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2.赤髪の用心棒(2)

 馬車は人気の少ない方向へ進んでいるようだった。比例して、街並みも荒れていく。散乱するゴミや浮浪者の数は増え、石畳の欠損も目立つ。車輪から伝わる震動も、だんだんと激しいものへと変わっていった。

 ギルダスは流れる光景を見ながらも、女から目を離さないでいた。

 首筋に刃を突きつけられた状態でも、顔色ひとつ変えていない。馬車に乗りこんだときといい、相当に肝が据わっている。

 これでいかにも荒事に慣れていそうな顔つきをしているならまだしも、落ち着いて見るとこなれた綺麗な顔立ちをしているし、波打つ茶色の髪は日常生活に不便だと思うほど長く伸びている。座り方にもどことなく品のようなものが感じられた。

 一見すれば貴族のようにも見える。だが、けっして貴族にはない特徴を女はあわせ持っていた。

「そんなに警戒しないでいいわよ」

 女の厚めの唇から、艶のある気だるげな声が漏れ出た。ギルダスの目つきが鋭いものに変わっていることを、からかうような口調だった。

「そう言うんだったら、どこに向かってるかぐらい教えてもらいたいもんだな」

「それを言って信じるのかしら?」

「そいつは聞いてから判断する」

「だったら言っても言わなくても同じことね」

 すげなく返され、ギルダスは押し黙った。それ以上追及する気にもなれず、対面に座るリゼッタに向き直る。

 ……げ。

 直後、顔を強張らせた。

 リゼッタは、唇を引き結んでギルダスたちを見ている。眉ひとつ動かさず、瞬きの回数も少ない。まるで人形のフリをしているようにも見えた。

 ギルダスの背中を、冷たい汗が流れた。

 初対面の警戒すべき人間がそばににいて、なおかつ特に機嫌が悪いときのリゼッタは、“こうなる”。

 そして、彼女が不機嫌な理由については――考えるまでもなかった。

 ギルダスは息を吐いて、どうやってリゼッタの機嫌を直すかについて思案を巡らせ始めた。

 やがて、馬車はある建物の外門の前で止まった。三階建ての建物で、周囲は平屋が多いだけに一際目につく。

「ここよ」

 促され、ギルダスは女に刃を突きつけたまま馬車から下りた。その様子を見て御者の老人が眉を持ち上げたが、女が頷いてみせると何事もなかったかのように馬車を裏手へ移動させていく。

 通りを見渡すと相変わらず人気は少ないが、貧民街というわけではなさそうである。ギルダスは最悪の予想が外れたことに安堵し、中に入るようにと女の背中を押した。

 女が懐から鍵を取り出し、鍵穴に挿しこむ。人の倍ほど高さのある鉄扉を開くと、すぐ目の前は建物の入口だった。

「帰ってきたわよ」

 声に応じて、すぐに両開きの大きな扉が開かれた。完全に開ききる前に、ギルダスは女を中へ押し込む。

「……っ!」

「姉さん!」

 中には十人以上の女たちがいた。

 全員が、ギルダスに拘束されている女と似たような雰囲気を漂わせている。女の首元で光る物の正体に気づいて、目を丸くしていた。

「落ち着いて、みんな。ちょっとした行き違いだから。……三階に私の部屋があるの。詳しい説明はそこで」

 後半はギルダスだけに聞こえる声で言って、女は階段へ向かう。それについていく間も短剣は離さずに、ギルダスは屋内を見渡した。

 一階は広い食堂のような構造になっている。いくつものテーブルと椅子が置かれ、厨房らしきものも奥に見えた。隅々まで清潔さが保たれ、設備にもかなり金を使われている。カーテンや燭台などの装飾も豪華で、それなりの高級感を与えていた。ただ不思議なことに、客らしき姿は一人もない。女たちにもどこか疲れたような印象が感じられた。

 二階は長い廊下の両側に、いくつものドアがあった。三階も似たような造りになっている。構造としては、食堂が併設してある宿屋と同じだ。女の部屋は、三階の階段からもっとも離れた場所にあった。

 鍵を開けて部屋に入る女に、ギルダスとリゼッタも続く。女が振り返り、そのしなやかな指で短剣を指した。

「そろそろこの物騒な物をどけてくれないかしら? ここには私しかいないわ」

「……そうみたいだな」

 部屋の中は、思ったより質素な造りになっていた。大きな机と、付属品の椅子が一脚。あとは三人掛け用の椅子が向かい合うように二脚と、その間にテーブルがあるだけだ。寝室は別らしく、ベッドは見当たらなかった。

 ギルダスは短剣を鞘に戻して、ドアの近くの壁に背中を預ける。リゼッタもそのすぐそばで足を止めた。椅子に座ろうともしない二人を見て、女は苦笑した。

「この町にも、あなたたちほど用心深いのは珍しいわよ。なんだったら中から鍵をかける?」

「そういうあんたは何者だ? かなり世慣れているみたいだが」

「そういうわけでもないけれど……ごめんなさいね。名乗りが遅れたわ」

 女は優美な足取りで椅子に腰掛け、髪をかき上げた。

「はじめまして。それとようこそ。私はサフィーナ。この娼館『背徳の楽園』の主を務めているわ」

 優美な仕草で名乗ったサフィーナの肢体からは、隠しきれないほどの艶が溢れていた。


「主って……あんたいったいいくつだ?」

 娼婦とは予想していたが、娼館の主というのは完全に予想外だった。リゼッタもギルダスにだけわかる程度に目を丸くしている。

 サフィーナと名乗った女を、ギルダスはまじまじと見つめた。

 見た目は三十前後にしか見えず、もしそうだとしたら娼婦として現役でいてもおかしくない。とてもこの規模の娼館を経営しているとは思えなかった。

「あら? 女性に年齢を訊くのかしら。ちょっと失礼じゃない?」

 いたずらに成功した子供のような笑みを浮かべ、サフィーナは答えをはぐらかした。職業柄か、ひとつひとつの動作に男を誘う媚びのようなものが見え隠れする。

「それに……あなたたちが訊きたいのはそんなことじゃないと思うけれど?」

「……そうだな」

 ギルダスは気を取り直して、サフィーナの顔を睨みつけた。

「なんで俺たちを助けるような真似をした? なにが狙いだ?」

「そうねぇ」

 自分から質問を催促しておいて、サフィーナはすぐに答えようとはしない。唇に指を当てて、なにかを待っているようだった。

 ギルダスがしびれをきらして口を開こうとしたとき、控えめなノックの音が室内に響く。

「どうぞ」

 ドアを開けて入ったきたのは、小柄な少女だった。緊張しているのか、身を縮こまらせている。

「おまえ……!」

 その伏せた顔を見て、ギルダスは驚きの声を上げた。青みがかった黒髪と、大人しさを強調するつぶらな瞳が、まだ新しい記憶の中に残っている。

「リリーネ。彼で間違いない?」

 サフィーナは入口のところでたたずむ少女――リリーネに声をかけた。素っ気ない口調だが、慈しむような声音だ。

 上目づかいでギルダスの顔を確認したリリーネは、声も出さずに頷く。

「そう、ならいいわ。戻りなさい」

 リリーネは頭を下げて、部屋から出ていく。その後ろ姿を見送ったギルダスに、サフィーナが声をかけてきた。

「あらかじめ言っておいたのよ。私が客を連れてきたら、来るようにと。……私があなたたちを助けた理由、あなたにならわかったでしょう?」

「……ああ」

 短く答えて、ギルダスは困惑しているリゼッタに説明した。

「昨日話しただろ。助けたってぇのが、さっきのガキだ」

「そういうことね。彼女はここで働いている娘なの。その娘をあなたは助けた。私があなたたちを助ける理由としては十分じゃないかしら?」

 リゼッタがわずかに戸惑いの表情を見せた。ギルダスの説明が真実だったことに、驚いている様子だ。

 戸惑っているのはギルダスも同じだった。結果的にとはいえ、少女を助けた見返りがこんな形であるとは思ってもいなかったのだ。特に、この町でとなればなおさらである。

 黙りこんだギルダスたちに、サフィーナが紅を引いた唇の端を持ち上げて見せた。

「それじゃあ、疑いが解けたところで話の続きをしましょう。あなたたちを狙った黒幕が誰なのか……興味はない?」

「知ってるのか?」

 釈然としない気持ちを脇に置いて、ギルダスは問い返した。

 今の自分たちにとっては、もっとも重要な情報だ。相手によっては、今後の身の振り方を考える必要がある。

 サフィーナはすぐには答えず、代わりに対面の椅子を指してみせた。

「それを聞く前に、まず座ったら?」

 言われて、ギルダスは自分が一歩足を踏み出していたことに気づいた。

 予想外のことが立て続けに起こったせいで、自分でも知らないうちに気が昂ぶっていたらしい。

 息を吐いて気持ちを落ち着かせると、ギルダスは乱暴に椅子に腰かけた。

「……で?」

「まず、そうね……。あなたたち、この町の事情をどの程度知っているのかしら?」

 サフィーナの問いかけに、ギルダスは肩をすくめた。

「着いてまだ日が浅いからな。他の町で聞ける程度のことしか知らねぇ」

「なら、ローグやゼノという名前に聞き覚えは?」

「ねぇな」

「……ほとんど知らないということね。なら一から説明しましょうか。あなたたちを襲おうとしていた男たちのことだけれど――あいつらはゼノという男の手下よ」

「……そいつは有名人なのか?」

 ギルダスは聞いたことがなかったが、ああいう言い方をするということは、そういうことなのだろう。

 ギルダスの胸中を、嫌な予感がせりあがってくる。続くサフィーナの説明は、その予感を裏付けるものだった。

「この町にはよくいるタイプの、短絡的で粗暴な男ね。ただ力はあるから、それでうまく下の人間をまとめているわ。なにしろ、この町の裏の勢力――無法者たちを取りまとめる組織のなかで、二番目に大きな勢力の首領だから」

「……いまなんて言った?」

 思わず耳を疑ったギルダスに、サフィーナは同情の眼差しを向けてきた。

「運が悪かったわね。あなたは、この町で二番目に怒らせてはいけない相手を敵に回したのよ」


 フォルテンの町には、領主――表の権力が届かない場所がいくつもある。それらはいずれも、他の町ならば大通りを歩くことすらできない、後ろ暗い過去を持つ者たちの巣窟になっていた。

 王族の後宮でも、一国の軍隊でも同じことだが、人が集まれば、当然のようにいさかいが起きる。集まったのが犯罪者やすねに傷を持つ者ばかりとくればなおさらだった。

 だが、いさかいが繰り返されれば、それに対応するように“決まりルール”も生まれる。

 犯罪者とはいえ、狂人ではない。双方にとって利のある“決まりルール”なら、喜んで受け入れる。一般人から見れば明らかに歪んでいる“決まりルール”でも、当事者たちの中では、暗黙の了解として機能し始めた。

 だがそうした“決まりルール”も、細かい部分までは一様ではない。

 それぞれの立場や境遇、外見や“決まりルール”などに分別される形で、組織という名の集団が生まれるのも必然だった。

 それらは争い、消滅し、ときには手を結びながらそれぞれの力に見合った立場へ落ち着いていく。

 そして、今この町に存在する中でも、ゼノという男の組織が二番目に大きなものだという。

「――さらに言うならゼノの一派は、この町でも特に荒くれ揃いの武闘派なのよ」

「なら、俺が半殺しにした奴らも――」

「ゼノの手下というわけね。さっきのはその報復というわけ。……厄介なのに、目をつけられたわね」

 サフィーナの淡々とした説明を聞き終えて、ギルダスは頭を抱えたくなった。たまたま遭遇した厄介事で、そんな相手を敵に回すなんて、予想できるはずもない。

 気のせいか、すぐ後ろに立つリゼッタから向けられる視線が、冷たいものに変わったように感じられた。

「それにしても、あなた、かなり派手にやったようね。あなたにやられた連中、未だに生死の境をさまよっているらしいわよ」

 感心したような口調で、サフィーナは言った。

 余計なことを……。

 ギルダスは思わず出かかった舌打ちを寸前のところで堪えた。

 ますます背後からの視線が鋭くなっていく。いまでは殺気すら感じられるほどだ。

 とはいえ、自分がしたこと自体を後悔しているわけではない。半ば自棄になって、サフィーナに言い返した。

「あんな奴らが何人死のうが知ったことじゃねえな」

「そうね」

 ギルダスの口にした苛烈な内容に、サフィーナはあっさりと同意した。そこには、男たちへの同情めいた感情など、微塵みじんも感じられない。

「口封じのつもりだったのだろうけど、この町に裏の組織とつながりを持つ人間はどこにでもいるわ。あなたのやったことだって、誰にも見られなかったというわけではないでしょう? そこらへんの通行人ですら、ゼノと繋がりを持っている可能性があるのよ。隠し通せると思っていたのなら、少し甘かったかもしれないわね」

 見た目だけでは誰が警戒の対象なのかわからないというわけだ。そうだとしたら、叩きのめした当人をいくら口止めしてもどうにかなる問題ではない。

 なんにしても、頭が痛くなる話だった。

 無法者の十人や二十人程度に後れをとるつもりはなかったが、そのぐらいでは済みそうにないし、うまくやり過ごしてもこの町にいる限りは四六時中つけ狙われる破目になる。

 そんなことになれば、リゼッタの依頼を果たすどころではない。

「この町を出ていけばさすがに追ってはこないと思うけれど?」

「それができれば苦労しねぇよ」

 町を出ていき、頃合いを見計らって戻ってくる。――そんな考えもは思いつきはしたが、後ろで無表情のまま睨めつけているであろう女が頷くわけがなかった。逆らえない事情がある身としては、雇い主の意向に従うしかない。

「お困りのようね?」

「……当り前だろうが」

 額の傷跡をなぞりながら返事をすると、サフィーナは意外なことを口走った。

「もしかしたら、あなたの悩みを解決できるかもしれないわよ」

「あァ?」

 ギルダスが疑わしげに見ても、サフィーナにひるむ様子はない。むしろ、楽しそうに笑っている。

「一応訊くが……どんなやり方で?」

「理由はあとで説明するけれど――ここの用心棒をやってみる気はないかしら? もちろん、お金は出すわよ」

「……は?」

 思いもよらない提案に、ギルダスは目を丸くした。


「……ちょっと待て」

 サフィーナの“提案”に、ギルダスは呆れた顔をして言い返した。

「なんで俺が用心棒をしなきゃならねえ。それがどうして俺の悩みを解決することに繋がる?」

 ギルダスの当然の疑問にも、サフィーナはうっすらと笑みを浮かべるだけだった。

「それを今から説明するわ。……まず、あなたたちはなにか目的があってこの町に残りたい。それでいい?」

「ああ」

「でも、ゼノに狙われていたらその目的を果たすどころじゃないでしょうね」

「まあ、そうだな」

「さらに言えば、ゼノに狙われているあなたたちを泊めてくれる宿なんてこの町にはどこにもないわね。――あなたたちがなぜこの町に来たのかは知らないけれど、一日や二日で終わるような用事ではないのでしょう?」

「……」

 見落としていた問題点も指摘され、ギルダスは口をつぐんだ。

 いつ終わるか――それはギルダスたちにもわからない。はっきり言って運次第だが、たしかに今日明日で終わるとも思えなかった。

「少なくとも用心棒になってくれれば、寝る場所に困ることはないわよ。食事もつくし、暇なときは寝ていてくれればいいから」

「……用心棒になっても、ゼノとかいう奴に狙われるのは変わりないんだろうが」

「そうでもないわよ」

 あっさりと否定したサフィーナを、ギルダスは怪訝そうに見つめた。

「ここはね、フォルテンの町の『聖域』なの」

 フォルテンの無法者たちに定められた“決まりルール”のひとつに、“ある区域での争いを禁止する”というものがある。

 そこでの争いは当事者のみならず、その他の者にも火の粉が降りかかる――主にそんな場所が選ばれていた。

 例えば、中心部の大通り。もしここで大規模な抗争でも起これば、普段は無法者に関心も向けない領主もさすがに本腰を入れる。下手をすれば、三国の軍隊が出てきかねない。

 この“決まりルール”は、すべての組織に共通のものであり、もしこれを破れば、すべての組織を敵に回すことになる。それだけの拘束力がある“決まりルール”だった。

「――誰が言い出したのか知らないけれど、それらの場所は『聖域』と呼ばれているわ。皮肉めいた言い方だけどね。『背徳の楽園』はそんな『聖域』のひとつなの。普段は殺気だっている男たちの唯一の安息の地――もしここで流血沙汰なんか起こしたら、当事者だけじゃなくてそうさせた人間も、すぐに殺されるわね」

「……ハッ」

 ギルダスはサフィーナの説明を、笑い飛ばした。

「信用できねえな。ここがそんな特別な場所なら、そもそも用心棒もいらねぇだろうよ」

「ところが、そうでもないのよ」

 サフィーナは眉をひそめた。

「争いが禁止されているのは敷地内だけ。もし誰かが外で悪さ――例えばせっかく来たお客さんを追い払ったとしても、それを罰する“決まりルール”はないわ」

 話を聞いて、ギルダスは首を傾げた。

 ひどく限定的で、融通の利かない“決まりルール”ではあるが、それにしてもそんなことをする者がいるとは思えない。

「なんだそりゃ? んなことしたって、店に来る奴らに喧嘩を売っているようなもんだろうが。そんなことする奴いるのかよ?」

「――ゼノ」

 冷めた声でつむがれたその単語に、ギルダスの思考は一瞬停止した。

「なっ……!」

「ゼノに狙われているのは、あなたたちだけじゃないということよ」

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