#6 禁忌の代償と神代の真実-後編
ヤバいでしょ、これは…。
「我々はガイア暦17年の人間だ。何百年、何千年、何万年か後の開拓者の子孫たちよ。我々は失われた技術のうち、いくつかを復活させることができた。この部屋にたどり着き、もしくはこのメッセージを聞いているのならば、この技術を受け継ぐことができるであろう。このメッセージが終わると、何らかのコードが表示されるであろう。これは暗号だ。これを解き、その答えとなる場所へ向かえ。同じような設備が並んでいるだろう。そこに第二のメッセージを残しておく。さらなる魔法技術の発展と、一族のさらなる繁栄を願って。開拓者の子孫たちへのメッセージを終わる。」
メッセージが終わると、デスクトップ画面のようなものが現れる。そこには暗号とガイア暦による現在の年月日が表示されていた。
-26 Ser., 196373 Gaia-
「196000年…。そんなに長い時を一度も止まらずに…。こんな技術がいくつもあるなんて…!」
すると、れっさーの目の前に表示されていたデスクトップ画面が一瞬揺らぎ、新たな情報が浮かび上がった。表示されたのは、謎めいた暗号の一連の文字列とシンボルだった。
「Π=φ√M; E^3=Δ⊕3Ψ」
その下には、さらに一行の文字が現れる。
「最後の扉を開くための鍵は、失われた三つの光に宿る」
れっさーはその暗号をじっと見つめながら、どう解読すべきかを考えた。この新しい暗号は、単なる数字や記号の羅列ではなく、何かの公式やシンボルを示しているようだ。
「Π、φ、M…E、Δ、Ψ…何かの方程式かなぁ…?」
彼女は古代の知識と「禁忌の遺産」の力を使い、暗号を少しずつ解き明かそうとする。すると、その一部が頭の中で自然に変換され始めた。
最初に目に留まったのは「Π=φ√M」という部分だった。れっさーは直感的に、この式が何かの位置を示していると感じた。「Π」は円周率の記号であり、「φ」は神代の言語で「黄金比」を表している。そして、「M」は「メインホール」を意味するシンボルであることに気づいた。
「なるほど…この遺跡のメインホールに関連する何かね。『黄金比』を使って位置を示している…?」
次に「E^3=Δ⊕3Ψ」という部分に目を向けた。れっさーは「E」が「エネルギー」を、「Δ」が「変化」を、「Ψ」が「精神的な力」を表すシンボルであることを思い出す。
「エネルギーの三乗…それが変化と精神的な力に関連している…?」
れっさーはこの式が「エネルギーの集中点」と「精神的な力の増幅」を示しているのではないかと考えた。
そして、最後の一行にある「失われた三つの光に宿る鍵」という言葉に目を向ける。れっさーは、遺跡内で見かけた三つの異なる光の柱のことを思い出した。それらの柱は、異なる色で輝いており、何か特別な意味を持っているようだった。
「三つの光…それが、鍵になるのかも」
れっさーは新たなヒントを元に、遺跡内をもう一度見渡し、三つの光の柱を探し始めた。彼女の記憶によれば、それらの光の柱はそれぞれ異なる位置にあり、それぞれが異なる色を放っていた。彼女は直感的に、それぞれの光が異なる要素と結びついていることを感じた。
「一つは赤、一つは青、もう一つは緑…それぞれの光が何を意味しているのか…」
れっさーは光の柱に近づき、手をかざしてみた。すると、「禁忌の遺産」の力が再び反応し、彼女の手のひらから光が放たれ、柱の色が変化し始めた。
れっさーは、光の柱の色を操作し、それぞれの光を一定のパターンで結びつけることが、次の部屋への扉を開く鍵であることに気づいた。
赤い光は、「エネルギーの集中点(E^3)」を象徴し、彼女の体内のエネルギーが共鳴する場所に繋がっている。
青い光は、「変化(Δ)」を表し、彼女が進むべき方向の変化点を示している。
緑の光は、「精神的な力(Ψ)」を象徴し、彼女の心の中の決意と共鳴する場所に繋がっている。
れっさーはこの3つの光の柱を、一定の順番で操作し、暗号の示すパターンに合わせた。すると、遺跡全体が微かに振動し始め、隠し扉が静かに開いた。
「やった…!」
扉の向こうには、さらなる秘密が隠された部屋が広がっていた。
そこは、さっき映像を見た部屋と趣は似ていたが、この部屋の中央に、ホログラムディスプレイのほかに、コールドスリープポッドのようなものが置かれていた。ガラスは半透明で、中が見えない。
「何百年、何千年、何万年か後の開拓者の子孫よ。よくここまで来れたな。約束は果たされた。復活した技術を今こそ伝授しようではないか。」
突然ホログラムが映像に変わっていた。そして、伝授されるスキル等の一覧も。
「えぇっ!?さすがにゲームバランスが崩壊しちゃうよ…。」
驚いたのにも無理はない。なぜなら。
伝授スキル等一覧
1. スキル
データ共鳴(Data Resonance)
古代の遺跡にある装置やテクノロジーと共鳴し、隠された情報や設計図、地図などのデータを読み取るスキル。れっさーはこのスキルを使って、壊れた装置を修復したり、機械の操作方法を解明することができる。また、過去の記憶やイベントを映像として再現することも可能。
アストラル解析(Astral Analysis)
れっさーの「禁忌の遺産」に宿る力で、特定の物体や生物のエネルギーを視覚化し、隠された魔力の流れや、物質の本質を解析するスキル。これにより、敵の弱点を見抜いたり、遺跡内の隠し通路を見つけることができる。
エーテル操作(Ether Manipulation)
空間に存在する見えないエネルギー(エーテル)を集め、それを武器や防御の形で具現化するスキル。例えば、エーテルを集めて強力なエネルギー弾を作り出したり、シールドを張って敵の攻撃を防ぐことが可能。
2. 道具
時空偏向装置(Chrono Deflector)
小型のブレスレット型デバイスで、使用者の周囲の時間の流れを一時的に遅らせる装置。これにより、敵の攻撃を回避したり、罠を避けるための時間を稼ぐことができる。持続時間は短いが、瞬間的な判断が求められる場面で非常に有効。
ナノフィールドジェネレーター(Nano Field Generator)
肩に装着する小型のデバイスで、使用者の体を保護するナノ粒子のフィールドを生成する。ナノ粒子は瞬時に傷を修復し、毒や病原体を中和するだけでなく、物理的な攻撃にも耐性を持たせることができる。長時間の使用はエネルギー消費が激しいため、適切なタイミングでの使用が求められる。
エナジーグリップ(Energy Grip)
使用者の手に取り付けることで、物質の強度を増幅する特殊なグローブ。高い魔力を持つ素材でできており、触れた物体の強度や機械のパワーを一時的に向上させることができる。壊れた遺跡の扉をこじ開けたり、重い物を軽々と持ち上げることが可能になる。
3. 魔法
ヴァーチャルサモニング(Virtual Summoning)
古代の装置を使って、デジタル世界から仮想的な召喚獣を具現化する魔法。この召喚獣は物理的な攻撃も可能で、使用者の指示に従って戦ったり、探索をサポートする。召喚獣は一度ダメージを受けるとデータに戻ってしまうが、再び魔力を使って呼び出すことができる。
リアリティシフト(Reality Shift)
現実の空間を一時的に操作し、自分の位置や状況を有利にする魔法。たとえば、空間を曲げて瞬間移動したり、敵の攻撃の軌道を歪めることで攻撃を回避したりする。熟練者が使えば、迷路のような遺跡内で最短経路を瞬時に移動することもできる。
クォンタムスフィア(Quantum Sphere)
周囲の物質の分子レベルでの構造を操作し、エネルギー球を作り出す魔法。エネルギー球は、衝撃を与えたり、凍らせたり、炎上させたりと様々な属性を持つことができる。使用者の意志で大きさや形を変えることが可能で、多用途に活用できる。
4. 融合技術
マジックインターフェース(Magic Interface)
神代の技術と魔法を組み合わせた特殊なグリッド状のタブレット。これを使うことで、古代の装置を魔法で起動させたり、遺跡の情報を読み取ることができる。魔法使いの力を通じてデータを解析し、遺跡の機能を制御する。
アーキテクトブレイン(Architect Brain)
古代の技術で作られた人工知能が宿る魔法の結晶。この結晶は使用者の意識とリンクし、瞬時に戦術を計算したり、複雑なパズルを解く手助けをする。また、古代の知識をダウンロードして、即座に新しいスキルや知識を習得することも可能。
チート級スキル
オムニサイエンス(Omniscience)
このスキルを使用すると、れっさーは周囲のすべての情報を瞬時に理解することができる。敵の位置、罠の場所、隠しアイテム、そして全ての選択肢の結果までもが見えるようになる。戦闘中には敵の次の攻撃を予測し、回避することが可能。ダンジョン探索では最短経路を見つけ、全ての秘密を解き明かすために使われる。
リアリティオーバーライド(Reality Override)
れっさーが周囲の物理法則そのものを一時的に書き換えるスキル。これにより、重力を無視して空中を歩く、火を水に変える、時間を停止させるなど、現実を自分の思い通りに操ることができる。持続時間は短いが、発動中はあらゆる状況を無効化できるため、あらゆる危機から脱出可能。
チート級道具
インフィニティガントレット(Infinity Gauntlet)
この手袋型のデバイスは、全ての属性エネルギーを無限に供給し続ける装置。使用者は、火、水、雷、風、土、光、闇のエネルギーを無制限に操ることができる。全ての魔法が強化され、どんな強敵でも瞬時に倒せる。エネルギー供給が途切れることはないため、実質的に無敵状態となる。
エターナルバックパック(Eternal Backpack)
無限の容量を持つバックパックで、あらゆる物を無限に収納することができる。重量も一切変わらないため、どれだけ物を詰めてもれっさーに負担はかからない。しかも、アイテムの使用がすべて即時で可能になり、戦闘中でも制限なくポーションや装備を取り出して使用できる。
アポカリプスディスク(Apocalypse Disk)
古代の技術と魔法を組み合わせた円盤状の装置。使用すると、一瞬で広範囲にわたる大規模破壊を引き起こすことができる。全ての敵を消滅させ、地形さえも変えるほどの力を持つ。冷却時間が非常に短いため、短期間で連続して使用できる。
チート級魔法
コズミックリセット(Cosmic Reset)
時空そのものを巻き戻し、選択や行動をやり直すことができる魔法。例えば、れっさーがミスをした場合や望まない結果になった場合、この魔法を使うことで、数分前、数時間前、さらには数日前にまで戻ることが可能。この魔法の効果に制限はないため、どんな失敗も無かったことにできる。
無限分身の術(Infinite Clone Technique)
れっさー自身の無限の分身を作り出す魔法。分身たちは全てオリジナルと同じ能力を持ち、個別に行動することができる。これにより、一人で多数の敵を圧倒したり、広大な遺跡を一瞬で探索し尽くすことが可能。分身はれっさーの意志を反映し、戦闘から探索、交渉に至るまで万能に機能する。
アルティメットディスラプション(Ultimate Disruption)
一度の発動で、すべての魔法を無効化し、すべての技術装置を破壊する魔法。魔法結界や敵の特殊能力、遺跡の罠や防御機構など、すべてが完全に無効化される。敵の魔法使いやテクノロジーが頼りにするあらゆる手段を無力化できるため、圧倒的な優位を得ることができる。
チート級融合技術
ユニバースリンク(Universe Link)
神代の技術と魔法の究極の融合装置。この装置は、異なる次元や宇宙とリンクし、無限の知識や力を得ることができる。れっさーはこの装置を通じて、すべての可能性を見つけ出し、未来を予測したり、過去に干渉することができる。この力を使うと、全ての敵をあらゆる時空で監視し、事前に打ち破る戦略を立てることが可能。
オールマスターデバイス(All-Master Device)
神代のテクノロジーを完全に制御する究極のデバイス。これを使うと、あらゆる装置や建造物を意のままに操り、瞬時に全ての障害を取り除くことができる。遺跡の防衛システムを全てハッキングし、全ての鍵を開け、全ての敵を自動で無力化することが可能。
エグゾストームジェネレーター(Exo-Storm Generator)
極限のエネルギーを集約し、一瞬で巨大な嵐を発生させる装置。使用者の意志に応じて、嵐の範囲や性質を変えることができ、敵の軍勢や巨大な建造物を一掃する力を持つ。この装置はまた、気象や重力、磁場を自在に操作し、地形そのものを変えてしまうことができる。
そして。極めつけがこれ。
アストラルコア(Astral Core)
概要
アストラルコアは、れっさーが「禁忌の遺産」として持つ超高次元の意識拡張スキル。このスキルを発動すると、彼女の精神は異次元の情報処理装置と直接リンクし、無限の知識と計算能力を得ることができる。すべての状況をリアルタイムで解析し、未来の予測、過去の出来事の再構築、複雑なシミュレーションを行い、最適な行動を選択する力を持つ。
スキル効果と能力
オムニリサーチ(Omni-Research)
れっさーは、周囲のあらゆる情報を瞬時に収集し、解析することができる。これにより、敵の行動や思考、環境の変化、隠し通路や罠などを一瞬で見抜き、即座に最適な対応策を講じることが可能。複数の情報を同時に処理し、全ての選択肢の結果を予測する能力を持つ。
シンギュラリティリフォーカス(Singularity Refocus)
空間や時間の特異点を利用し、周囲の物理法則を一時的に書き換える。例えば、重力の向きを変えて敵の攻撃を無効化したり、時間を止めて敵の行動を一瞬で封じることができる。この効果は制限時間内であれば複数回使用可能で、れっさーはあらゆる状況を支配することができる。
アストラルサモニング(Astral Summoning)
れっさーの精神がアクセスできる異次元から、無限の知識や存在を召喚する能力。これにより、デジタル空間から無数の分身を生成し、同時に複数の行動を行わせたり、究極の力を持つ守護者や兵器を召喚することができる。召喚された存在は、一定時間現実に留まり、れっさーの指示に従う。
インフィニティプログラム(Infinity Program)
アストラルコアに蓄積された全ての知識と経験を使って、現実をプログラムし直す能力。これにより、特定の状況や環境を一瞬で変えることができる。例えば、戦闘中に周囲のフィールドを水中や火山に変えたり、敵の攻撃を完全に無効化する結界を作り出すことが可能。持続時間や効果範囲は無制限であるが、使用頻度には制約がある。
フラクタルスキャン(Fractal Scan)
れっさーの意識を多次元に拡張し、隠された敵や罠、遺跡の謎を全て探知するスキル。周囲の全ての事象を瞬時にスキャンし、見えないものや聞こえない声を知覚することができる。これにより、隠し通路や隠された宝物、さらには未来の出来事さえも探知することが可能。
アストラルリカバリー(Astral Recovery)
れっさーが受けた全てのダメージや状態異常を、瞬時に自己修復する能力。れっさーの体内にあるアストラルエネルギーが活性化し、彼女の身体を瞬時に再構築する。重傷や致命傷さえも一瞬で回復し、戦闘不能状態から何度でも復活できる。ただし、連続使用すると精神力に多大な負担がかかる。
お知らせ
作品のストックがすべてクリアされていました。
続きを楽しみになさっていた方、大変申し訳ございません。
この作品は、未完結のまま終了となります。
また、次作を制作中です。
「待っているよ!」と言っていただける方、めちゃめちゃありがたいです。
ご愛読誠にありがとうございました。