、融通の効かない堅物のレントルディオや利己的なデリーヌも嫌っていた)

 なお、好き嫌いが激しいのは人だけでなく食べ物も同様。とはいえ粗末にすることはできず、旅中で食べれないものがでてきた時はそっとシスルやルーチェの皿に移していたり。


[地の守護者ゴーシュ]

狂人魔法師。楽しい事、面白い事が好きな人格破綻者。自分を含めた全ての謎が彼にとっては研究対象。

研究の為ならたとえ魔王に負けて世界が滅んでも別に構わないと思っていた。

魔王や魔物の正体に勘付き、ライラを唆してルーチェを殺害してシスルに憎しみに抱かせる事で守護者の力を反転させる事ができるか実験してた。この物語の元凶。


[炎の守護者レントルディオ]

魔物に故郷を滅ぼされた亡国の王子。誰よりも正義感と責任感が強い。守れなかった民と両親の無念を晴らすべく魔物を滅ぼす為に強くなろうとしていたところ自分を蔑ろにするなとルーチェに叱咤され、それから彼女に淡い恋心を抱くようになった。実は初恋。堅物ゆえ距離の縮め方がわからず、従者のオーシスをやきもきさせていた。余談だが、オズ達が住んでいるレントルの町の名前は彼の名前が由来だったりする。


[水の守護者デリーヌ]

フリーの冒険者だった女性。現金な性格で長いものには巻かれるタイプ。

恋人の浮気が原因で軽い人間不信。本当に信じられるのはお金と自分だけ。

趣味は猫を被った自分に男を惚れさせ貢がせたり侍らせる事。

シスルやレントルディオに一途に想われていたルーチェには同性として複雑な感情を抱いていた。




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