風呂と加害恐怖
実家の母に「今日の夜は外食する」と伝えた。「母親の気をつけて帰ってきてね」の温かさが心の中で温かくふわりとする。
今日も無事に帰ってこれて一安心だ。
言葉の意味をわからないなら使うな。
思い出に浸りながら、今日も仕事をしている。
今日は、カエルのメモリアルでアニメを作っていた。久々に作るから、やり方も忘れて大変だった。しかしやり出すとだんだん慣れてきて、ものの数時間で描き上げた。その時の達成感は、風呂上がりにコーラを飲むような爽快感だった。糖質は頭の回転を早めるし、美味しいしたまらない。そんなことを考えながら、ボクは家の風呂場に行き湯船に浸かった。
ファスナー付きプラスチックバックにスマホを入れた。ボクは指を走らせ、動画と画像で女の子の胸部を眺めていた。心地よかった。ぽよぽよしているのが眼球の上下運動と重なる。この調子でのぼせないことを願うことだ。ふと、何かを思い出す感覚がした。
自分のTwitterを見返した。とても見苦しかった。なんというか、「自分は〇〇だ!」「あいつは〇〇だ!」とか喚いていたのが痛々しかった。同じことを繰り返し書いていたのが、いろいろヤバかった。今思えば狂気的で怖かった。でも、これで人は成長していくんだなと実感した。レベルアップできたかな? トケモンみたいにテレレレン! ってさ。
体も熱くなり、湯船から出ると、ボクの体は涼しさに包まれた。バスタオルで体を拭き、ドライヤーで髪を乾かし、スマホをファスナー付きプラスチックから取り出した。
風呂から上がり、ボクはメロンソーダを飲んだ。炭酸が強く、喉を突き刺さすように、ちょっと痛かった。しかし美味しさが勝り、ゴクゴクと飲め、10分で飲み干した。
早速テレビを付けた。そこには自分にとってはどうでもいいニュースが流れていた。これで共感する人たちの気持ちが理解できない。なんて文句を言いながら、ボクはソファで眠りについた。体が寒くなった頃に起き上がると、カップ麺を食べようと準備をした。
ヤカンがカチッと音を立てたと同時に、ボクの脳が『加害恐怖』という悪魔が支配した。目を瞑るとピクピクと動き、カップ麺を食べるのを諦め、スタスタと廊下を何度も、何度も、何度も、何度も歩いた。そうすれば少しは紛れるからだ。しかし脳から「あいつをやっちまえ!」「燃やせ!」などの声が聞こえて、頭を抱えて苦しかった。過呼吸と歩きの繰り返しを4時間行うと、ようやく加害恐怖という悪魔が魔界へと堕ちて帰っていった。ボクはふぅーっとスッキリした顔をして、静かにベッドに眠りついた。おやすみ。