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7.5話 いつもどうり
──チク、タク、チク、タク
懐かしい話をしているうちに、1時間も経っていたらしい。時計の表示が11:30になっている。
胡桃にはシスコンを隠しながら話をしたから、シスコンはバレていないはずだ。
だが胡桃は、
「…おにぃ……」
いつの間にか寝てしまっていたらしい。
そして、胡桃。
「おにぃ…だっこ……」
かわいい寝言を言っている。鼻血出そう…
やべっ、ちょっと出かけた。ティッシュどこだ?
というか、俺も眠くなってきた…
でもやっぱり胡桃の横で寝るのは、何歳になっても慣れない。
「すぅ…すぅ……」
胡桃は俺の腕に抱きついている状態のため、桜色の唇がすぐ近くにある。その唇が、少しだけ動く。
「…ん、んん……」
やばい!このままじゃ、理性が持たないッ!
俺は胡桃から距離を取ろうとするが、胡桃の四肢が俺を離さない。
どんだけ力強いんだよこいつ!抵抗したら骨が折られるなこれ。
仕方ない。このまま寝るか。
おやすみ、胡桃───