最強能力と関西弁を隠すモブの俺、うっかり勇者の首を引っこ抜く。〜死んでへんからセーフやんな? 生首の勇者と魔王を倒しに行くで〜
「オギャー」
転生、その言葉が一瞬で出るのは都合良すぎ?
いや、当たり前や。
(普通にユニコーンおる…)
「ヒヒーン」
多分転生したからには、勇者になって魔王を倒し、美女を嫁にゲットするんや!
親のいない隙に鏡を覗き込むと――
「めっちゃモブ顔やん!」
(嘘やろ…)
「違う…こんな奴の…」
「こんなやつのなろう系なんざ見たないわ!」
子ども:「おじさん、ユニのツノで、
擦りむいた〜でも手当しなーい」
「なんでやねん!」と出そうになるのを、物理法則をねじ曲げて飲み込む。
「早くお母さんに手当てもらえ、あと同世代やで」
子ども:「喋り方変〜ぎゃはは」
…こんなクソガキたちと飼いユニコーンの声が聞こえてくる。
きゃーきゃーヒヒーン、がおー…うん?
村人A:「うわっ!モンスター?!逃げろー!」
村人B:「勇者様、助けてー!」
──勇者様はまだ来ていない。
モンスターの一匹が、俺の目の前に迫る。
勇者:「そこの者、安心せよ!私が守る!」
「わー!勇者様だー!」
勇者:「あ゛あ、くそ!」
(こいつ弱すぎやろ)
「勇者さーん、怖ーい、手繋いで〜」
勇者:「こら!危ないから離れ?!」
勇者:(体が勝手にモンスターを倒して行って…)
村人A:「凄いぞ!急に動きが俊敏に!」
村人B:「これなら!あ、おい!離れろ!」
「ごめんごめん」
(ちょっと触っただけ。モブの特権や)
村人たち:「勇者様最高!勇者様無双!」
勇者:「え、?いや、俺は…」
勇者:「あ!おい君、大丈夫だったかい?」
「ああ、大丈夫やで」
勇者:「やで?」
「いや、怖かったです!助けて頂きありがとうございます!」
村人A:「すいません!こいつ時々言葉遣いが変になるんですよ!」
村人B:「変なやつだよな」
「ごめんって!」
勇者:「いや…確か転生者の詳細に関西弁?…あった気が、?!もしかして君は…」
村人A:「ぎゃー!!勇者様が倒れたぞ〜!!」
(…危ないな、関西弁はしばらく封印や)
村人B:「おい!早く運べ!」
「分かった〜」
「…もう誰もおらんな、今日もモブ演技完璧やったな、ちょっと小さいから帽子浮かしてるけどバレへんもんやな。」
勇者:「やっぱり、君は゛」
「オラァ」
バキッ
「やばい、首取れた、くっつけな」
村人A:「え、勇者様…首が…!?」
村人B:「お前?!一体何者…!」
「やべぇ記憶消さんと」
勇者:「そんなこと許さないぞ!」
村人A:「首が喋った!?」
「分かった!暴れんな!逃げるから!
おい!ユニ!」
「ヒヒーン」
…
「さて、これから本格的に旅の始まりや…」
勇者:「…なんで俺、首だけで生きているんだろう」
「ブルブル」
「ま、旅の間に全部つなげるから安心せぇ。チートやからな」
勇者:「やっぱりきみ゛」
「あ、魔法切れた、はよくっつけんと腐る。」




