アレ
夏休みに入りましたー!
日ノテレビは、東京湾沿岸にある。
周辺には、多くの商業施設や企業のオフィスなどがあり、人の移動が活発な場所だ。
それは分かってる。。。
だけど、
「なんだったの?さっきの人だかり笑」
私たちは予定通り9時ごろに、テレビ局に到着した。いつも通り、テレビ局の裏口から地下駐車場に入ろうとすると、周辺には綺麗に着飾った多くの女性たちがいた。警備員の数は、普段よりもずっと多くて、どうにかして彼女たちのをおさえているようだった。
テレビ局の警備体制は頑丈だし、普段なら裏口に人が集まることなんて滅多にない。
―今日何かあったっけ?―
「CRESCENTじゃないかな。」
「え、」
「ほら、今日みことが参加する番組。
CRESCENTの川瀬拓真がシークレットゲストで
登場するらしい。って噂がSNSでながれてた
よ。」
「そうなんだ。」
「反応うすくない??笑
川瀬拓真だよ。みことくらいの歳の子なら、
あこがれちゃうんじゃない?」
「うーーん、実際、学校であったことあるし。
むしろ、ライバル意識もっちゃうかも。」
「みことらしいね。
さ、楽屋ついたよー。今9時半で、11時にはスタ
ジオ入りしたいから、それまでメイクと挨拶す
ませちゃおう。今日は、大御所の人たちも多い
から挨拶まわりは、大切だよ。」
「はい。じゃあ、先に挨さ…」
「ちょっと待て!みこと今日、アレしてきてない
でしょ。」
「あ。。。確かに、忘れてました。
中村さん、いつまでアレやんなきゃいけないん
ですか?」
「うーーん、事務所はみことを純粋で清潔感のあ
る感じで、おしたいと思ってるみたいだから、
子役のイメージがあるうちは厳しいかも。」
「僕は、ありのままの方が、視聴者にギャップを
与えられて、役の幅も広がるからいいと思うん
だけどね笑」
「とりあえずメイクと着替えしてきます笑」
「今日は、ジャギーニットにプリーツスカートの
女の子らしいコーデにしたよ。
あと、みことちゃんはスポーツバトルに出るっ
て聞いたから、髪はあげとこー!」
「はーい。よろしくお願いします!」
メイクさんに促されて、座席にに座る。
「みことちゃんも、大きくなったねー
4年前は、あんなに小さかったのに。
この歳の成長半端ないわ笑」
この人は、4年前からずっと私を担当してくれているメイクさん。年は…教えてくれないけどサッパリした性格で好感が持てる人。
「でも。アレする必要あるの?」
「なんか、事務所の方針みたいです。
純粋で清潔感のある感じがいいんだって笑」
「あー、テレビで見るとそんな感じするもんね!
でも。本当はすごいスタイルいいのにもったい
ない!!」
「私もなくてもいいと思うんですけどねー笑」
「さ、終わったよ!」
「ありがとうございます!!
それじゃ、挨拶いってきまーす」