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第8話 プロジェクトをクローズします

 彼女に教わった本屋に行きました。

 店番のおばさんに話し掛けます。


「テイム関連の本と魔石の本と魔力で記録を取る方法が載っている本はありますか」

「テイム関連は何冊かあって、魔石の本もあるよ。魔力で記録ねぇ、そんな特殊なのはあったかな」


 出された本はテイム本が3冊と魔石の本が1冊と魔法大全でした。

 全て買って宿で読書です。

 テイムの方はパスワードも分かりました。

 奴隷契約だと読み始めは思っていたのですが、どうやら雇用契約のようです。

 ゴブリンの方々を雇用するのはやぶさかではありません。


 魔法大全の方はパスワードは載っていないものの、魔法と呼ばれるものの種類が沢山載っていました。

 それによると記憶の魔法は、いくつかあるようです。

 まず、魔道具を作る為に魔石に呪文を刻む、魔道具化の魔法。

 インテリジェントアイテムを作る知識授与の魔法。

 そのほかに印を刻む、刻印の魔法などがあります。


 魔石は道具を作る材料のようです。


 さて、30分ほど時間があります。

 ティアにぶつける質問をまとめておきますか。

 忘れやすいのでこれから会って聞くのは一つにしておきましょう。


 時間になりました。

 墓場に行くと欠伸をしているティアがいます。


「お仕事スイッチを入れて下さい」

「ええ、魔力の循環はばっちりよ。あなたの側にいると、なんでこうなるのかしら」

「たぶん魔力を介して私のやる気が伝わるのではないでしょうか」

「なるほどね。あり得るわ」


「ひとつ質問をいいですか。魔石とはなんです」

「魔獣の体内にある物よ。魔道具の材料ね」

「それだけですか? どんな物質で出来ているのかとか、分からないのですか?」

「分からないわね。換金するだけの物だから」


「ほう、会社の秘密が隠れていそうです」

「えっ、魔石にギルドの秘密があるの。ありそうで怖いから、追及しないでよ」

「ええ、胸にだけ納めておきます」


 土が盛り上がりお客さんのお出ましです。

 槍を持ち鎧をまとった骸骨です。


「スケルトンナイトよ。今日は後れを取らないわ。炎の矢(ファイヤーアロー)

「では私も炎の矢(ファイヤーアロー)


 炎の矢が当たり、スケルトンナイトが後ずさりします。

 槍を真剣白刃取りは難しいでしょうね。


「まだまだぁ。炎の矢(ファイヤーアロー)

「ティアさん、弱点とかはないのでしょうか」

「聖魔法や聖水よ」


 準備不足のようです。

 そういえばナノマシンのプログラムに強弱の調整はないのでしょうか。

 やってみる事にします。


聖なる光(ホーリーライト)。眩しいです」


 太陽と思わんばかりの光が生まれました。

 おー、スケルトンナイトが溶けていきます。

 そして浄化された槍を落としました。


「早く消して、眩しくて堪らないわ」

「すみません」


 魔法をオフにして槍を収納しました。

 仕事の反省会をします。


「準備が足りてませんね。強力な聖魔法か聖水を用意すべきでした」

「ナイトが出て来るとは思わないから。普通はソルジャークラスでしょ」


 管理人が駆けつけてきます。


「凄い光だったが、何があった」

「ナイトが出たのよ」

「お前ら、よく倒せたな」


「聖魔法を全開で使いました」

「それは凄い才能だ。どうだ神官にならないか。紹介状を書いてやれるぞ」

「それはご遠慮します。それより聖魔法を教えてもらえませんか」

「俺ができるのは、あと一つだけだ。聖なる矢(ホーリーアロー)


 光の矢が飛んで行きます。


「復唱します。聖なる矢(ホーリーアロー)


 光の矢が飛んで行きます。

 簡単ですね。


「じゃ私も聖なる矢(ホーリーアロー)。なんで出来ないのよ」


 ティアには出来ないようです。

 もしかして、パスワードを知っていても権限がないと無理なのかもしれません。

 私は管理職の権限があるのかも。


「それより、お前さんがやった全開の聖魔法でこの辺りの瘴気はなくなった」


 そう言えば不快な臭いが無くなりました。


「この仕事も終わりのようですね」

「一人だけだが、依頼は出し続けるよ」


「うむ、どうしましょう」

「私は次の仕事に挑戦したいな」

「そうですね。プロジェクトが終わって、保守に仕事内容が変更されたという所でしょうか。保守は激務ではありませんね。明日からは別の人に譲りましょう」

「残念だな」


「瘴気が濃くなったら、指名依頼をすればいいのよ。ティアとキンロウよ。覚えておいて」

「そうさせてもらおう」


 今日は特別に早く上がっていいと言われて二人で深夜の街を歩きます。


「困りました。仕事が途切れました。今からだと依頼は無理そうです」

「眠ればいいのよ。寝るのも仕事」

「仮眠も仕事中扱いしてくれた職場はありましたが、早々に潰れましたね。ゆるいのは害悪です」

「仕事のスイッチを切る訳にはいかないの?」

「仕事してないとなんだか気持ち悪いのです」


「寝るのも仕事。いい、絶対よ」

「あなたの命令では聞けません」

「じゃあ誰なら」

「上司でしょうか」

「なら聞いてみたら」

「そうですね。そう言えば仕事の報告をしてません」

「でしょ。やってみなさいよ」


「お仕事中すいません。キンロウです。仕事の報告をしたいのですが」


 頭の中に何やら繋がった感覚があります。


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