3. 入口
よろしくお願いします。
少し急ぎ目に歩いて、ミズキが息を切らしながらも1時間ほど。
オレ達は、街道の途中にあるクックパ村にたどり着いた。
村ということで、これまで立ち寄ってきた都市に比べてやはり小さい。
村を守る防壁も城のように大きなものではなく、人の背丈くらいの石の壁が左右に広がっている。
急ぎ足で村の入り口に近づいて行くと、オレ達を認めた門番の兵士が2人、こちらに駆け寄って来た。
兵士といっても、これまでに寄った大きな町で見たようなきちんとしているものではない。
ガタイの良い村人が、普段着の上に簡素な鎧を着て剣やら槍やら持っているという感じの人達だ。
「お前達は、旅の者か?この女は?それからその引きずっているのは……魔物か?」
「あの、私達王都のラキオスブルックから旅をしてきたんですけど、この女の人、この道の先で倒れてるのを見つけたんです。怪我してるみたいで……手当てしてあげてもらえませんか?」
「おい、この女……アサンジの嫁のケーラじゃねえか?俺ちょっと、アサンジ呼んでくるわ!」
兵士にミズキが説明していると、もう1人の兵士が何か気づいたようで村内に駆け出していく。
「合わせて医者も呼んでもらえると助かる。両腕が折れているみたいなんだが、オレ達にわかるのはそこまでだ。他にどこか悪くしているところがあるかもしれない」
「わかった。おい、担架を持ってこい!このトカゲは……ハングテイルリザードか?こいつはどうしたんだ?」
「女の人を追いかけるみたいにして、森から出てきたんです。多分この人、この魔物に襲われたんじゃないかと思うんですけど……」
「このトカゲの魔物は、この長い尻尾を獲物に巻きつけて絞め殺すんだ。彼女の腕が折れているということは、こいつにやられたんだろうな。よく抜け出せたもんだ」
「ケーラ!」
門番に女の人を見つけた経緯の話をしていると、村の中から声がして、男が3人ほど走ってくるのが見えた。
1人は先ほど村の中に走って行った門番の兵士で、もう2人はこの村の住民のようだ。
彼らは寝かされている女の人に駆け寄ると、男の1人がすがりつく。
「ケーラ!ケーラしっかりしろ!先生!」
「落ち着けアサンジ、今確認する。皆はこの人を、すぐに診療所に運べるようにしてくれ!」
「わかった。おい、カイランとホセイを呼んでこい!」
村の入り口が大騒ぎになる。
ただまあ医者が来たのであれば、これ以上この場でオレとミズキに出来ることなどは無いだろう。
オレはそばで指示を出していた兵士に近寄って、その肩を叩いてみた。
「おい」
「?なんだ?」
「オレ達は、村に入っても大丈夫なのか?」
「ああ、お前達か……良いだろう。お前達は、旅人なのか?」
「そうだ。王都のラキオスブルックから来て、この先のアンティル公国との国境を目指している。今日はこの村に泊まりたいんだが、宿はあるか?あまり高くなくて、それでいて混み合ってなくて、セキュリティのしっかりしたところが良い」
「贅沢言ってるな……」
まあ何にせよ村には入れるみたいなので、オレとミズキと2人で足を進めようとしたところに兵士から声がかかった。
「待て」
「?」
「通行税払って行け」
そこはきっちりしているんだな。
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