表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/63

14

ご意見

【白井さんがコメヤを覚えた。知能が1増えた】

【コメヤかぁ、一度行ってみたいな。白井さんは行きますか?】

【そろそろだれか、甘納豆教えてあげて!腹がよじれる!面白すぎっ!】

【一日中モーニングが名古屋ではあるんだから、食堂でも営業時間内一日中モーニングしてくれてもいいんじゃないかな?】

【モーニングいいなぁ】

【納豆カレー!売店で納豆買ってきて、食堂でカレー注文したらできるじゃねぇか!今度やってみる!】

【必要がないはずはない。ライバルは必要だろう?】

 

「そういえばチーフ、学生相談室って何時から何時に開いてるんですか?帰りに寄るといつも閉まってるので」

「ああ、学生相談室ねぇ。まぁ、好きな時間に出てきて、適当に帰ってるかもしれないねぇ。」

 え?

「重役出勤うらやましいわ」

 重役出勤?

 学生相談室が?

 寄せられた相談の紙にさえ答えていれば、部屋にはいなくていいってことでしょうか?フレックス勤務?

 謎すぎます。

 謎といえば、あのイケメンこそ、3号棟の2階に何の用があったんのでしょうう?

 会議?というにはほかに人いなかったようですけど。

「そうそう、学生からずいぶん人気が出てきたみたいだね。同じような内容のものならまとめて返信してもいいからね。それから、モーニングの件だけれど、ちょっと導入を検討しようかっていう話が出てきたよ。ただし、飲み物に無料で付けるのは無理だから、100円くらいでトーストとゆで卵を追加で頼める感じで。いくらになるのか、何を付けるのかはまだ検討段階。意見があればご意見箱にって書いてもいいそうだよ」

「へー、そうなんですね!ご意見箱に寄せられた意見で、物事が動くのって学生たちもうれしいでしょうね!ただ何度意見や相談を寄せても、何も変化しないのでは、だんだん何も言いたくなくなるでしょうし」


ご意見

【白井さんがコメヤを覚えた。知能が1増えた】


返信

【ありがとうございます。皆さまのおかげで知能が上がりました】


 で、いいのかな。うん、誉め言葉にはお礼です。

 でも、この場合は知能なのかな?知識じゃないかしら?指摘するのは失礼かな?

 どうしましょう。

 うーん。


 こすると消えるボールペンで書いた文字を消す。


返信の修正

【ありがとうございます!皆様のおかげです!これからもいろいろ教えてください】


 知能という単語には触れないことにします。……と、それにしても待てってください?

 ご意見募集なのに、いろいろ教えてくださいじゃぁ趣旨が違ってしまうのではないでしょうか?

 一応学生との交流も目的としているとはいえ……。どうしたものでしょうか。

 誠意、誠意。誠意のある返答とは何か。


【いただいたご意見を大切に、こちらもできる限り勉強し、努力いたします】


 と、書き加えます。

 そうそう。食堂改善のための勉強だと思えばいいわけです。我ながらうまいこと書けました。


大学への申し送り

【学生からの情報により成長の可能性あり】



ご意見

【コメヤかぁ、一度行ってみたいな。白井さんは行きますか?】


 あれ?私に対する個人的な質問が来ましたよ。

 食堂を中心とする大学側へのご意見募集なんですけどね。


返信

【個人情報はお教えできません。申し訳ございません】


 よし。これでいいですね。

 個人情報って便利な言葉です。こう書いておけば、私に対する質問を書く人もいなくなるはず。

 とはいえ、ちょっとこれじゃぁ冷たすぎるでしょうか?

 誠意、誠意。

 よし、困ったときは絵をかいておきましょう。ウサギがぺこりと頭を下げている絵。

 あれ?頭を下げる絵ってむつかしいです。

 しかも、耳って頭を下げるとどうなるの?おや?えっと、……これで、大丈夫かな?


 大学への申し送りは特になしと。


ご意見

【そろそろだれか、甘納豆教えてあげて!腹がよじれる!面白すぎっ!】


 腹がよじれるくらい、面白いこと書いたかな?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ