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空色の双翼  作者: 黒影翼
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第19話・グラムバルドの真実



第19話・グラムバルドの真実



夕食をとりながら、ルシアとシアナはセリアスからエルティアの戦況を聞く事にした。


「では此方の状況をお伝えします。エルティア王子ソルクレイヴが負傷するも、治癒術師が充実しているので戦闘可能な程度には回復してグランナイツを二度退けました。」

「ヴァルナートは?」

「私たちがついた時にはソルクレイヴを負傷させたので居たようですが、引き払ったみたいでそれ以降出てきませんね。」

「やはりか。」


最大の主力が前線にいない事実に驚かないルシア。

それに違和感を覚えたのか、セリアスは首をかしげる。


「何かありました?」

「この村からザーヴァの力が感じられなくなってしばらく、南で妙な力を感じた。距離があったから判別自体は出来なかったが…」

「逆にそんな長距離力を感じさせるような人間限られてますね。私だってルシア様に照準絞っての転移すら相当大変でしたから。」


何の気なしに上がった話に、マスティが加えた解説でほぼ確定した事実に顔をしかめるセリアス。恐らくヴァルナートが城にいる事実に。


「こっちに焦点合わせて全軍城で待機なんてことないわよね?」

「それはないでしょう。騎兵だけならともかく、全軍歩いて城にとなればそれなりに大変ですし、グラムバルドにはそんなに馬もいません。騎馬と同等に移動できる化物はグランナイツぐらいでしょう。」


唯一一番危険なのは、こちらが片付く前に進行による全面衝突が始まってしまう事。

そして、それはヴァルナートがひいている今そうそう起こりえない。


「突撃して…皇帝に話を。」

「その上でエルティアへ。それで戦争を終わらせてグラムバルドも救える道を模索出来る筈。」


シアナとルシアが顔を見合わせ頷くと、シアナは一同を見回して頭を下げた。


「皆さん…もう一度、力を貸してください。」


深々と頭を下げるシアナ。


「やってやるわよ、任せておきなさい。」

「僕は何度でもシアナさんの力になります。」

「人間の不始末だからな。」

「エルティアは祖国ですし、殺伐としたのも好みませんからね。」


マスティ、フォルト、エリナ、セリアスがそれぞれに笑顔で応える。

それらを聞いて、一人何も言わずにシアナの傍らで他人事のように見ていたルシアに全員の視線が集まった。


「…な、なんだ?」

「そりゃ、ルシア様からも一言。私もその方が気合入りますし。」

「何の想いもないってことはないでしょう?」


マスティとフォルトに言われ、ルシアは視線を外そうとしたが、全員に見られている状態では後ろでも向かなければそれもできない。


「…シアナ。」

「はいっ!」


わざわざ名指しされるとまでは思っていなかったシアナは、ルシアに名前を呼ばれて緊張したように身体を強張らせる。


「お前の願いは、俺が口にできないまま引きずってきたものだ。私の為になどと思うな、俺も誰も死なせないために全霊を尽くす。」

「…はい!」


ルシアの言葉に、シアナは笑顔で頷いた。

それが何を意味するのかは一同にもわかって笑みをこぼす。


嘘はつかず、現実的にと、それを理由に口にできずにいた、皆救いたいという願い事。


抱えたまま口にもできずありえないと思っているくせに、魔界まで降りて修行まで重ねて天使に寄って、それでもまだ変わっていない。


ルシアが力を制御できることで明らかに変わったことを知っているシアナは、全霊を尽くすというルシアに、それでも負い目は感じずに頷けた。







そして…



「ついた…か。」


山元の村から南東に進み、アルムラント大陸の東端近いその場所に、帝都はあった。

城が見え、城下に町も見える距離。


「…石の灰色と金属っぽいものしか見えませんね。城すら旗がある位です。」

「染料なんて買う余裕も作る余裕もないんだろう。」


エルティア出身のセリアスが、城も町も兵器に見えてくる光景にさすがに顔を顰める。


「どうであれ急がないといけませんね。」


先頭を進むシアナの言葉に頷き一同は歩を進める。

が、ほどなくして異変に気付いた。


城下町にはほぼ人の気配がなかったのだ。


「全員移住したのか?ぢりぢりになっても生活しづらいだろうに…」


資材や資金に余裕がないからのこの状況なのだ。

新たに建物を建築するよりは余程不便でない限りは今ある場所を使った方が良いはずだが、その余程不便な状況なのか人の気配がほぼなかった。


「まさか、城がもぬけの殻ってこたぁねぇだろうな?」

「それは大丈夫よ。私でもわかる位だからね…」


皇帝まで不在という状況を想像したエリナの言葉をすぐさま否定するマスティ。

シアナの傍に控えるようについているルシアも小さく頷く。


「ヴァルナート…ですか…」

「はいはい。ルシア様が相手するから、他の雑魚は私たちで全部片づける気で行くわよ。」


緊張したように呟くフォルトの肩をはたいてなんでもないことのように告げるマスティ。

実際、どれくらいの兵が控えていてもおかしくはない。


だが…


「ヴァルナートがいるのは分かりますけど…それ以外の人の反応が少なすぎる…」

「…急いだほうがいい。」


困惑するシアナにルシアが告げると、シアナは小さく頷いて小走りで駆け始めた。

消耗するほどではないが、歩いている場合でもないと考えての事だった。


不意打ち罠の類も警戒しながらではあったが、それらはないままに一行は城の広場に辿り着く。

庭…と言うより修練場なのか、所々に打ち込み用の人形らしきものが立っている広場。

その先にある城へ続く門の前に立つ、黒一色の影。

背後に数人の騎士らしき姿があり、彼等も人並み以上の実力がある事は誰の目にも明らかだった。


「ヴァルナート!」

「いかにも。三英雄最強の剣士、ヴァルナート=ストレイジ。」


さすがに前に出ようとしたルシアの叫びに応えるヴァルナート。

だが、そんなルシアを片手で制したシアナは、一人数歩進み出た。


「どいて下さい。私たちは戦いに来たのではありません。この地の問題を解決するのに協力するのは確定事項ですし、その為の話を皇帝とさせていただきたいだけなんです。」

「協力か、それはまた面白い話だな。話に行くにあたって一つだけ条件がある。」

「条件?」


まさかここへきて敵の悉くを殺しつくしてきたヴァルナートがシアナの言葉を承諾すると思っていなかった為、提案しておきながらシアナですら面食らう。

と、ヴァルナートは大剣を石の床に突き立て、身を縮こまらせる。


そして…



「はあっ!!!」



気合と共に身体を開くと、全身を覆っていた黒一色の鎧が弾け飛んだ。

重量故に紐で繋がる訳もない、金属で固定された鎧。その固定が弾け、ガラガラと喧しい金属音を響かせて鎧が落ちる。


中から、グランナイツの証でもある真紅の衣装が姿を見せた。

そして、残った兜を手にかけ外したヴァルナートは…


自身の眼前でその兜を両手で潰した。


「なっ…」


シアナが驚きの声を上げて後ずさる。

その驚きは、大陸でも高硬度の素材で出来ている兜を潰した事にではなかった。



「一騎打ちだ、ルシア=ストレイジを置いていけ。」



潰した兜を放り捨てたヴァルナートは、ルシアと見紛う…歳を重ねた顔でそう言って獰猛な笑みを浮かべた。


「ルシア…ストレイジ?」

「やはりか。」


シアナが目を瞬かせている傍に寄ったルシアが、何の動揺も見せずに立つ。


「ほう?何処で聞き知った?」

「稀少な俺と同じ力を持つ戦闘狂の女悪魔が三英雄の一人と聞いた。戦闘狂が好むならお前しかいないだろう。」

「ふっ、わかりやすい予想だな。しかし当たっているだけに馬鹿に出来んか。」


言いつつ、ヴァルナートは大剣を手に取って引き抜き…大剣の刃を掴む。



バキン、と、不吉な音が響いた。

そして、そのまま、大剣から刃を外していく。


その下には、まばゆいばかりの輝きを湛えた新たな刀身。

抜き切ると、ヴァルナートは適当に元々刃だった部分を捨てて、新たに表れた剣を眺める。

一回り小さくなったとはいえ、まだ普通の大剣の領域。

その剣を構え、ヴァルナートは鎧の残骸の一つを蹴り上げる。



その身体が、一瞬見えなくなった。

次の瞬間、鎧は切り分けられて破片になった。



両断、ではない。

何度振ったのかも見えない斬撃によってばらばらの破片になって、石畳の床に落ちる。


「ふむ…これだけ軽くなるとさすがに身体が泳ぐな。」

「冗談だろ…あの鎧、あたしの斧でも両断なんざ…しかも今何回振りやがった…」


遠目に見ていたエリナが引きつった頬のまま口を開く。

遠目。だが、その手は微かに震えていた。


「もう一度言おう。ルシア、一騎打ちだ。承諾するなら他の者は通してやるが、貴様が負ければ背後から捕えさせて貰うがな。断れば、後ろの騎士も含めた我々対お前たちになるが…何人死ぬかな?」


防げない大剣を見えない速度で振るうヴァルナート。

ルシア以外が交戦すれば、間違いなく剣の間合いに入った瞬間に斬って捨てられる事が目に見えている。


「…マスティ、シアナを頼む。」

「っ…最上級の誉め言葉ですねそれは。必ず。」


複雑な頼み事に一瞬顔を顰めたマスティだったが、微笑み頷くと歩き始める。



直後、ヴァルナートが動いた。



駆けよってくる姿に一同に緊張が走る中、ルシアは黒の力を纏った拳でヴァルナートに向かう。

斬撃を拳で受けるルシア。


「いけ!」

「っ…ルシア、頑張って!!!」


ヴァルナートから少し道を庇うように立ったルシアはそのまま斬撃を繰り出すヴァルナートと拳を交わす。

その間に、シアナとマスティを先頭に一同は城内に入っていった。

控えの騎士たちは離れ、ルシアとヴァルナートの戦いを眺めるだけで割り入らず、庭に意味を持つ存在はルシアとヴァルナートのみになる。


「馬鹿にしているのか?」

「何、傍に寄った人間が一振りで殺せる相手の横を通るのは落ち着かないだろうと思って、先に貴様に向かったまでだ。お陰で通りやすかっただろう?」

「胆の冷える気遣いを…」


本気でない事が分かるルシアはともかく、フォルトですら何撃かわせるかというヴァルナートが動いたタイミングで間違いなく心臓にいらない負荷がかかっただろう一同を思うと、素直に礼を言う気に等なれる筈もなかった。


「…皮肉だな。」

「何がだ?」

「色々だ。強敵を探して唯一見つかったのが息子なのも、アーセルや天使にくっついて救世主紛いの真似を望んでいるお前の親が殺戮者なのも…な。」


羽ペンでも揺らすように両手剣を片手でふらふらと揺らしながら微笑むヴァルナートの言葉に眉根を寄せたルシアは、短く頭を振った。


「俺にとって家族がいるとすれば、先生と共にいた皆だけだ。」


険しい顔のルシアと異なり、ヴァルナートはあくまで涼し気で…


「ふっ…アイツの家族の二人が戦って世界を変えようとしているのも皮肉だったか。」


ここまでが、ルシアが黙っていられた限界だった。



「貴様が…言うなっ!!!」



黒い翼。


余波だけで周囲の石柱すら震わせるようなそれを背に、ルシアは駆けた。


元々一歩の間合い。

一瞬で距離が詰まるかと思われたが…



刹那、煌きがルシアの首目掛けて迫った。



衝撃音。

それと共に、ルシアとヴァルナートの立つ石畳に罅が入る。


ヴァルナートの剣は、ルシアの首に届く前にその左拳の甲に止められていた。



「夜空の翼…と言った所か、破壊の為だけの黒からよくもまぁそんな落ち着いたものを。」

「力が、存在が変わらなかったとしても、それをどうするかは変えられる。俺の力の全てがお前と悪魔の全てを壊す力でも、俺はお前たちの同類になどならない。」


黒い翼がはためき、左拳をはじくように振るったルシアに押されるように下がるヴァルナート。

数歩下がったヴァルナートは、足の感触を確かめるように数度床の石畳を叩いて鳴らす。


鎧を外したばかりの軽さに慣れていないだけで、ここから先は慣れる程強くなっていく。


「理由の全ては千差万別。だが用途は一つ…目的を為す際の障害を排除するため。」


足を鳴らしたヴァルナートが剣を構える。

ルシアも静かに構えをとった。


「どうせ城内にも備えはあるんだろう?早々に片付けさせて貰う。」

「久々に全開で戦うんだ、焦って簡単に斬られてくれるなよ?」



一瞬間をおいて、二人が踏み込むとともに城を揺らすほどの轟音と衝撃が響き渡った。









「うぇ…城揺れてないか?アイツら剣と拳でやりあってんだよな?」


まるで爆発物でも使用しているかのような音の響き方と揺れている気がする城に、さすがに頬を引きつらせるエリナ。


「人は感知できるとして、罠があるかもしれないんだから呑気にルシア様の方意識してないの。」

「ちぇ。マスティに言われちゃ気を遣うしかねーわな。」

「私は別に心配してないわよ、今のルシア様なら負ける筈無いわ。こっちが心配なだけでね。」


ヴァルナートと戦っているルシアより、ルシアが傍にいないこっちの方が心配だと言い切るマスティ相手にさすがに軽口を叩けなくなったエリナは、無言で視線を前に向ける。


「…ですが、逆に気になります。」

「え?」

「罠や備えの『一つもない』事です。この先にちゃんと皇帝はいるのかどうか…」


味方をした人間にすら裏切られたシアナは、さすがにこの状況をニコニコと笑いながら通してくれたなどと浮かれる気にはなれなかった。


「…多分、それは大丈夫です。」

「フォルトさん?」

「ヴァルナートは信じてもいいという事でしょう。人としてではなく、彼は必要なら堂々敵対して殺すだろうという意味で。」


普段から声色の変わらないセリアスの言葉に苦い表情をしつつも納得するシアナ。

皇帝がいないのに話をさせるために通す…そんなでっちあげの策はとらないだろうという評。


とは言え城に見回りの兵すらいない状態なのは違和感しかなく…





「ようこそ謁見の間へ。僕が現皇帝、セイン=グラムバルドだよ。」




二階最奥に辿り着くと、扉もない広間の先にある玉座に、黒いローブを羽織った青年が座っていた。

各地への侵略を命じた、ヴァルナート達が従う武力国家の皇帝。

それが、迫力すらないフォルトより一回り大きい少年をぎりぎり抜けた程度の顔立ちの青年だとは誰も想像していなかったのだ。


「さて、それじゃ要件を聞こうか。黒を脱した天使さん。」


座ったままで問いを投げかけるセイン。

シアナは他の一同を置いて数歩進み出る。


「とうにご存じとは思いますが、戦争を止めて欲しい。その為にここまで来ました。」

「無理。エルティア貴族は悉く殺しておかないと安心出来たものじゃないからね。」

「安心?どういう事ですか?」


意味が分からず問いかけるシアナに、セインは話を続けてくれた。


「かつてエルティアから逃亡した堕天使…三英雄が討伐したそれは、このグラムバルドの地に封印されている。…賢者、アーセル=アガルトリアが行使した魔法によって。」

「封印?」

「あのヴァルナートすら倒しきれなかったのさ。そこまでは良かったんだけどね…」


言葉を止めたセインは深く息を吐いて、表情を殺す。




「封印術はその地の力を奪って維持される。元々豊作とは縁遠いグラムバルドは恐慌に陥り、訝しんでエルティアが開発した封印術を調べていたアーセルは食料の提供を餌に動かされた前皇帝の指示でヴァルナートによって殺された。」




告げたセインの声は、殺意とすら違い、氷のようだった。

一同も、何の言葉も返せずに硬直していた。


「何かおかしいと父を余所に調査に動いていた僕が単独で知ったのは、あの破壊の堕天使が大分昔から魔導系の研究にエルティアに捕らえられていた事と、それに『手を出した』馬鹿野郎がエルティアの玉座に座っている事だ。それらを知って、天使周りについて追及しなければと帰国した頃には…この国はヴァルナートに友を殺させた後だった。」


淡々と、そこまで語ったセインは深く息を吐いた。



「あまつさえ…君が堕天使となったという。誰の死も何を奪うも願わなかった君が。」

「ぁ…それは…」

「大方地上に来ることを『堕ちる』とでも言うんだろう?それを大罪扱いで首輪につないで飼ってる訳だ。」


返しに困ったシアナを見て、薄く笑うセイン。

目が鋭く冷たく、その笑みはかえって薄ら寒い代物だった。


「ふざけた権力者どもを一掃して、グラムバルドの国民を移住させた後、封印された堕天使を開放して打ち倒す。…協力して貰いたいものだけどね。」


悪鬼羅刹の侵略国家グラムバルドの停止。

前提が粉々になる情報を前に…



雷撃が落ちた。



「アンタが止まりそうにないのはよくわかったわ、行くわよシアナ。」

「マスティさん?」

「アイツとエルティア貴族をふんじばって牢屋にぶち込んで残りで仲良くすればいい。…死者を選ばない為に来たんでしょ?」


背後のマスティを振り返って硬直したシアナは、少しして微笑み返して頷くと改めて前を見た。


エルティア貴族。

それだけで括ってしまえばソルクレイヴやセリアス、ランヴァールではフォルトもその手合いに該当してしまう。

仮に最悪だけを止める必要があっても、これを流す選択がある訳がなかった。



「やれやれ…責任ないのは好き勝手言えていいもんだね。ま、僕も守ら『なければならない』から怒ってる訳じゃないんだけどさ。」


マントでマスティが放った雷撃を受けたセインは、そのマントを放るように脱ぐ。



「っ!?」

「なっ!?」


直後、シアナとマスティが揃って一歩後退りした。

二人だけが引く理由。引かされるほどに驚く理由。



それは、セインから感じられるハルカ以上の『力』。


「ヴァルナートは一騎打ちで一本取ったから、前皇帝を裏切った僕に協力してくれた。…ま、あの鎧つけてたからなんだけどね。」


言いつつ、グランナイツと同じ赤い衣装を身にまとったセインは、玉座に突き刺さっていた剣の塚を握って抜いた。


半分の刀身が玉座に収まっていた両剣。

それを持って玉座から降りるセイン。


「城の人が少ないのは、僕の護衛は『必要ない』から。僕も前線に居ればもう全部片付いてたかもしれないけど、封じただけの堕天使の事もあるし流れ矢でも当たったらと心配されたのもあるしで出辛くてね。」


玉座を高くするための申し訳程度の数段の階段を降りる。

然程高くない身長の筈の小柄な彼は、それでもなお全員に緊張を走らせるに十分な威圧感を持っていた。


「数人死んで、残りが人質にでもなれば、堕天使戦に協力してもらえるかな?天使シアナ。」

「貴方もエルティアも件の堕天使も止めて見せます!!」


招き入れた理由の悉くを語るセインを前に、シアナは空色の四翼を展開した。





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