表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/36

25話 決死の質問

 朝食を食べ終えた俺は洗い物を急いで終わらせ、部屋の机に向かっていた。だがそれは勉強のためではなく、再来週に控えた胡桃の文化祭の予定を組むためのもの。

 何時に何をするのか、これを今のうちに決めてスムーズな1日を送ろうとしているのだ。

 幸い、胡桃の通っている中学校は俺の母校でもあるため、内部構造はわかっている。胡桃のクラスも知っているから、あとは各クラスが何をしているか。それだけを知りたい。

 胡桃には、誘われたから行く、という設定にしている。だから楽しみにしている姿を見せないし、パンフレットなども当日受け取る。事前にパンフレットを貰っていたら予定を組んでたと思われるからだ。実際そうなんだが。

 ────コンッ、コンッ

 優しいノックオンが部屋に響く。

「お兄今いい?」

 胡桃か。まあ今家には俺と胡桃しかいないんだから、それ以外の人だったら問題なのだが。

「いいぞ、どうしたんだ?」

 予定表を机の中に隠し、胡桃の入室を許可。

 胡桃の手には何か広告のようなものが握られていた。

「わたしの学校の文化祭、来るんでしょ?」

「まー、予定が合えばな」

 ここでも『楽しみにしてませんオーラ』を出すためにあえて、行く! とは言わない。

「これ」

 俯きながら何かを差し出した胡桃の手には、文化祭のテーマらしきものが書かれたパンフレットや招待状、あと何かしらのチケットがあった。

「パンフレットはわかるが、あとの2つはなんだ?」

「招待状は学校の卒業生限定なんだけど、これ使ったらなんか貰えるらしいよ」

 なんかって、曖昧だなぁ……

「そか。で、こっちの、チケット?みたいなのは?」

「それは私たちの店の引換券」

「へぇ、店やるんだ」

 何の店か聞きたい。でも『楽しみにしてませんオーラ』を保たなきゃいけないし。いやまて! 何の店をやるかぐらい普通に気になるからこれは言うべきなのか? よし、言おう。心を落ち着かせて。3……2………

「お兄?」

「ひゃい!」

 心臓止まるかと思った。

「ど、どうした?」

「いやそれこっちのセリフ。なんかさっきからボーッとしてたけど、なんか悩み事?」

「いや、大丈夫……ではないかな?」

 大丈夫だと言いたいが結果的に問題は解決されていない。

「何かあれば相談に乗るよ?」

 妹がよく出来すぎて泣きそう。

「そうだな、1ついいか?」

「ん〜?」

「文化祭さ、胡桃のクラスは何の店やるんだ?」

 胡桃は少し頬を赤らめながら口を開く。

「どっ、動物……カフェ………」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ