乙女の輪舞曲は終わらない
ある少女と、おひめさま。2人の物語。
"私に愛をください"なんて、
望んじゃいない、望んじゃいけない。
そうだったのに、どうして、
「私に気付いて」なんて、
子ども騙しの愛の言葉。
本当に伝えたい詩は、
まだまだ届きもしないの。
"遠くからで良かった"なんて
ただ、逃げているだけと分かっている。
臆病な私、情けない私。
「私の名前を呼んで」なんて、
小さな私のわがまま。
少しだけ困った顔のあなたに、
またひとつ、恋に落ちる。
"私も気付いて欲しい"なんて、
欲ばかりが溢れて、零れそうで、
醜い私を見付けないで。
「もっとあなたの近くに」なんて、
拒絶が怖くて足が竦む。
けれど勇気を出さないと。
諦めるなんて出来ないから。
傷付くのが怖くて、
あなたと距離は変わらない。
ずっと、ずっと、遠いまま。
変化を恐れて泣くより、
あなたの傍で笑っていたい。
この声も、想いも、全部、
あなたのものにして欲しいの。
"ああ、どうか願わくば、"
「ああ、どうか、叶うなら、」
"私もあなたに触れたかった"
「この詩に触れて欲しいの」
"私もあの子のように"
「そうして私の手を取って」
いつまでも、いつまでも、
こつん。




