表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/12

母の報せ?

 このことは、最近、起こったことである。


 母が亡くなって数か月、色々な手続きも終えて落ち着いてきた頃のこと。


 ある日、眠っているときにスマホのコール音で私は目を覚ました。

 時計を見ると、午前三時過ぎ。こんな時間に一体誰が電話をして来たのかと思いつつ、電話に出る気にならなかった私は無視をしていればその内、切れるだろうと放置をしていた。

 しかし、いつまで経っても切れないため、仕方なく起き上がって電気をつけてスマホをチェックした。

 もちろん、通話に出るつもりはなく、電源を切ってしまおうと思ったのだがそもそもスマホは鳴っていなかった。


 はて、おかしいな? と思いつつ目覚ましに使っている携帯の時間のセットを間違えただろうかと、そちらをチェックするも鳴っていない。

 ますますおかしい、どこからこの音はしているのだろうかと、部屋中を音を頼りに探している内にコール音が切れてしまった。

 結局、何が鳴っていたのか分からないまま首を傾げていると、ふと()()()が目に入った。

 それは母が亡くなった時に、形見の一部としてとっておいた、母の携帯電話である。

 もちろん、母の死後、充電を一度もしていないので電池が切れており、念の為と電源を入れようとしたが当然のことながら電源は入らなかった。

 しかし、母の携帯電話を手に持っていると、聞こえていたあの音はこの携帯電話のコール音だったような気がしてならなくなった。


 不思議なことがあるものだ、そう思いながらふとカレンダーを見ると、あることに気付いてもしかしたら……と思った。

 丁度、その日は母の月命日だったのである。

 もしかしたら母は、今日が自分の月命日で、この時間帯に息を引き取ったのだと自分に教えようとしたのではないか。

 そう思うと、私は母に、月命日のことは忘れていないよ、時間を教えてくれてありがとうと心の中で呟いてまたベッドへと戻り、眠りへと落ちていった。

このお話は実際に体験したことを脚色して書いています。


鳴っていたのが本当に電池の切れた母の携帯電話だったのか、はたまた違うものだったのか、今でもそれは分かっていません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 読ませて頂きました。 エピソード3まで読みました、日常の中にある怖い出来事が細かく描かれいて怖いと言うより、面白かったです。 [気になる点] 無し。です。 [一言] 他の作品を読んでいる為…
[良い点] 今の時代、携帯ほど故人と繋がれる気配のあるアイテムはありませんね。着信を空耳してしまう気分が伝わってきます。これが本当に鳴ったかどうかは、残された人には問題ではないのかもしれません。 故…
[良い点] 亡くなったお母様からの知らせだったのかもしれませんね。 しんみりとするエピソードでした。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ