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東が西で南の北へ  作者: マサヤン


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初めまして 第1話

俺は神を信じない。

ただ、もし本当にいるのなら――答えてほしい。


救うのなら、救ってほしい。

俺は今、人生の岐路に立っている。

生きるか死ぬか、その瀬戸際だ。


頼む、神様。

今、この瞬間――俺に奇跡を起こしてくれ。


======================== 


『ガーッハッハッハッハ! よくぞここまで辿り着いた、転生勇者よ!』


薄暗い玉座の間。

不気味な笑い声とともに、魔王が腕を広げる。


「魔王……お前の野望も、ここまでだ」


剣がぶつかり、魔法が火花を散らす。

互角――そう見えた刹那、勇者は高く跳んだ。


「これで終わりだ! 魔王ォォォ!」


雷を纏った剣が振り下ろされる。


『ぬかせぇぇ!!』


魔王もまた、同じ雷を宿した拳を振り上げた。


衝突――その瞬間。


――《ボタンを押せぇぇ!!》


 


【ピキ】


視界が暗転し、画面にヒビが走る。


『残念だったな。出直してまいれ』


画面は静止したまま、動かない。


「……は?」


次の瞬間、現実が押し寄せた。


「赤、だぞ……赤保留……!」


握っていたハンドルから力が抜け、椅子にもたれかかる。

復活演出はない。奇跡もない。


「クソが……! 俺の全財産が入ってるんだぞ……!」


ウィーン。


「ありがとうございましたー。またお越しくださいませー」


財布の中は、ほとんど空っぽだった。


「何が『転生勇者は世界を救う』だよ……

救うなら、俺の財布を救えってんだ……」


吐き捨てるように呟き、店を出る。


夜風が、やけに冷たい。


「……俺もさ、異世界とか行ってみたいよ」


一発逆転。

冴えない人生を、全部ひっくり返す奇跡。


あるわけがない。


飲みに行く金も、遊ぶ余裕もない俺は、

とぼとぼと家路についた。

「バイト暮らしで、貯金も無くて……」

「気付けば三十超え……」

「なんかさ……人生が一気に変わるような事、起きねぇかな……」

自嘲気味に笑った、その直後。


――ゴツン。


鈍い衝撃と同時に、頭の奥が弾けた。


「……っ」


次の瞬間、身体から力が抜ける。

膝が折れ、視界が傾き、そのまま地面に倒れ込んだ。


何が起きたのか分からない。


痛い。ただ、ひたすら痛い。


──キィィィィン。


耳鳴りだけが、頭の奥で鳴り続けている。


「大丈夫ですか!」

「救急車――」


声が重なり、遠ざかる。

理由は分からない。ただ、分からない。


そのとき――視界の端に、妙なものが映った。


足元に、楕円形の塊。


石でもない。

ボールでもない。


表面が、炎のように、ゆらゆらと隆起している。


赤い。


――なんだ?これが頭にあたったのか?


分からない。

ただ、そこに“ある”。


身体に力が入らないまま、這うように近づく。


その途中で、違和感に気づいた。


人が動く。

足が行き交う。


――当たった。


そう見えたのに、次の瞬間、何事もなかったように通り過ぎる。

蹴とばされたはずのそれは、微動だにしていない。


もう一人。

また一人。


足は確かに踏み込んでいる。

それでも、触れていない。


まるで、そこに存在していないみたいに。


意味が分からない。


それでも、目が離せなかった。

理由なんて考えず、ただ――


手を伸ばす。


触れた。


温かい。

生き物みたいに、じんわりと。


「……何だ、これ」


石じゃない。

機械でもない。


――卵?


そんな考えが、遅れて浮かぶ。

確信はない。ただ、そう思った。


誰かが腕を掴んだ。


「立てますか? ほら、ゆっくり」


支えられ、なんとか身体を起こす。

誰かが腕を、誰かが肩を支える。

過剰なくらいに、優しい手だった。


「……これ、なんだか分かりますか?」


胸に抱えていた卵を、落とさないよう両手の掌に乗せ替え

これが見えるはずだと思いながら目の前の人へ向けた。


返ってきたのは、困惑した沈黙。


「……何も持ってないように見えますけど」

「大丈夫ですか」

「頭、打ってますよね」


心配と善意が、四方から飛んでくる。


首を振る。


「……大丈夫です」


頭は痛い。

それでも――腕の中のそれが、俺にしか見えていないという事実が、妙に心を落ち着かなくさせた。


「すみません。心配してもらって……」


頭を下げ、人の輪から抜ける。


駅とは逆。

賑やかな通りから外れた方向へ。

帰る場所は、ひとつしかない。


======================== 


古びたアパートの一室。

ドアを閉めると、外の音が途切れた。


机の上に、そっと置く。


──コトン。


小さな音。

確かに伝わる重さ。


逃げない。

消えない。

すり抜けない。


そこに、ある。


夢じゃない。


「……俺だけ、か」


見えていたのは、俺だけ。

触れられたのも、俺だけ。


胸の奥が、じわりと熱を持つ。


異世界。

転生。

一発逆転。


都合のいい言葉が、次々と浮かぶ。


これ以上、机の上を見ていたら戻れなくなりそうだった。

一度頭をリセットしよう

そう思い立ちシャワーを浴びるために浴室に向かう


温かいはずの湯が、顔に当たった瞬間、鋭い痛みに変わった。

顔が、ひどく痛む。


鏡を見ると、頬から顎にかけて擦り剥けていた。

転んだとき、受け身なんて取れるはずがなかった。

頬から顎にかけて、皮膚がずる剥けているのが分かる。

触れなくても、はっきり分かる痛みだ。


――ああ、転んだんだ。


今さら思い出す。

受け身なんて取っていなかった。


卵に気を取られて、

痛みが後回しになっていただけだ。


血の混じった水が、排水口へ流れていく。


神だの異世界だのと浮かれていても、

俺の身体は、ちゃんと怪我をしている。


それだけは、はっきりしていた。


シャワーを止める。


頬と顎に、赤く擦りむいた跡。

ところどころ、まだ血がにじんでいる。


シャワーを浴びた後

ため息をつきながら、部屋の片隅にある救急箱を引っ張り出す。


消毒液が染みて、思わず歯を食いしばる。

現実だ。

これは、どう見ても現実の怪我だ。


絆創膏を貼り終え、ベットに倒れこむ。

ようやく落ち着いたところで机に視線を送る。


机の卵は、静かなままだ。


何も起こらない。

それでも、目を閉じると期待してしまう。


明日こそは。

今日とは違う何かが起きるかもしれない、と。


卵は――沈黙したままだった。

どうも皆さん。初めましてマサヤンと申します。

以前同じタイトルで13話ほど投稿するも小説の書き方が分からず

ずっと筆をおいていました。

一度は諦めたのにずっと続きを書きたいという思いが消えませんでした。

完成できないものがあるのはずっと自分の中に

引っかかりがある状態でした。

時代が変わり生成AIが足りない文章の書き方を

教えてくれるようになりました。

私の文章にはchatGTPを使用しています。

それでも良ければぜひ視聴して頂ければ嬉しいです。

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