掃除(保留。)
三題噺もどき―ごひゃくきゅうじゅう。
しんとしたリビングに降りてきた。
平日である今日はもちろん私以外誰も居ない。
両親は仕事、妹は学校。
多分、父以外は今月のギリギリまで仕事と学校だと思う。冬休みって1,2週間しかないよな確か……その間に宿題も出るんだから面倒だった気がする。
「……」
まぁ、そんなことはさておき。
今はちょっと空腹を満たそうとこうして降りてきたのだけど。
私が食べられるものあるのかなコレ……。
「……」
炬燵の上には籠の中に大量に入ったみかん。
ちょっと前に食べつくしていたはずなんだけど、また買ってきたようだ。母も妹もよく食べるからすぐになくなるだろうけど。今回のは酸味が結構あるのか妹が毎日夕食後に食べている。甘いのだったら私も食べるけど……。
「……」
みかんしか入っていないその籠は探ったところでみかんしか出てこないので。
キッチンの方に置いてあるカゴの方を探しに行く。
そっちにはお菓子が何かしら入っているはずなので。ついでに水分補給もしよう。
「……」
冷蔵庫をあけて麦茶をコップに注ぎながら、軽くその中身もみる。たまにここに母が向いておいてある果物があったりするんだけど、今日はなかった。今の時期は柿がよく入っている。けれど柿って秋のイメージだったんだが、まだ出てるんだな。
「……」
冷蔵庫を閉めて、キッチンに置かれたカゴの中を漁る。
ふむ……何もない。珍しく、何もない。甘いものは父が食べるから母が買い置きしているはずなんだけど、ないな。それか昨夜のうちに全部父が食べきったか……その可能性はある。
「……」
まぁ仕方ない。ないものはないから、ないものねだりをするものじゃない。
大人しく麦茶を飲み干して、自室に戻るとしよう。
やらないといけないこと、ではないが、今やっていることが中途半端なのは気持ち悪いのでそれを終わらせなくてはいけない。
「……」
部屋に戻ると、床にモノが散乱していた。
散乱させたのはほかでもない私なんだけど、もう少し丁寧に片づけをしながらとかできないものなのかね。片づけは苦手ではないはずなんだが。こう見るとやる気が失せる。
「……」
そんなことも言っていられないのでさっさと片づけを再開する。
気分を少しでも上げるために、携帯電話で音楽を流しながら、である。
そのうちうるさくてとめるのが目に見えているが、それまでは流しておく。
「……」
今日はクローゼットの上にちょっとした収納スペースがあるのだけど、そこに置きっぱなしになっていた段ボールの中身を整理しようと思って、こうして物を散乱させている。
中身は大抵手紙だったりいろんな紙類だったりキーホルダーだったりして、こういうのって捨てるのにためらいが生まれてしまう。
「……」
ので、それ以外のモノを先に整理していた。
とりあえず、ずっと昔に使っていた筆箱が出てきたりしたのだけど……これ中身。ペンとかが入っていても使えはしないだろうから捨てるが。
その筆箱の中には、先のつぶれたえんぴつが入っていた。何本も。半分ぐらいまでつかってある。全部。なんて使い方してるんだコイツ……。まぁでもこの長さなら母が使うだろうからいったん置いておこう。聞いてから捨てるなりなんなりすればいいだろう。……保留。
「……」
この箱には何を入れたんだったか。
というか、この段ボールの中身、箱が大量に入っているんだが。
どんな整理の仕方をしていたんだったかな……これはこれって決めながら入れていたはずなんだけど、全く記憶がない。大抵は手紙と葉書だと思うんだけど。
「……」
これはキーホルダーか……。少ない小遣いで回していたガチャポンの景品だ。気にしないで使っていたから若干色が剥げたりしている。売るわけにもいかないし捨て……るのもなぁ。かと言って、ここに入っていたということは使わないということなのでいらないのはいらない。今でもいらないと思う。
でも捨て方も分からないし、一旦保留かな。
「……」
この箱は……手紙か。いつのだ。名前……小学生の頃のやつだな。女子がよくする(もう今はしないのかな)お手紙交換とかで書いてたやつだ。
こいつ嫌いなんだが、よく友達でいたよな。捨てるか……?いやでもなぁ。多分中身は大したことはないやつだし…なんとなくどんなものであれ手紙をすてるは少しな……保留。
「……」
これは葉書。
もう葉書なんて何年も書いてないし、あて先はもう変わってるだろうからいらないかもしれないが……一応手紙と同じだし、捨てるのは申し訳ない。……保留。
「……」
この調子でやっていたら、段ボールの中身を確認するだけで終わりそうな気がしてきた。
お題:えんぴつ・みかん・携帯電話