エピローグ
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「なあバートン、あの2人……タマとミズキだっけ?俺達、なんか悪いことしちまったな……」
「……そうだな。確かに、アルジララクネの群れを東の森ごと消し飛ばすなんてとんでもねえ力だったけどさ。それも結局、この町を守るためにやってくれたんだし。実際アイツが戦ってくれなきゃ、今頃この町丸ごとあの魔物の巣になってたかもしれねーんだしな……」
「確かにびっくりしたけど、俺達思いっきり怖がっちまったし、その後もなんか気まずくて声もかけられなかったもんな……」
「もし今度この町に来ることがあったら、その時は謝れるといいな」
「ああ、そうだな……」
◇
「出奔した勇者様2名の消息は、やはり国境付近で途絶えています。ただ、これまでの行動からして皇国内に留まっているとは考え難く。おそらくは関所を回避し、山を越えて国境を越えたものと思われます」
「なるほど……異世界の勇者、やはり中々知恵が回るようだ。国境を越えたとなると、皇国聖騎士たる我々はこのまま追跡を続けることは出来んな。バルツルグ王国は皇国の影響力が強い国とはいえ、軍が越境するには先方の許可を得ねばなるまい。追跡は一旦中止とし、聖都イアスに連絡を送り今後の判断を仰ごう」
「恐れながらマヌーチェフ隊長!あの2人はディオス様並びに、皇国の聖騎士数名を殺害した大罪人にございます!このまま彼奴らを逃がせば、神聖皇国の威信に関わる事態ともなりましょう!何卒私に、追跡続行の許可をいただきたく存じます!ダラン!お前もあのような罪人を、勇者様などと呼ぶのは止めろ!」
「ボールド卿……そうか、ディオス卿はお前の剣の師匠だったな。敵を討ちたい気持ちはわかるが、聖騎士が陛下の許可も無しに国境を越えるなど認められるものではない。今は気持ちを落ち着けて、聖都イアスからの連絡を待つのだ」
「……っ!ならば、今ここで私の聖騎士の任をお解きください!一平民の立場であれば、国境を越えるに何ら支障はありますまい!私は何としてでも、この手でディオス様を殺した犯人を!」
「頭を冷やせボールド卿!貴様の聖騎士の立場は、畏れ多くも聖皇陛下に任ぜられしもの。この場で軽々しく任命だの罷免だのが許されると思うのか!追跡は必ず実行される。否、たとえ今すぐには成らずとも、犯人の罪はボウロア神の光の下にいずれ必ず裁かれることとなろう!1つの事件の犯人に執着することが聖騎士の任務ではない、それを忘れるな!」
「くっ……!ならば私は、今この場をもって聖騎士の地位も騎士の身分も、すべて女神ボウロア様に返上つかまつります!騎士団本部には、アインズ・ゼン・ボールドは死亡したものとお伝えください!隊長におかれましては今までのご指導ご鞭撻の程、心より感謝申し上げます!それでは、御免!」
「ボールド卿!待たぬかボールド卿!!」
◇
「どうしてわかってくれないんだ遠山!何度も言っているように、俺達は魔王を倒して、皆で元の世界に帰る!そのためにはクラスの皆で力を合わせなければならないんだ!強敵に勝つためにも、皆でしっかりと連携を……!」
「その連携だかの指図を、なんで当たり前のツラしてお前がやってんだよ大澤!いつの間にかリーダー気取りやがって、俺達はお前の手下になった覚えなんかねえんだよ!」
「それは俺が神様から光のスキルを授かったから!レイナーニアやミライラ将軍も、俺がリーダーに相応しいって!」
「ハッ、ご立派なこったな!お偉いさんに何言われたか知らねーが、俺はてめえの下に付くなんて虫唾が走んだよ!こっちはこっちで好きにやらせてもらうぜ!」
「待ってくれ遠山!早紀も、遠山を止めてくれ!」
「あのさ大澤、アタシ何回も、アタシのこと名前で呼ぶなって言ってるよね?別に仲良いわけでもないアンタから名前で呼ばれんの、馴れ馴れしいしキモいんだけど」
「そ、そんな早紀……俺達はクラスの仲間で、今は協力し合わなくちゃいけなくて……」
「……チッ!だから!名前で呼ぶなっつってんだよウッゼーな!」
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