コンビニに何かいて草
この世界にはダンジョンが現れました。
「チクタク、チクタク」
深夜二時。意識がもうろうとしながら、僕を含め企画部五人が残業をこなし、
それはもはや地獄絵図であった。隣に山積みになっている書類を見て、社員はため息をつく。
連勤百十三日。もう二週間は家に帰らず、仕事をしている。
社員は室内に鳴り響く音も関係なく、仕事をこなし続ける。
いうまでもないだろう。ここはブラック企業。昼も夜も関係なく仕事、一睡もしない日もしょっちゅうあり、
給料は、ずっと働いても十五万超えるか超えないか。
そんな地獄でも僕たちは仕事をする。なんで仕事・・考えたこともなかった。僕たちはもう洗脳されているようであった。いつの間にか朝日が昇ってきてあたりが照らされた。
やっと僕はひと段落ついたので、オフィスの下のコンビニに朝ごはんを買いに行った。
「お、お先に休憩とらせていただきます。」
すると、やせ細った上司が、
「おう、早く行ってこい。」
やせすぎて女みたいな声が出ていて、少しきもかった。それも仕方あるまい、仕事のし過ぎのせいだ。
「いらっしゃいませー。」
久しぶりにコンビニに来た感覚だったが、いつも通り、三百円のサンドウィッチと、百円のお茶を買って、レジに並ぼうとする。ぶらぶらして下を見ながら歩いていると、目の前にゲームで見る、
モブ敵キャラらしきものが立っている。昔やっていたRPGゲームのくせで
「おら!」
殴ってしまった。
「はっ!なんだ今のは!まさか人じゃ・・。」
さっきまで寝ぼけていたけど、一気に目が覚めた。
しかし、目の前には、キラキラとしたものが上に上がっていった。そして、
「経験値13獲得。レベル二になりました。スキルが判明しました。
スキル「アイテムドロップ」アイテムドロップ率150%、Dランクアイテム獲得解放。SSランク解放まであと、300レベル。能力アップを選択してください。」
耳に聞こえる音。ついに俺はおかしくなってきたと自覚したが、目の前には能力アップの画面が表示されている。はじめはおかしいと思って会計に行こうと思ったが、妙に気になるので、触ってみることにした。
「これで、通り抜けたら夢、通り抜けなかったら現実?まぁ現実はないだろうけどぉ。」
「ガン」
勢いよく手を当てたら、勢いよく当たった。ということは現実か?
そんなことあるか?
そんなダンジョンゲームみないな・・。ダンジョンゲーム?
僕は今、この世界に2年前からダンジョンが現れたことがあるのを思い出した。
同僚と数少ない休憩時間に、ダンジョンの探検家の話をしたことがあった。その時に
「ダンジョンの話なんだけどさぁ、モブを倒して、レベルが上がるんだって。」
と言っていたんだ。ということは現実味が出てきた。
「とりま、能力アップすっか。まずは、攻撃力アップを、あれ、できない、あれ?