二等辺三角形2
放課後、いつもどおり俺と悠太、とおまけの陸とが語らっていると、ふいに何か思いついたのか、悠太のパッチリお目めが、いつも以上に輝きを増していた。
めっさカワイイなぁ…隣に座っている陸の両目に目潰ししたいくらいやわ。
そんな俺の思いなんか勿論知らずに、悠太は俺らに対して顔をぐっと近付けた。
「なぁなぁ、突然やけど、秋といえば何?」
「うん?食欲とか?」
「せ、」
「文化祭やっ!立田!今下ネタ言おうとしたやろ!?」
「悠太くんに悟られるやなんて…俺も終わったなぁ」
「陸は生まれた瞬間から終わってるから安心し。」
「あ゛ぁ゛?」
「淳淳!言い過ぎやで!」
「えっ、そう?」
「貴様は、もう少し俺を丁重に扱え!」
「なんで?」
「…」
陸の肩が思いっきり下がったんを見て、俺と悠太は大爆笑した。
ら、陸に俺だけ、俺だけ(強調ね)頭をはたかれた。
「陸、痛いやん」
「痛くしたんや」
陸と俺が睨み合っていたら、悠太が笑いだした。
「ほんま、二人仲いいなぁ~」
その笑顔に、自分の顔が熱くなるのがわかる。
それに目敏く気付きやがった陸が蔑んだ目で俺を見てたんやけど、シカトしておいた。
悠太を好きなんやって気付いたんは、もう随分前の秋頃やった。
俺にとったら、めっさ大切な、あの瞬間を、悠太は忘れてるやろうけど。
この時期なると、いつも思い出す。
あの、紅葉の舞い散る中で
「淳?」
静かに笑う君のことを。