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「ううん」と声をあげて目が覚めるのであるが、まるで白雪姫のようなものであり、いや、眠り姫だったのかもしれず、そういえば、どっちがどっちだったかあまり覚えていないのであるが、どっち道、ディズニー映画のアニメで見たものである。
ベッドから立ち上がって、裸足に床の冷たさを知るのであるが、なんとかして歩こうとすると、右足がとてつもなく痛くて、それは捻挫してしまったのであるが、面倒臭いから病院には行かずに自力で放置することによって、治そうとしたのであるが、それは下手をすると不具になる可能性もあるにはあった。
三月というのにやたらと寒いのであって、近年は十二月はそんなに寒くなく、二月となるとやけに寒くなるのは何故だろうと思っているが、そんなことは気象予報士でないとわからないものであり、むしろ、それ以前の方が異常だったかもしれず、そういえば2026年は冷夏になることが誰かによって予想されていたのであった。
私は冷蔵庫を開けると、例によって何もないので、眉を八字に曲げて、泣きそうになりながらドアを開けて、近所のサンドイッチ屋に向かって歩き出したのであり、ボロいアパートの階段をタンタンと降りて、道を左にゆくと、二車線のやけに車の通らない道路があって、その脇の歩道をテコテコと歩いてゆくと、謎の建物の前を通るのであるが、それはある部分を踏むと「テロリロリン」と音が鳴ってしまうのであった。
私は朝の六時ごろだというのに、また間違ってその建物のドアの近くを歩いて「テロリロリン」と音をさせてしまうのであり、これには家主もイライラするのであろうが、そもそも何でこんな設定にしているのかもわからないし、そもそも歩いているところは公道なのであって、誰も悪くはないので足を引きずって、何とか先に進むのである。
その道路は、二車線であるが、中央分離帯のようなところがあって、そこに桜の木が植えられており、三月の頃であったから、そろそろ桜の花もついて来るものなのであろうが、まだまだそんなこともなく、その前にごみ収集所になっていて、黄緑色の袋で、ゴミが集まっていた。ゴミの匂いというのは、あの苦い感じ、あれは色んなものが無秩序に集まった時の匂いであった。
いわゆる複雑系というやつであり、昔、私はある友人の悪戯で、調味料12種類を無秩序に混ぜた液体を飲まされたことがあったが、その時に感じたのがゴミのようなものであり、土の味であり、間違ってウンコを食べた時もそんな味がしたものである。




