Sさんがサイトから消えた
S.Cさんが小説サイトから突然消えた。
Sさんの作品を読んだ事のある読者は沢山いると思う。
幾つかのネームを使い分け、おどろおどろしいホラー作品や笑い転がらされるコメディー作品、それに本職のトラックドライバー視点によるエッセイ作品などの短編作品、飼っているペットを主人公にしたペット日報という連載作品など、書籍化作品は無いが面白い作品を多数投稿していたからだ。
またSさんは面白い作品と出会いたいという理由で、自主企画を次々と行っていた。
此の自主企画に参加した事により、企画に参加する前より作品を読みに来てくれる読者さんが、増えたという作者さんもいると思う。
だから読者の方たちも作者さんたちもSさんがサイトから突然消えた理由を知りたい筈だと思い、特定を趣味にしてる私はSさんが消えた理由を探る事にした。
消えた間接的原因は今年の7月から8月に掛けて行われた、「家で作るカレーの作り方をエッセイで晒せ」っていうキャッチフレーズの「我が家自慢のカレー」企画。
多数の作者さんが参加していたから覚えている人もいるだろう。
買って来たレトルトカレーを湯煎するだけっていう作品から、材料の分量や煮込む時間が事細かく書かれた、某お料理サイト並みの作品まで多数の作品が投稿されていた。
皆んなはサイトに投稿されている作品に書かれている料理を読み、その料理が食べたくなった事は無いだろうか?
私は偶にある。
作れる料理は作り作れない料理は食べに行く。
同じように企画に投稿された作品を見て、サイトの多数の読者が事細かく書かれたカレーを作った。
真夏日が続く7月8月に煮込み料理のカレーを作ったのだ。
作ったその日の夕食や、鍋いっぱいに作って残ったカレーをタッパに入れて冷蔵庫に保管した人たちは大丈夫だったのだが。
鍋のカレーをそのまま放置し翌日の朝食や昼食に食べた人たちの中の可也の人たちが、食中毒になる。
厚生省が注意喚起しているウェルシュ菌による食中毒。
鍋に入れたまま翌朝まで放置されていたカレーの残りも、じっくりと煮込みながら鍋の中をかき回し中心部までじっくり煮込めば回避出来たのだろう。
だけど、慌ただしい朝や冷めたカレーも美味しいと殆んど煮込まなかったり、煮込まずに食べた人たちが食中毒になった。
身体に異常を感じ、直ぐに病院に行った人たちや救急車の出動を要請した人たちだけだったら良かったのだが、独り暮らしで食中毒だと思わず自宅のトイレ籠もった人たちの一部の人が、熱気が籠もるトイレの中で熱中症になりそのままお亡くなりになる。
人が亡くなった事で警察が本腰を入れて捜査した結果、Sさんの企画が怪しいとなって所轄の警察がSさんに任意同行を求めた。
任意同行を求めて警察署で事情聴取がされたが、勿論Sさんが罪に問われる事は無く直ぐ帰宅を許される。
そのSさんを、偶々その所轄の警察署を撮影していたユーチューバーが映し配信。
配信した翌日、そのユーチューバーの下に黒服姿の厳つい体格の男たちが訪れ、映されていたSさんの情報を求める。
黒服姿の男たちの中の1人が、映されていたSさんが音信不通になっている親族の可能性があるからと説明した。
ユーチューバーが情報を提供したその日の夜、Sさんがペットと共に暮らすマンションに黒服姿の男たちが現れ、Sさんを拉致するように連れ去ったという。
私はユーチューバーが記憶していた黒服姿の男たちが乗って来た車のナンバーから、Sさんが連れ去られたと思われる地方を割り出す。
その後は割り出した地方を歩き回りSさんの親族に辿り着く。
まぁSさんがエッセイや活動報告で中高生時代に所有していた、可也高額なお値段のギターやバイクの事を自慢していた。
普通の家庭の中高生なら勉学は二の次にして、バイトに精を出して購入する物なのにバイトをしていたとは一言も書かれて無い事から、裕福な家庭の出身だと思い調べたらドンピシャだったのだ。
ただその親族はその地方1番の資産家で、その地方から選出される国会議員も逆らえば確実に落選するだけの権力を持ち、ヤの字か付く方々とも付き合いがあるらしいので名前を公表するのは止めておく。
軟禁されているのに良く特定出来たなと思われたと思うのだが。
此れは偶々その資産家の凄まじくドデカイ豪邸の裏の道を歩いていた際、豪邸の中から「こんなくだらない物を、こんな馬鹿みたいなSとかって言う偽名で書いて、うちの家名に傷を付けおって反省しろー!」という男性の怒号が響いた後、弱々しい声で「ごめんなさい、ごめんなさい、お許しくださいお父さま」って声が聞こえて来たからなんだ。
だから、何時の日かSさんのお父上の勘気が和らぎ許される事を信じ、S.Cさんことシーフード カレーさんが小説家になってみようよに戻って来る事を願って、皆さん待ち続けてましょう。