#3 町を探索♪
鍛冶屋ごときが金貨を持ってんのか…。()とおもったので、金貨を銀貨に修正しました。
れっさーは、森を抜けてグレイムの街にたどり着いた。街の入り口には、重厚な石造りの門があり、その上には街の紋章が刻まれている。門を通り抜けると、石畳の広場が広がっており、そこからいくつもの道が伸びていた。市場の賑わい、冒険者たちの声、街全体に活気があふれていた。
「これが…グレイムの街かぁ…」
れっさーはその光景に目を輝かせながら、ゆっくりと街の中を歩き始めた。まず彼女の目に留まったのは、広場の中央にある大きな噴水だ。水が音を立てて流れ落ちており、そこには何人かの子どもたちが遊んでいる。噴水の周りには、商人たちが露店を広げ、果物や雑貨、武具などを売っていた。
「まずは…どこを見て回ろうかな?」
れっさーは地図を開いて、街の主な施設を確認した。冒険者ギルド、鍛冶屋、魔法商店、宿屋…どこも重要な場所に違いない。彼女は一息ついて、まずは冒険者ギルドに向かうことにした。
冒険者ギルド
れっさーが冒険者ギルドの建物に近づくと、入口の前に掲げられた大きな木製の看板が目に入った。そこには、ギルドのシンボルである剣と盾の紋章が描かれていた。ギルドの扉を開けると、内部は賑やかな声と喧騒に包まれていた。大広間には、多くの冒険者たちが集まっており、彼らはクエストの相談や情報交換をしていた。
「おー、ここが冒険者ギルドかぁ。なんか、みんな強そう…」
れっさーは少し緊張しながらも、受付カウンターに向かって歩いた。受付には、親しみやすそうな女性のギルド職員が立っており、彼女に笑顔で声をかけてきた。
「いらっしゃいませ!新しい冒険者さんかしら?何かお手伝いできることはありますか?」
「えっと、はい。私は『れっさー』です。冒険者登録をしたいんですけど…」
「なるほど、『れっさー』さんね。まずは登録をしましょう。簡単な手続きなので、すぐ終わりますよ」
れっさーは、ギルド職員の指示に従って、冒険者登録の手続きを進めた。名前、出身地、職業などの基本情報を入力し、最終的に登録が完了すると、職員は彼女に小さな金属製のプレートを手渡した。
「これが、あなたの冒険者証です。これを持っていれば、ギルドのサービスを利用できますし、クエストの受注もできますよ」
「ありがとうございます!これで私も冒険者ですね!」
「そうです。そして、こちらが街の地図と、初心者向けのクエストリストです。初めてのクエストは簡単なものが多いので、まずは街の周辺で慣れてみてくださいね」
れっさーは、地図とクエストリストを受け取り、ギルドを後にした。冒険者としての第一歩を踏み出したことに、彼女は少しの緊張とともに、大きな期待を感じていた。
ギルドを出たれっさーは、次に鍛冶屋へ向かうことにした。彼女は、これからの冒険に備えて、手に馴染む短剣を手に入れたいと考えていた。ギルド近くにある鍛冶屋の煙突から立ち上る煙を目印に、彼女はそこへ足を運んだ。
鍛冶屋の扉を開けると、中には筋骨隆々の男が巨大なハンマーを振り下ろしていた。彼の周りには、様々な武器や防具が整然と並べられており、金属の音が響いていた。
「おぉ、立派な鍛冶屋さんだなぁ…」
れっさーは鍛冶屋の中を見回しながら、特に目を引いた一対の短剣に目を止めた。それは、鋭い刃と美しい装飾が施された短剣で、持ち手の部分には月の形が彫り込まれていた。
「これ、もしかして…すごく強い短剣なんじゃないかな?」
彼女がその短剣に見入っていると、鍛冶屋の主人が近づいてきて声をかけた。
「お嬢さん、その短剣に興味があるのかい?それは『月影の短剣』って言って、夜間に真価を発揮する一品だよ」
「えっ、夜になるともっと強くなるんですか?」
「ああ、そうだ。月の光を浴びると魔力が増す魔法陣が仕組んであってね。特に夜の戦闘で威力を発揮するんだ。…でも、お高いぜ?」
れっさーは財布を確認し、少し考え込んだが、さっきの戦闘で得た幸運のドロップ品を思い出した。
「…この『神秘のペンダント』、もし価値があるなら、それでこの短剣と交換してもらえませんか?」
鍛冶屋の主人はペンダントを手に取り、じっくりと観察した。すると、彼は目を細めて、満足そうに頷いた。
「お嬢さん、いい目をしている。このペンダントには相当な価値がある。この短剣と交換しても、お釣りが出るくらいだ」
れっさーは、期待以上の評価を受けて驚きつつも、満足して短剣とお釣りの銀貨や銅貨を受け取った。
「ありがとうございます!これで夜の戦闘も安心ですね!」
鍛冶屋の主人は笑顔で頷き、布製の袋を手渡した。
「ここに短剣を入れておきな。冒険中は両手を使うことも多いだろうしな。あんなペンダントもらっちゃ、サービスしとかないとな!ハハハ…」
れっさーはその袋に短剣を丁寧に収めると、肩にかけるようにして持った。袋はしっかりとした作りで、動きやすさを損なわないデザインになっている。
「ありがとうございます!これで準備万端です!」
「おう、気をつけてな。夜の森では、この短剣が頼りになるからな」
れっさーは「月影の短剣」を袋に入れ、鍛冶屋を後にした。新しい武器を手に入れた彼女は、これからの冒険がさらに楽しみになり、胸を躍らせながら次の目的地へと向かった。
つぎにれっさーが向かったのは、広場を囲むように広がる市場だった。市場には様々な露店が立ち並び、果物や野菜、肉類、さらには手作りのアクセサリーや小物まで、あらゆる商品が並んでいる。商人たちの活気ある呼び込みの声が飛び交い、多くの人々が行き交っていた。
「新鮮なリンゴはいかがですか!」 「この布はエルシオンから取り寄せた最高級品だよ!」
れっさーは市場の賑わいに引き寄せられるように歩を進め、果物を売る露店で立ち止まった。目の前に並んだ鮮やかな赤いリンゴに興味を引かれ、店主に声をかけた。
「このリンゴ、一つください」
「お嬢ちゃん、良い目をしているね!このリンゴは今朝採れたばかりで、とびきりの甘さだよ!1つ5クレントだよ。」
店主からリンゴを受け取ったれっさーは、さっそく一口かじってみた。甘くてジューシーな味が口いっぱいに広がり、彼女は思わず笑顔になった。
「本当に美味しい!ありがとう」
「どういたしまして!またいつでも寄ってくれよな」
れっさーはリンゴを持ったまま市場を歩き続けた。市場の端には、雑貨や冒険に役立つアイテムを売る露店もあった。彼女は手作りのポーションや小さな回復アイテムを見つけ、いくつか購入することにした。
「これで準備は万全ね!」
市場を後にしたれっさーは、次に魔法商店へ向かうことにした。魔法商店は市場から少し離れたところにあり、重厚な木製のドアに古めかしい魔法の紋章が刻まれている。店の前には、色とりどりのポーションや魔法書が並べられており、店内には不思議な香りが漂っていた。
「ここも凄そう…」
れっさーがドアを開けて中に入ると、店内には棚がぎっしりと並び、そこには様々な魔法のアイテムが所狭しと置かれていた。店主は年配の魔法使いで、長い白髪と杖を持った姿が印象的だ。彼はれっさーが入店するのを見て、穏やかな笑みを浮かべた。
「いらっしゃい、若き冒険者よ。今日は何をお求めかな?」
「こんにちは。実は、これから冒険に出るために、何か役立つ魔法アイテムを探しているんです」
店主は考え込むようにひとしきり黙り込んだ後、棚から小さな青いクリスタルを取り出した。
「このクリスタルはいかがだろう?『エレメンタルの加護』を宿している石で、冒険中に火や水の属性魔法の威力を少しだけ強化してくれる。また、危機的な状況では身を守るバリアを一瞬だけ張ることもできるかもしれない。3フェリンだが、買うかね?」
れっさーはその説明を聞いて、興味を惹かれた。彼女はクリスタルを手に取り、そのひんやりとした感触を確かめた後、購入を決めた。
「じゃあ、それをください!」
「賢明な選択だ。気をつけて使うんだよ」
店主に代金を支払い、れっさーは「エレメンタルの加護」を受けたクリスタルを袋にしまった。魔法商店を後にした彼女は、街の探索を続ける中で、次第に冒険への準備が整っていくのを感じていた。
一通りの買い物を終えたれっさーは、日が沈みかけた頃に宿屋に向かうことにした。街の片隅にある小さな宿屋は、温かな光が漏れ出していて、なんとなく安心感を与える雰囲気だ。
宿屋に入ると、木の床が軋む音と、暖炉の火がパチパチと燃える音が心地よく響いていた。カウンターには、優しそうな女性の宿屋の主人がいて、れっさーに微笑みかけた。
「こんばんは。お部屋をお探しですか?一晩20クレント、夕食と明日の朝食付きですよ。」
「はい、今夜泊まれる部屋をお願いします」
「もちろんです。ここは静かで過ごしやすい場所ですから、ゆっくり休んでくださいね」
れっさーは部屋の鍵を受け取り、2階にある自分の部屋に向かった。小さな部屋だが、清潔でベッドもふかふかしている。窓からはグレイムの街並みが一望でき、星空が綺麗に見えた。
「今日は充実した一日だったなぁ…」
れっさーはベッドに腰を下ろし、袋から「月影の短剣」と「エレメンタルの加護」のクリスタルを取り出して眺めた。新しい武器とアイテムを手にしたことで、明日からの冒険がさらに楽しみになってきた。
「明日はどこに行こうかな…」
れっさーはそう考えながら、冒険の計画を立てつつ、ゆっくりと眠りについた。グレイムの街で過ごした一日は、彼女にとって新たな世界への扉を開く大切な一歩となった。明日の冒険がどんなものになるのか、彼女は夢の中で期待に胸を膨らませたのであった…。
通貨の種類と名前
青銅貨: クレント
1クレント
最も基本的な通貨で、日常的な小額取引に使用される。
銅貨: フェリン
1フェリン = 50クレント
日常生活での買い物や、一般的な取引に使用される。
銀貨: アルマ
1アルマ = 20フェリン = 1000クレント
高価な取引や特別な購入に使用される。
白銅貨: ルクシル
1ルクシル = 10アルマ = 200フェリン = 10000クレント
希少な資産や、高額な取引に用いられる。ギルドが持ってるのはこの辺まで。
金貨: オーリス
1オーリス = 10ルクシル = 100アルマ = 2000フェリン = 100000クレント
最高価値の通貨で、貴族や王国間の大規模取引などに使用される。
まとめ
1クレント(青銅貨)
1フェリン = 50クレント(銅貨)
1アルマ = 20フェリン = 1000クレント(銀貨)
1ルクシル = 10アルマ = 200フェリン = 10000クレント(白銅貨)
1オーリス = 10ルクシル = 100アルマ = 2000フェリン = 100000クレント(金貨)