14. 掃討
よろしくお願いします。
汚物発言があります。
大爆発の衝撃と土煙が、ヒルデルの町の防壁を揺るがせる。
立ち昇る爆炎を目の当たりにして、胸壁に隠れていたミズキと兵士達が愕然としている。
「タマ……あのさ……あれって、いわゆるキノコ雲ってやつなんじゃ……」
「そうかもしれない」
「ちょっと、大丈夫なんでしょうね!?放射能とか含んでたりしないよね!?」
「大丈夫……だと思う?」
「疑問形!?自分が吐いてる代物でしょうが!?」
「お前だって自分のウ○コがどんな成分かなんてわざわざ知らないだろう!?」
「○ンコって言うな!!」
オレとミズキが言い合いをしていると、傍にいた兵士がかすれた声をかけてきた。
「や、やったのか……?」
「……っ!まだだ!」
声をかけられて気がついた。
防壁の下には、まだ蠢いているものの気配がする。
風圧が治まった頃合い、防壁に身を隠していた警備隊員達が身を乗り出して、まだ土煙でよく見えない防壁の下を覗き込んでいる。
そんな彼らに一声置いて、オレは防壁の下に飛び降りた。
下に降りて、まだ土煙がけぶる中に見えたのは、ふらつきながらも立ち上がろうとしているアルジララクネ2体の姿。
オレはすかさずその2体に突進。
まず1体の顔面を掴み上げ、至近距離から紫雷撃を撃ち込む。
爆発と共に吹き飛ばされたアルジララクネが地面に激突し、爆散はしないまでもそのまま動かなくなった。
続いて、オレ目がけて振り下ろされてきた前脚をかわし、その前脚を掴んでぶん投げる。
後ろにあった防壁に衝突したところを、顔面に思いきり張り手を叩き込む。
顔面を陥没させたアルジララクネは一瞬痙攣し、ガクリと地面に崩れ落ちた。
これで目につく奴は倒した、後は……っ!
一息吐いたオレの背中に、太い針でも刺されたかのような感覚が走る。
この感じ、脅威になるものが近くにいる!
土煙の向こう側、ゆっくりと立ち上がる巨大な影。
「……?……っ!」
目を凝らした先に現れたのは、これまで倒したアルジララクネと同じ、銀色の外殻。
クモの身体から、サソリの尻尾が生えたかのような姿。
しかしその体躯は、今まで会ったクモサソリよりも二回りほど大きく、その前脚には、今までの奴らには無かった巨大なハサミ。
あれは、アルジララクネの仲間……もしや、話にあった、女王か!
ギチギチと外殻を軋ませてオレを見据えるアルジララクネの女王。
その身体から立ち昇る気配は、明確に、怒り。
怒っているか。怒っているだろうな。
なにしろオレは、奴の子供を皆殺しにした張本人だ。
次の瞬間、オレの背筋に高圧電流でも流されたかのような感覚が走った。
咄嗟にその場を跳び退いたオレの一瞬前までいた場所を、女王アルジララクネの尻尾の針が貫いた。
「!!」
見ると女王アルジララクネは先程と同じ場所、オレから30mほど離れた場所に立ったままでいる。
尻尾が、伸びたのか!?
あの位置からオレの場所まで届くとは、これは厄介だ。
それならば!
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