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彼女は鈴蘭を食べた  作者: 月詠桔梗
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6.(彼氏)

6(彼氏)


もともと苦しかったみたいなんだ。

家庭に問題があって。

どの家も何かしらの問題は抱えてるんだと思うけど、彼女の家の問題は彼女にとっては結構重かったんだと思う。

え、親御さん?

彼女の親御さんとは葬式で会っただけだよ。

だってまだ結婚するかだってわからなかったから、親御さんへの挨拶なんてする機会なかったし。

葬式で?特に話はできなかったよ。

え、親御さんに話聞きに行くの?!お前が?!なんで。…彼女のこと小説にする気なの?

…はぁ。お前は言い出したら実行しちゃうもんな。…褒めてないよ。絶対やめた方がいいよ、死んだ人について他人が取材するなんて。

まって本当にする気?

いや、お前と仲悪くなりたいわけじゃないんだけどさ、これだけは言わせてよ。

…さっきからお前、人の気持ち考えたことある?



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