生放送①
大体の共演者に挨拶を終え、(泉さんとは10分くらい話し込んでしまったけど笑)楽屋に戻る途中
「あー!みこりんだー!
会いたかったーー♡」
ひらひらと手を振りながら小走りに駆け寄ってくるのは、平手希。クリクリとした目に、小柄な体型、全体としてふわふわと柔らかい空気が漂っていて、THE女の子って感じ。
彼女は、アイドルグループ “Angel”のメンバーで、高校が一緒だ。初めてあった時は、見た目の通りふわふわした子なのかな?と思っていたけれど、意外に頭の回転がはやく、相手のことを思った言動ができる賢い子だ。
「希、久しぶり。
最近、全然会えないもんねー、」
「そうなんだよーー。
今日、共演できるって知って嬉しかった!!」
「希はなんかの番宣?」
「うん!春から新しく始まるドキュメンタリー番
組にレギュラーで出れることになったんだ!」
「そうなんだ!!おめでとう。
絶対見るねー。」
「ありがとう♡私もみことの次のドラマ絶対みる
ね!!」
「希、あんまりドラマ見ないのに珍しいね」
「あ…当たり前じゃん笑
友達が出てるドラマなんだから!!」
「そっか、お互いがんばろ!」
「もち!あ…」
急に希の言葉が止まり、彼女の顔がだんだんとピンク色に染まっていく。彼女の視線のむいている方に振り返ろうとすると
「わっ!」
驚いて、体がビクッとなる。私にこんなことをしてくるのは、あの人しかいない。
「もーー。やめてくださいよ、三上さん。笑」
三上さんとは、春から放送する新ドラマ
“家族だけど家族じゃない"で兄弟役を演じる
「ヒドイ。みことちゃんボクに冷たくなーい?
なー、希ちゃん笑」
「は…はい!っじゃなくて!
みことは冷たそうに見えるけど、本当に優しい
子ですよー!」
と、真っ赤になりながらいうもんだから、なんだか微笑ましくなってしまう。
―希のこういうとこ好きだな―
「希ちゃん、かわいいなー笑」
という三上の一言で、希は機能停止状態になってしまった。
―そういうことだったのね笑―
でも、こういう素直な反応ができる子はみんなから好かれやすい。
―ちょっと、羨ましいかも―
ていうか。たぶん、三上さんは、希が自分に好感を持ってるのを知っててからかってる。
「はぁーー」
私は、ため息をついた。そして…
彼の溝落ちに一撃くらわせてやった笑
(もちろん、やさーしーくだけどね。
一応彼も俳優さんだから。)
「うっっ」
「ごめんなさい。三上さん大丈夫ですか??」
わたしは、あくまでも故意ではないように振る舞う。
「うっ。おまえ、やってくれたな。」
まぁ、三上さんはそう言いながらも笑ってくれた。
「私、そろそろ時間なんで楽屋にもどりますね
ー。2人とも、急いだ方がいいですよ!!」
機能停止状態の2人を放置して、わたしはそそくさと楽屋に戻っていった。
この時のわたしの行動が誰かに見られているとは知らずに。
――――――――――――――――――――――
Wikipedia
三上春樹
日本の俳優 モデル 歌手
生年月日 4月25日
出生地 東京都足立区
身長 180㎝
血液型 AB型
職業 俳優 歌手
ジャンル テレビドラマ 映画 舞台 CM
事務所 アクターズ
公式サイト 公式プロフィール↗︎
主な作品
「虹色の涙」
「隣の君」
「サイコパスな私たち」
「365°」
「おまえはもうラフランスだ」
「時空を駆ける少年 かける」
「お嬢様、成敗の時間です―ニューヨーク編―」
「僕たちは、ピンクでブルーで、どこか紫」
「お面ライダーZ」
などなど
受賞
365回 日本アカデミーー賞(新人俳優賞)
「365°」
――――――――――――――――――――――