4. 少年
よろしくお願いします。
クックパ村に入れたオレはミズキと2人で、村の中の通りを歩く。
このクックパ村はバルツルグ王国内を東西につなぐ街道沿いにある村のため、立ち寄る旅人や行商人も多いらしい。
実際に歩いてみても村内は活気があるし、村の規模もちょっとした町と言えるぐらいに大きいみたいだ。
しかも聞いた話ではこのクックパ村は、数日後に年に一度のお祭りを控えているのだという。
そういうことで今この村は、お祭りの準備で大いに賑わっているところというわけだ。
そんな村の中をオレ達は、村に来る途中に仕留めたハングテイルリザードの死骸を引きずりながら歩く。
まずは泊まる宿を確保して、それから冒険者ギルドでこのトカゲを買い取ってもらうつもりだ。
町とは違い村ぐらいの規模だと冒険者ギルドが無い所も多いみたいなのだけれど、この村には小規模ながらもギルドの出張所のようなものがあるらしい。
そうして通りを歩いていると、不意に横から声がかかった。
「なあ兄ちゃん!」
「?」
最初は自分が呼ばれたとは思わなかったのでそのまま歩いていたのだが、再度声をかけられたことで気がついた。
声のした方を見ると、そこには少年が2人、立ってこちらを見ていた。
歳の頃は、12〜3歳くらいといったところか。
1人はダークグレーの色のボサボサ髪をした生意気そうな顔立ち、もう1人は短く刈り込まれた栗色の髪の、真面目そうな顔立ちの少年だった。
2人とも、小さな木や革の鎧を着て、木で出来た玩具のような剣を手に持っている。
何かと思っていると、生意気そうな方の少年が笑顔で話しかけてきた。
「へへへ、さっき戦ってるところ見てたぜ。兄ちゃんスッゲー強えな」
「ん?ああ……」
あのトカゲを倒したところを見ていたのか。
じゃあこの2人、あの場にいたのか。
というか、小学校の高学年くらいの少年が2人で、町の外でオレが戦ってるところを見ていたということは……
「あんた達……もしかして、さっき町の外にいたの?」
ミズキの問いかけに、ニヤリと笑うボサボサ頭の少年。
「俺達、町の外を探検してるんだ。スゲーだろ」
自己紹介によれば、先ほどから前に出ている、この生意気そうな少年の名前はミック。
そして後ろにいる、真面目そうな少年の名前はマルクスというらしい。
2人はどちらも13歳で幼馴染の親友同士、よく連れ立って町の外を探検に行くのだそうだ。
「町の外って……子供だけじゃ門の外になんて出してもらえないよね?どうやって……」
「へへ。そこはさ、秘密のルートってもんがあんだよ」
「ひ、秘密のルート?」
何やら、抜け道のようなものがあるようだ。
「でも、あなた達だけで町の外に出たりしたら危ないじゃん。家族の人からも注意されたりしてないの?」
「大丈夫だって。今までそんな危ない目にあったことなんて無いんだしさ。小さい魔物なんて俺達のこと見たら逃げてくし」
「今までは大丈夫でも、いきなり強い魔物が出てきたりしたらどうすんの。そのせいで、下手したらこの村だって危ないことになったりするかもしれないじゃん」
つい最近、オレ達がそういう状況に出くわしたばかりである。
しかしそんな指摘にも、ミックはヘラヘラと笑うばかり。
「何だよカタいこと言うなって。そんなことよりさ兄ちゃん、俺のこと弟子にしてくれよ」
お読みいただきありがとうございます。
また評価、ブックマーク等いただき誠にありがとうございます。




