13. 光線
よろしくお願いします。
オレは防壁の足場の上に備えられた、腰ぐらいの高さの壁(胸壁と呼ぶらしい)の上に跳び乗った。
「タマ!?」
「お、おい何を!?」
「迎撃する」
驚いてこちらを見るミズキや兵達に伝えて、オレは防壁の外に向き直る。
「悪いが、目の前にあるあの森は諦めてもらうぞ」
「森がなんだって!?」
「ミズキも、他の皆も、壁に隠れていろ」
戸惑っている兵士と、胸壁の上に仁王立ちするオレが向けた視線の先、広場の向こうにある森の中から、何十という数の銀色が飛び出すのが見えた。
なるほど、あれがアルジララクネの群れか。
確かに多いな。
「敵の本隊が来るぞ!!」
「なんて数だ!あんなの防げるわけが……!」
「泣き言言わずに戦え!あの大群に入られたら、この町は終わるぞ!!」
「し、しかし……!」
周囲の兵士達の顔が、絶望の色に染まっていく。
そんな彼らをよそに、オレは迫って来るアルジララクネの群れを見据えた。
オレの身体の中にある、紫雷撃の力を湧き起こす。
でも撃つのは、紫雷撃ではない。
紫雷撃の時はそのまま目から放つ力を、今回は身体全体に行き渡らせる。
溢れ出した力が、オレの身体の周囲にバチバチとスパークを走らせる。
自分ではわからないのだが、この時オレの目は鮮やかな紫色(正確には、紫雷撃の色)に輝くらしい。
口元に意識を集中。
息を吸い込むのとは少し違う。
口、といっても口内ではなく、大きく開けた口の数センチぐらい先の空間に、身体を駆け巡る紫雷撃の力を集めていく感覚。
そうしてオレは、針の先ほどにまで収束させた力を、狙い定めた目標に向けて一気に放った。
紫光線。
オレの使える、もう1つの熱線技。
オレの口元から放たれた紫色の細長い閃光は、真っ直ぐにアルジララクネの大群を直撃し、大爆発。
群れと森とをまとめて、粉微塵に吹き飛ばした。
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