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彼女は鈴蘭を食べた  作者: 月詠桔梗
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15.(姉)

15(姉)

妹のこと?なんで知りたがってんの。

一目惚れでもした?

あはは、死んだの知ってるんだ。

弟は話さないと思うよ。あおのこと好きだったからね。

私は嫌い。みんなあの子のことばっかりだったし。

おかげで私は今もひとり。

親からも見放されちゃってるよ。

いいよ、話したげる。何聞きたいの。


小さい頃はねぇ、おとなしい子だったよ。

でも幼稚園の年長さんあたりからかな?

なんか明るい優等生キャラはじめてさぁ。

小学校も中学校も高校も私より良い点ばっかりとって、

絵も私より良い賞もらって、

先生も親もみんなあの子のこと見てた。

え?まぁ外では泣かないと思うよ。

家ではよく泣いてたけど。

部屋一緒だったからさ、

二段ベッドの下で毎日泣いてたよ。

親の期待値も高まってたし、

85点以上取れないと幻滅されるとか言って

焦って苛々しちゃって、泣きながら勉強してたよ。

副会長になったのも怖かったからだよ。

候補者のスピーチは何度も聞かされたな。

私が書き直してあげたんだけど。

絵もそう。

私がアドバイスして、良くしてあげた。

勉強も。本当は一人じゃ何もできない子なの。

みんなが勘違いしてるだけ。

あんたも勘違いしちゃってんじゃない。

大学は一人暮らしだったから

私とも離れたし、

けっこう辛かったと思うよ。

就職も、その先も怖かったんだよ。

怖いからって花食べて死ぬことないのにね。

あの子はリスカも首吊りも飛び降りも

全部怖くてできなかったんだよ。



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