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セルリアン・スマイル ~その痛み、忘却~  作者: JUNA
Smile1 ガーディアンの女 ~Desperate or hopeless encounter~
3/129

3 「邂逅」


 家族の記憶を話そう。


 父と母と兄と、懐いていた愛犬。懐っこいコーギー。


 父は仕事で家にいる印象はない。それほど忙しかった父だけど、夏には必ず休みを取って旅行に連れて行ってくれた。


 料理はお世辞にもうまいとは言えなかった母。でも、その手は温かかった。それが洗濯を終えた後でも。


 兄はいつも俺に意地悪ばっかり。だけど父や母以上に、俺の一番の理解者だった。



 コーギーはチャコ太郎って名前だった。ネーミングセンスのない父がつけた。トイレの水を飲むようなバカ犬。だけど憎めないやつ。


 家族と紡いだ楽しい思い出。そのフィルムの最期は、俺を置いてけぼりにして仲良くお風呂に入っているシーンで終わる。なぜかお風呂は真っ赤で、誰も嬉しそうな顔をしていない。

 チャコ太郎でさえ、目と口をだらしなく開けていた。


 その意味が分かったのは、物心ついた時・・・いや、それより前から、俺は無意識に気づいていたのかもしれない。それが、どういう意味だったのか。


 心優しい祖父母も、私がガーディアンになることが決まったと同時に、事故で他界した。


 それが俺―佐保川貴也の記憶。



 今日、また1人、私の元を去った。唯一のパートナーが。

 私の周りにいる人は、いつも私を置いて去っていく。

 家族も、友達も、全てが。


 それでも私は信じていた。信じたかった。信じていたかった。


 

 でも、俺は…何故なんだ…俺は…。

 


 俺がガーディアンになった理由、それは――



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