告白とその答え
司会である日向はもう一度聞いた。
「平井さん もう一回いいかな?」
「ですから 高橋君が好きなんです。私と付き合ってください。」
告白された日向は顔が少し赤いが雫音は真っ赤である。
「えーと平井さん それ本当かな。」
「はい」
雫音は声が小さくなった。
周りにいた香乃と俊は唖然としていた。
クラスのみんなは冷やかすように
「どうなんだ日向 オッケーするのか?」や「もちろんオッケーだよな」
日向は困ったように
「はい 今日はここまで それではもうちょっとで就寝時間なのでみなさん部屋に移動してくださーい」
日向は必死にごまかした。
雫音は下を向いたままだ。
日向はそれを見て通りすがりに、
「後で海が見えるテラスに来て。あと誰にも内緒な。」
と耳元で囁いた。
みんな解散したあと雫音は香乃に話しかけられた。
「ちょっと雫音大丈夫。つかさっきの本当?」
雫音はまたまた顔が真っ赤になった。
「うん。だって困ってたら助けてくれたし、それに優しいし 私惚れちゃうよ。」
聞いてる香乃もなんだか恥ずかしくなった。
「早く移動して寝なきゃ。先生に怒られちゃうよ。」
「うん。寝なきゃね。先生に怒られちゃうよ。」
そのころ男子は
さっきのことは気にせず枕投げをしていた。だがそこに日向と俊は参加していなかった。二人は廊下で話していた。
「さっきの告白の返事は。」
「俺にはあぁゆうのわかんないし、どうにでもなるっしょ。まぁ寝ようぜ。」
このあと二人は枕投げを止めるのであった。
そしてみんなが寝たと思った日向は外に出かけた。
日向はテラスに向かって走った。
(はやく行かなきゃ。平井さん泣いてたし。)
そして走った先には平井さんがテラスから海の方を眺めているのを見つけた。
走って平井さんのいとこまで行こうとしたら丸い机に腿をうった。
「イッテー」
「えっ?高橋君?」
雫音は振り向いた。
「えっと大丈夫?」
雫音は少し照れているようだ。
「てー まぁ大丈夫だよ。」
日向は倒れた机を直しながら答えた。
「さっきのことなんだけどね。」
やっぱり雫音は下を向いたしまった。日向を直視するのは恥ずかしいらしい。
「あぁこっちこそありがと。 あのままだと俺みんなにボコボコにされたわ。」
日向は笑っている。
「違うの。その・えっと・・あれはほんとのことなの。」
「えっ?」
日向は内心ホントかもしれないと軽く思っているだけであったから驚いた。
「入学してからずっと高橋君には助けられたし、そこに惚れちゃったよ。」
雫音は照れながらも日向の顔を向いていた。
「だから・・その・・ 私と付き合ってください。」
勇気を振り絞った後にまた下を向いてしまった。
聞いていた日向も顔が赤くなってしまった。
「えーと ごめん平井さん 平井さんは可愛いと思うけど、俺ほかに好きな人がいるんだ。だから・・その・・」
「ううん いいの。なんかまた困らせてごめんね。」
「ほんとごめん 平井さん。」
日向は気まずくなるのを察して
「ならまた明日ね。 先生に見つかるなよ。」
日向は笑顔で雫音の方を少しだけ見て、走って行った。
「うん ありがと ほんとに・・ありっ・んぐっ・・が・とう」
日向が去った後を確認してこらえていた涙が一気にあふれた。