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男の俺は前世が女の宇宙人だった!?

俺は如月(きさらぎ)陽斗(はると)。髪は黒で短髪、瞳の色は黒。身長は170センチ。極極普通の少し顔がいい高校生で、今はコンビニのアルバイトをしている。

「ねぇねぇ、陽斗君!聞いたー?」

 ふわっとした茶髪をポニテールにした可愛い先輩、西園寺(さいおんじ)愛菜(あいな)が休憩所にいた俺に話しかけてくれる。


(やっぱり、愛菜先輩は可愛いな〜。学年は1つ上だけど、こうやって話しかけてくれるしもしかして脈ありなのかな!?そーだったら良いなぁ〜)


「あぁ、聞きましたよ。占い師の話ですよね」

 自慢の黒い髪を靡かせ、振り向く。

「そうそう!テレビでよく当たるって有名な占い師のカリンさんが無料で占ってくれるんだって!私、行ってこようかな〜って思ってて、陽斗君も行く?」


(これは実質デートでは!?デートに誘われているのでは!?)


「行きます!!一緒に行きましょう!!!」

「良かった〜!明日は土曜で学校も休みだし!明日行こうよ!」

「良いですね!待ち合わせは何処でします?」

「じゃあ、このコンビニの前に9時集合ね!占いの予約は私が取っておくから〜!!また明日ね〜!」

 走って休憩所を出ていった。


(走ってる姿も可愛いなぁ〜。そんな可愛い先輩と明日デート!クフフ、喜びでどうにかなりそうだ!!)


 沸々と湧き上がってくる喜びを抑える。


(あぁ、でもこれは隠さなきゃな…。左側の鎖骨の少し下にあるこのホクロを…)


 直径3センチの歪では無い綺麗な形のハートを見つめる。これを男友達に体育の着替えの時に見られて大爆笑された、苦い思い出が詰まった幼い頃からあるホクロだ。幼い頃も同じ形と同じ色でプクッとはしていないが色が濃いめだから凄く目立つ。今も薄くもなって無いし何も変わっていない。


(星とかだったらまだマシなんだがハートって…。兎に角、隠すための洋服タンスから引っ張り出そう。明日は暑いらしいからハンディーファンでも持っていこうかな)


_翌日

(天気は快晴!髪も昨日美容院に行ってカッコ良くしてきた!寝癖が無いように念入りに櫛も入れたし!これで、大丈夫!!な筈だ…)


 集合は9時なのに、8時45分に着きコンビニの前でウロウロする不審者と化していた。

「お待たせ!ごめんね〜!遅くなちゃって!」

「いえいえ、全然待ってないんで大丈夫ですよ!」

 9時ピッタリに来た愛菜先輩はいつものコンビニの制服ではなく白のワンピースに赤や黄色の花柄のワンピースを着ていた。髪はいつものポニテールだったが、大きめの赤いリボンの髪留めで結んでいた。


(めっっっちや可愛い!!!)


「あ、予約取れたから行こうと思うんだけどここから、歩いて20分位なんだ〜!」

「取れたんですか!良かった〜!」

「フフン、夜な夜な予約したのよ!じゃあ、しゅっぱ~つ!」


(可愛いのオンパレードだな!いや、宝庫か…?兎に角、可愛すぎる!!)


_20分後

「とうちゃーく!!」

「ここが…」

 濃い紫色のテントの前に行列が出来ていた。

「早めに来たのにこんな行列が出来てるなんて!でも、私達は予約しているからここから入れるのよ〜!入りましょ、陽斗君!」

「はい!」 

 テントの後ろから入った。

「ようこそ、カリンの占い館へ。そこの椅子に座って下さいな。貴方の前世と運命の相手を占って差し上げましょう」

 黒いベールを被ったしゃがれた声のカリンさんが、黒い手袋をした手で椅子を指差す。

「先良いよ、陽斗君。私、やっとカリン様に会えてドキドキしちゃって」

「あっ、分かりました」


(カリンさんのファンなのかな?女子はこういうの好きだもんね)


「では、貴方の前世を占います。貴方の前世は全身が薄いピンク、高身長の宇宙人。運命の相手は…」


(全身が薄いピンクってなんだ?それでも相手は愛菜先輩であって欲しい…)


「相手は……この私!カリンです!!!」

「えっっ……。えぇーーーーー!?」

 俺が落胆と驚きの声を上げる。 

「おめでとう御座います!!カリン様!!」

 愛菜先輩は拍手をし、喜びを全身で表していた。

「やっと…やっと見つけましたぞ!!私の死んだ婚約者の生まれ変わりを!!!左の鎖骨の少し下にあるホクロといい、その雰囲気といいまさに、我が愛しのレラーリそっくり!!」

 カリンさんのしゃがれた声が若い男性の声に変わり、ベールを脱いだ。全身緑、頭はハゲで、ツルツルしており瞳の色はオレンジだった。身長は100センチ位。

「きもっっっ!!!!!」

「良い、良い良い!!これぞ私の婚約者!!私に会うたびに硬い近くにあるものを私の顔面に投げつけ『キモすぎ!!!』と罵倒された思い出が鮮やかに蘇りました!!さぁ、また私と愛を育みましょう!!」

「キモすぎる!!ジリジリ近づいてくんな!!」

「あぁ、それと有難うねぇ、愛菜!協力してくれて!これで、君も私達と一緒に惑星に行けるよ!!」

「はい!!身に余る光栄です♡」

 恋する乙女の眼差しでキモい宇宙人を見る。

「愛菜先輩!!こんな、キモい宇宙人に騙されないで下さい!!」

「キモくなんかないわ!!!」

 パーンといいビンタの音がする。俺の頬から。

「痛いっっっっ!!何でビンタしたんっすか!?」

「カリン様を侮辱しないで!!この人は優しくて素敵な方なのよ!!陽斗君は私の外面だけ見てデレデレしてたけど、この方は違うわ!!私の内面を見て『とても素敵で優しい女性だ』って言ってくれたのよ!!」


(じ、地雷踏んじゃった…のか?)


「あぁ、大丈夫だよ。そんな顔しなくても私は君に一途だから」

 俺の顔を見てそんな事をほざき、近づいてきた


(今の俺の顔は『愛菜先輩って言う好きな人に振られた顔』だ!!絶対に、妬いた訳じゃない!!)


 そんな事を心のなかで愚痴っていたら。ブチュウウウという嫌な音が俺の右手の甲でなった。

「ギャアアアアアア!!!」

 汚い悲鳴を上げ、宇宙人にキスされた右手の甲をブンブンと勢い良く振る。

「これで、婚約完了です!!さぁ、我等が故郷に帰りましょう!!」

「はい♡」

 宇宙人が高らかに宣言した後うっとりした目で返事をする愛菜先輩。

「結婚式は明日の月で挙げましょう!新婚旅行は温泉のあるお高いホテルにして、もちろん部屋は一緒です!夫婦になるのですから!あぁ、その前にウエディングドレスを選ばなくては!」

「良いとは一言も言っていないぞ!!おい!!聞いているのか!?おーい!俺に拒否権をくれーーーーー!」

短編小説は初めて書きましたので緊張しました…

『面白いな』『良いな』と思ったら☆、いいねと温かい感想をよろしくお願いします!

お時間あれば私が書いている連載小説を読んでみて下さい!

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