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倒れているミミル

 どこに行けばいいか分からずうろうろしていると、

「誰か倒れてる…?」

 メロンが何かを見つけた。

「…というか…」

(お亡くなりになってない…?)

 ぴくりとも動かず、体の下は赤い。

「…」

「…」

「なんで立ち止まってるの?」

「メロンこそ」

 2人同時に息を吸って吐いて、重い足取りでそろそろと進む。

「!メロン!?」

 気がついたら遥か後ろにいるメロン。

「…」

(僕が行って確認すればいい。でも、怖いし…。でも…)

「分かった分かった行けばいいんでしょ!?」

 ずかずか歩いてくるメロン。ちょっと怒り気味。

「ごめん。勇気がない」

 謝っておく。

「…一緒にいこ…」

 ぼそっとメロンがそう言って、また2人で進む。倒れている人の前に来た。

「す、スイマセーン…」

 目の前にくると、床が真っ赤に染まっていて、臭いで吐きそうになる。頭がふわふわした感じで現実感が無い。

「お前らか…」

 ふらっとした目をこっちに向けてるのは、ミミル。

(生きてた!ミミル!?)

 手当てをすればいいのだろうか。でもどうしていいか分からない。手を出せないまま僕もメロンも黙っていた。

「このザマだ…。何をやってるんだろうな…」

 話始めるミミル。僕やメロンに気づいていないのではないかと思うくらいに、淡々と呟いている。

「…この塔はミイナのペンダントに連れてこられた…周囲にいる人たちもろとも焼き払う…。それを知って止めようとした…どうしてこうなったんだろうな…。なんだろうな…今はお前らがうらやましく感じる…俺ももっと思ったとおりにわめけばよかったのかもな…。………そこの画面を見ろ……」

 ミミルの指差す先を見てみる僕とメロン。

「ひ」

「うぇ」

 大小たくさんの赤い塊のある化け物が映っていた。山ほど。

「塔の周りの人に気づいたんだ…。…この部屋を出て右、まっすぐ進むんだ…後は一本道だ……光線をずらすんだ。悪魔を焼き払って集まった人を助けろ…。…本を持って行け…絵の通りにすれば操作できるはずだ……」

 ミミルはそう言って、ゆっくり目を閉じた。こちらに本を渡そうとしてきたけど、パサッと床に落ちた。

「…」

「…」

「あの……?」

「レオ、行こう…」

 ミミルはもう動かなかった。本を拾って、部屋を出ようとする。

「?」

 もう1人倒れている。何があったのかは分からない。でも、ミミルがやったんだろうと思う。なんとなく。

「行こ…」

 僕の手を引っ張るメロン。部屋を出る。

「メロン。僕…あの人のこと全然知らない。急に出てきてミイナを連れて行ってさ…。何て言えばいいのかな…」

(何て言えばいいのか…じゃない。言うことは何も無いのかも)

「さっさと村に帰りたいね…」

 独り言みたいに呟いたメロン。

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