表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

夢か現か

 その夢を見たのはいつの頃だったろうか。少なくとも社会人になっていたのは間違いないと思う。


 その夢の中で私は、ベッドの上で何か黒いものに覆い被さられ、両腕を横に水平に広げる形で手首を抑えられ、押さえつけられていた。

 黒いものはイメージとしては西洋の死神のような感じで、鎌を持っていたり骸骨だったりはしなかったが、顔の部分は黒いモヤに覆われており全く見えなかった。


 両腕を抑えられているだけなのに身体はほとんど動かず、辛うじて上体をほんの数センチメートル浮かせることが出来るくらいだった。

 そこで、私はその黒いものに嫌がらせをしようと、どうにか上体を浮かせて唇を突き出し、「ふんーにょ、ふんーにょ」と顔のようなところにちゅーしてやろうとしたが、当然、そこまで身体を起こすことは出来なかったので未遂で終わった。


 それからようやく目が覚めたとき、私の両腕は横に水平に広げる形で、まるで夢で黒いものに押さえつけられていたときの格好のようになっていた。

 普段、私は仰向けに寝るときは気を付けの姿勢に近い形で寝ている為、このような形に腕がなることはなく、そもそも両腕を横に水平に伸ばすとベッドからはみ出てしまうのでこうなることは有り得ない。


 あれは本当に夢だったのか、もしかして現実に起きていたことだったのか、今となっても分からないままである。



 ただ、もし黒いものに嫌がらせが成功して、ちゅーしてしまっていたらと思うと……やはり夢であって欲しいと思う。

 目が覚めた状態でそんなことをしていたとしたら、私はとんだキス魔ということになってしまうからだ。

これも実は実体験をもとに脚色したお話になります。


黒いものは何だったのか、何故私はキスしてやろうと思ったのか、謎は深まるばかりです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 悪夢の中の黒い怪異にキスをしていたらどうなっていたのか、私としても興味深いですね。 私が思うに、人間に何か仕掛けてくる怪異は自分が攻め手である事に慣れているので、逆に自分がされる側になった…
[良い点] 恐さが一周回ってひょうきんな行動に出るあたりが意外と生々しいです。人間で変なもので、わりとこういうとき突拍子もない事をするんですよね。 霊対策にひたすら大声で歌ったり、中にはエロい事を考え…
[良い点] 対処が可愛い……! 怪異の類にはそういうの効いたり効かなかったりするみたいですね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ