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≪プロローグ≫第0話~職業選定の日~

更新スタート、第6話まで今日中に投稿、明日以降は1日1話投稿できるように頑張ります。

再編集版は所々変更点・加筆があります。

もう一度この作品を読む方々も是非読んでいってください!

 ――英雄になりたい


 少年が物語を読んでそう願う、誰もが通る道、どこにでもありふれていてつまらないそんな話。


「まあ、僕も小さい頃はそんな夢物語には憧れたものなんだけれど……」


 僕の名はフォール・ライズ、愛称と家族や幼馴染みからはフォルと呼ばれている。

 今年で15歳になる。


 15歳になると人族は皆、必ず神殿に行く。

 職業選定を受ける為だ。


 職業(クラス)とは神が人族に与える天恵とされていて絶大な力を持つ。

 与えられた力によっては人が竜を斬り倒す、信じられないがそんな話が有名になるようなそんな力だ。

 魔王、数代前の話らしいが邪神の力を取り込んだ魔王も≪勇者≫という職業を与えられた人族が倒したらしい。


 僕は神なんて者を信じちゃいない、正確には神殿が伝えている様なそんな万能な存在はいないと思っている。

 だけれど職業を与えてくれる様な何かがあるのは確かなのだ。

 その存在には感謝しないといけないだろう。


 そして今日は職業選定の日、僕の周りにも15歳になったばかりの人がたくさん居る。

 ほとんどの人が緊張しているのがなんとなく感じられる。

 与えられた職業によっては人生が大きく左右するので当たり前といえば当たり前だ。


「良し! ≪商人≫だ! これで実家を継ぐ事ができる!」

「私は≪魔法使い≫だったわ!」


 希望通りの職を授かった人は喜びの声を上げている。


「≪大工≫……。家は薬屋なのに……」

「≪村人≫!? 俺は貴族だぞ!?」


 希望通りでない職業を授かった人は悲惨そうだ。


 そう、職業はかなり数が多く希望通りの職種は授けられない事も多い。

 遺伝や本人の才能が関係するため希望通りの職を授けられる可能性は高い、とされているが貴族の血筋で≪村人≫の職業を与えられる位なのだから本当に希望通りの職を授けられた人は中々幸運なのである。


 そういうわけで期待すればするほど、そうでない職業を授かった時の落差が大きくなる。

 だからこそ僕は、


(余り期待せずに受けよう……)

 そう思って居たのだが――


「フォール・ライズさん、貴方の職業は……」

「?」

「シスター、どうしたのかね?」

「神父様、すみません≪魔――士≫?文字がかすれており読めないのです」


 職業選定の儀式は水晶型魔導具に手をかざし、その時水晶の表面に文字が現れるという仕組みだ。

 だがどういうわけか、かろうじて4文字とわかるものの≪魔※●士≫というようにほとんど読めない表示となっている。


「なんと!? ≪魔法剣士≫ではないか? 数年に1人の上位職業だ! おめでとう!」

「≪魔法剣士≫でこのような表示になるなど聞いたことありま――」


 ≪魔法剣士≫という言葉を聞いた周りの人々の歓声でシスターの声は遮られる。

 僕自身もその言葉にただならぬ興奮を覚えていた。


 ≪魔法剣士≫、多くの種類がある職業の中でも上位に位置する職業の一つ。


 ここで職業の恩恵について話そう。


 職業で受けられる恩恵の一部に技能(スキル)と魔法適正がある。


 だが、職業における技能に関しての恩恵はそこまで強くない。


 その職業に適性がある武器の技能は覚えやすく、スキルを使ったときに多少の補正がかかる。

 だがスキルは職業の補正が無くても誰でも使えるようになる物がほとんどなのだ。

 勿論、習得難易度や同じスキルを使った際の威力などに差はできる。

 それでも誰でも習得可能というのは大きい。


 職業が特定の技能自体に適性を持つ珍しいパターンもあり、誰でも習得できないスキルもあるがそれは珍しすぎるので例外だ。 


 そして職業の持つ一般的に最大の恩恵をもたらす物、それが魔法適性だ。


 適正さえあれば後は個人の努力次第でどんな魔法も理論上は使用可能と言われているが、逆に適性が無いと魔法は一切打てないのだ。

 これがスキルと魔法の重要性を大きく分ける要因だ。


 誰でも習得可能なスキルと、適性が無ければ絶対に使用できないと言われる魔法。

 職業を得た時にどちらの適性が欲しいと聞かれれば余程の酔狂じゃなければ後者を選ぶだろう。


 スキルを得たければ自力で幾らでも努力すれば良い。


 そして魔法属性は16種にも分かれており、普通≪魔法使い≫などの持つ適性は2つであるが≪魔法剣士≫の持つ適性は8種だ。

 上位職の中でも極めて希な職業だけはある。





 そうして僕はこの職業の特性を最大限に活かし、この1年を必死に鍛錬に費やしてかねてより憧れていた、王国内最高水準と謳われ、数々の英雄と呼ばれる冒険者も養成していた冒険者養成学校≪ブレイブ・ローディン≫へと入学を果たした。



 誰もが羨むエリートの道、僕自身もそう信じて疑わなかった。


 ……だが、現実はそう簡単でも甘い物でもなかったのである。


 それをこの学園で、僕は嫌というほど味わうことになる――。

[トピック]

職業 ≪村人≫


技能、魔法適性共になし

人生ハードモードスタート、技能を身につければモンスターも狩れるよ!頑張ってね☆



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