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第8話 (1/4) 魔物の殲滅

 ダンジョン<フォレスト・ブルーム>第72層、僕達は冒険者達の救出に間に合った。


 間に合ったのだが……。


 全滅した魔物達を前にその場に居た全員が困惑していた。


「フォル、貴方いつの間にそんな強くなっていたの……?」


 リアがそう聞いてくるのだが、


「ごめん、僕にもよくわからない」


<ライボリー・プリズムアロー>にはここまでの威力は無かったはずである。

 精度に力を入れていたこともあり、精々弾き飛ばして魔物達の注意をこちらに向けられれば御の字だったのだ。


「よくわからないが何にせよ助かった。ありがとう、俺達は2人の様子を見てくる、後で必ず改めてお礼を言わせて貰うよ」


「わかった、そちらは気にせず、パーティーリーダー達の様子を見てくると良い」


 ルイさんとガレン先輩がそんな会話をすると、冒険者達はお互いに無事を確かめ始めた。


 周りに魔物の気配もしないので、取り敢えず危機は無いと見てあちらは任せて良いだろう。


「それにしても、今のって中級の混合魔法よね? 同じ多属性持ちの副会長でも中級魔法じゃ、流石にこの威力は出せないと思うわよ……?」


 そうクーナは言ってくるのだが、本当に心当たりが無い、対抗戦の時には別の中級混合魔法を使っていたが、その時にはここまでの威力は無かった。


『マスター、原因は恐らくこれです』


 メザがそう言うと僕の目の前にパネルが現れる。


 ステータスパネルだ。


 -------------------------------------------------

 名前:フォル

 年齢:16才

 Lv :59

 魔法属性値:

 火:36、水:34、風:39、木:32、土:31、雷:33、氷:31、爆:28、光:26、闇:20、無:24、空間:21

 称号:【竜王殺し】

 -------------------------------------------------


「これは……ん?」


 特に魔法属性値などに異常は特に見られない、魔導回路によって標準より少し上がり易くなっているぐらいだ。

 だが別の所に気になる表示があった。


 前に見たとき、魔導回路の移植手術直後に見たステータスでは、なしとなっていた称号欄が竜王殺しという物に変わっている。


 これは名称的に竜王を倒した時に変わったのだろうか?


(もしかして、この称号って言うのが原因か?)


『はい、称号:【竜王殺し】の詳細データを表示します』


 メザがそう言うと、パネルが称号:【竜王殺し】の詳しい説明がされた表示に切り替わる。


 ------------------------------------------------------

 称号:【竜王殺し】


 詳細:竜の王を討ち取りし者に送られる称号

 竜の王鱗を貫通する刃は全てを貫く。

 効果:魔法耐性完全無効

 ------------------------------------------------------


『補足の説明をすると、マスターの放つ魔法にはモンスターや魔物の持つ魔法耐性を無効化する竜の魔力が含まれる様になったみたいです』


 とんでもないデータとメザの説明を聞いてようやく理解できた。


 デビルウッドは魔法耐性と高い魔物だ。だが、恐らく体力はそこまで無いのであろう、一番の強みである魔法耐性を無効化できるのであれば僕の魔法でも大きなダメージとなる。


 威力自体が上がるわけでは無いので当然その他で使うときの威力はそのままだろう。


「何か心当たりがあったのかしら?」


 リアが声をかけてきた。


 メザと会話している事に気づいたのだろう、他の2人も気になっているようだ。


「あー実は……」


 そう言って僕は3人に今メザと確認したことを伝えた。


「なるほど、あの竜を倒した時に……、そう言えば昔会長が似たような事を言っていたな。一定の条件を満たすと強力な力を手に入れることがあると、それをたしか……称号と言っていたな」


「あ、SSランクのモンスターを倒すと手に入ることが多いとか言ってましたね」


「会長って何者なんですか……」


 現象自体は物語などでたまに出てくる事例であるし、歴代の≪英雄≫にも似たようなエピソードがある。だがいずれも名を聞いた事は無く、そこまで詳しい情報は初耳だ。


 何故そんなことを生徒会長が知っているのだろう。


「さあ?」


 何気なく呟いた言葉だったが、クーナからはそんな返事が返ってきた。


「さあ、ってどういうこと? クーナは生徒会に入ってからもう結構長いわよね?」


 リアも気になった様で僕と同じ疑問を口にする


「そうなんだけれど、あの人、結構謎が多いのよ。 学園に来る前の話は全く教えてくれないし、適性属性すら未だに知らないのよ? 模擬戦を何回か挑んだ事もあるけれど、強すぎて私でも一瞬で負けちゃう上に何の魔法を使っているかもわからなかったわ、普段はポンコツなのに」


「俺も同じだな。生徒会にスカウトされたのは会長からだったが一年以上、何も会長についてはわかっていない、とにかく強い事以外は……。副会長は幼馴染みなのか、何か知っているみたいなのだがそちらも何も教えてくれないな。あの会長でここまで秘密を作れるのが不思議だ」


 そう生徒会の先輩である彼らの話を聞いていると一瞬、生徒会室を出る時にあった会長との一件を思い出した。


 どうやら生徒会長は相当に謎が多い人のようだ。

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