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第五話 技術者誘拐事件と八頭ノ葉組

 「かの者の背負う運命と宿命は残酷と悲運、そして護る者。人の荷にはとても負えず、それでも立ち向かう男。その抗う姿勢にこそ、真の美しさがある。(八紋堀影宗)」



 日之国の領主、夜乃一を助けた後天日城に迎え入れられたハーネイトたち。情報交換をしながら、一夜を明かす。その中で敵側にも不協和音とも見れる動きがみられる。そして夜乃一はハーネイトに仕事の依頼をする。それは最近技術者が誘拐されていることについてであり、その人たちの救出を依頼された彼は、諜報員の助けも借りつつ実行犯がいるとされる建物を突き止めるのであった。

ハーネイト遊撃隊 5


 日之国の領主を助けたハーネイトたちは、日之国の城「天日城」へと案内された。旅の疲れを癒し、領主と情報共有、そして同盟を結ぶことにした。その後夜之一からの依頼で失踪者捜索を引き受け、その調査中、同じく調査していた吉田川と会い、八頭の葉組の企みを知る。彼らは未然に防ぐことができるだろうか。


----------------------------------


ハーネイトらは、城内に入るとすぐに城の者に案内をされた。以前城に案内されたことのあるハーネイトはともかく、異国の者に説明をしなければならないことがあるからだ。


「よくぞお越しになられました。そして殿の命幾度も助けてくださり誠に有難う御座います。では早速、部屋と風呂に案内いたします。」

「いやいや、たまたまだ。とにかく良かった。私はともかく、後ろの二人に温泉を案内してあげてくれ。部屋は何処に行けばいいか教えてくれるか?」


 水色の袴を着ている男がハーネイトの目の前で正座し一礼する。彼の名は新城原・田所誠と言う。ハーネイトが過去に天日城を訪れた際も城内の案内をした、城のことを知り尽くしている案内人でもある。身なりこそ質素で、表情も穏やかだが、これでも八紋堀に劣らぬ戦闘凶であり、爽やかな印象とは別の顔をたまに見せることがある。


「はっ、ではお二人を案内いたします。ハーネイト様、4階の大広間に向かってください。場所はお分かりですか?」

「ああ。そこの階段から行けばいいはずだったな。」

「はい。大広間でしばらくお寛ぎになってください。すぐに使いの者がお茶とお菓子をお持ちいたします。」

「わかった。ありがとう。」


 ハーネイトはコートを脱いで、腕に持つ。そして屋内をぐるっと見渡す。あれから6、7年経つが廊下や壁などの手入れが相変わらず良く行き届いていると彼は感心していた。


「温泉か、機士国にいた時に読んだ本で知ったが、中々いいものらしい。気になる。

「これがお城ですか。いい場所ですね。」

「はは、そうですか。それは何よりです。では私についてきてください。」


田所は二人を案内して、2階にある城内大浴場に案内する。それをハーネイトは見届けてから階段を上り4階の大広間に向かう。


「そういえば田所さん、このお城はいつからここに在るのですか?」

「このお城、天日城は61年くらい前に建てられたものであります。10年もの歳月と、協力してくれた多くの労働者の手により堅牢な造りとなりました。

「それは歴史の授業で習ったなあ。他の地域にある城とは大きく異なる作り、数々の防衛設備、難攻不落の設計、子供ながらにあれは驚愕したな。俺の地元はそういう仕組みを持つ建物はなかった。」

「リシェルさん、でしたか。元から攻めづらい地形にある機士国と違い、山や平地の多いこの国は、他勢力からの襲撃や侵攻が絶えなかったのですよ。昔から伝わる別の世界の技術と合わせ、攻められにくい形や機能にしています。」

「おおう、場所変わればまた違う面がたくさん見られるなあ。勉強になるぜ。」

「確かにそうですな、っと、着きましたよ。」


 天日城の内部には、100人近くが入れる大浴場や、最新技術を生み出す研究所、数十万冊にも及ぶ書類庫など、多様な設備が設置されている。城と言うよりはすでに要塞と化しており、隠された機能が存在するとも言われている。そして田所は、大浴場の説明とマナーを二人に教えた。


「マナーですね、気を付けないと。」

「そういうものか、了解した。では前から期待していた温泉を楽しもう。いやあ、故郷にはこういったものがなかったから新鮮だぜ!エレクトリールもそうだろ?」

「はい。確かに、私の星にもこのようなものはありませんでした。今のうちに、様々な体験をしておきたいですね。」


 田所は二人に軽く挨拶をしたあと、ハーネイトのいる大広間に向かう。リシェルとエレクトリールは更衣室で服を脱ぐ。その時に事件が起きた。リシェルがエレクトリールの体を見た瞬間、体が固まってしまったのだ。


「どうしました?」

「お。おまっ!女だったのか!!」


 リシェルの指摘にもエレクトリールは全く動揺していない。彼と思っていた存在が、彼女だと分かり狼狽するリシェル。どうも彼女は着やせが激しいようで、体を締め付けるボディスーツと、顔立ちや髪型で、中性的な見た目になっていた。これが周りが勘違いする原因となっていた。

 これについては彼女が意図的に行っていたものであり、軍人になるときに男装して入隊し、それがそのままばれなかったという経緯がある。彼女はどうしても軍の司令官になりたくて、そのような選択肢をとったのである。そしてそのような生活が続いていたため、自身が女であることを完全に忘れていたのであった。


「あ、すみません。事情で男装をしていたので、ついうっかり。」

「うっかりにもほどがあるわ!服を着て女湯に行け!」

「まあまあ、そう焦らないでよ。ほら、こうすれば見えないでしょう?」


 彼、いや彼女はにこっと笑いながら大きなタオルで体を包む。少しは話を聞いてくれよと言う感じでリシェルは呆れた顔をしていた。


「何か、衝撃がすごすぎて目が覚めた。てか恥じらいとかないの?ハーネイトさんには、女だということは伝えたのか?」


 リシェルは目を逸らしながらそう質問する。


「い、いいえ。初めて会った時から、なかなか言い出せなくて。」

「これはまずいな。」

「何がまずいのですか?」

「いや、なんでもない。」


 そういいながら、リシェルも服をすべて脱ぎ、手ぬぐいを持って浴場に入った。体を軽くお湯で流してから、温泉にゆっくりと浸かる。リシェルがまずいと言ったのは、ハーネイトの有名な伝説、もとい噂話の一つにある女が苦手という一面である。もしエレクトリールが女とばれたら、ハーネイトさんはショックで死にかねないだろう。リシェルはそう考え、今まで以上に複雑な顔をしていた。そして女湯に行けといったはずなのにエレクトリールが何食わぬ顔で、体を布で包んだまま入ろうとしてくる。


「あのさ、タオルとか身に着けて入ってはいけないはずだよね?」

「でも、そうしないとリシェルさんこまるでしょう?」

「だーかーら!早く女湯に行け!」


 リシェルの叫びが浴場内にこだまする。エレクトリールはなぜかぶつぶつと不満を言いながら、仕方なく女湯に入りなおした。しかしリシェルの直感は大したものである。もし彼女を湯船に入れようものなら、彼は確実に感電死していたからである。


「さすがに、心臓に悪すぎる。はあ…。折角の温泉も、楽しめないぞこれ。ぐすん。」


 彼はエレクトリールのことが気になって、温泉を楽しむ余裕をなくしていた。そして浴場で起きた事件をよそにハーネイトはというと、


「はあ、やっと休める。少しだけ寝たいところだが。」


 今にも部屋の中で寝そうな状態だった。無理もない。ゲルニグを仕留めたあの大技はイメージ力に加え、遥か先を見る力と併用したものであり、かつてリンドブルグを襲った災厄に対し使用した以上に、高等なテクニックを用いて行使している。その反動で精神力が疲弊、つまり心が疲れているのだ。そこに田所がやってきた。


「おやおや、珍しいですね。ハーネイト殿は眠たそうですな。邪魔をしましたか?」


田所が彼の状態を気遣う。普段ならばどんな時でもしゃきっとした状態を見せている彼がだるそうにしていたからである。それに対し、少しぼんやりした調子でハーネイトが答える。


「いや、それは構わない。しかし依頼に調査にてんてこ舞いでな、さすがにしんどくなる。」

「風の噂であなたのご活躍は聞いていますよ。6年前のあのときから、更に名声と力を世界に響かせていますね。あと断れない男第一位というのも。」



「最後のは余計だぞ。結果がそうなったと言うだけだ。おかげで最初の頃よりは格段に仕事はやりやすいが。」

「名が知れ渡る、いかに大切かよくわかりますね。しかし今回はどのような用件でこの日之国に来られたのですか?」

「ああ、それは。」


ハーネイトが質問に答えようとしたとき、部屋のふすまが開き、着替えた夜之一領主が入ってきた。


「ぬ、話の邪魔をしたか。」

「いえいえ、ちょうどいいところです。夜乃一王。」

「それならいいのだが、今のうちに聞きたいことがあるのだがよいか?」


夜之一が専用の席に座り、部屋の中を見渡す。


ハーネイト: はい、それで質問とは。


 それに対して、夜之一が複雑な表情を見せながら口を開く。


「機士国の話は知っておるかの?」

「ええ、はい。」


 夜乃一は、クーデターが約3か月前に発生したが、その事件の裏に、怪しい組織の存在があるということを持ち出し、それについて知っているかを聞いた。


「はい、青嵐殿。今回の旅もその調査とその組織に占拠された機士国の奪還作戦が目的です。国王から依頼を受けて行動中です。」

「と言うことは国王は無事なのだな?」

「その通りです。私とエレクトリールが保護しました。」


夜之一はその言葉を聞いて胸を撫で下ろす。


「そうですか。機士国王様がご無事で、私も安心しました。それと、実はこの日之国でも不審な組織の存在があるのを確認しております。」

「そうじゃ、そこで秘密裏に特別部隊を派遣し調べたら、この紋章を発見したのだ。八頭ノ葉らの拠点でな。」


夜之一は田所に紋章を見せろといい、田所は服の中から、一枚の紙を取りだしハーネイトに見せる。それは、前に見た敵組織の紋章とわずかに形が違うが、99%その組織のものであった。


「ああ、これだ。機士国の兵器が襲ってきた件で見たやつと一致しているな。間違いないだろう。同じ組織が一枚噛んでいるかもしれない。DGだ。」


ハーネイトが目を細め、難しい顔をしてそれをじっくり見る。今まで見てきた国や物を思い出しながら、新たな共通項が存在するかを考えていた。


「DG、か。約20年前くらいか、この星に来た奴らがまた来ているのだな。」

「青嵐殿は何かそれについて知っているのですか?」


 ハーネイトは夜之一の言葉に反応する。今この星を襲っている連中が以前にも来たことがある、その事実を彼は知らなかった。DGが依然訪れた際ハーネイトは推定6歳前後であり、師匠で父でもあるジルバッドが死んだ時期と重なるのであった。それを思い出し、師匠が死んだのはその連中と戦ったからなのではないかと考えた。それは事実であり、押さなかったハーネイトにジルバッドがただ一言だけ言い、その後二度と帰ってこなかったのである。その時の彼の後ろ姿だけは、今でも記憶から離れなかったという。そして師匠の死後、彼の元を訪れた謎の黒い男に連れられとある剣士の家に預けられたのだが、その男に支障のことを尋ねてもほとんど答えることがなかったことも思い出す。


「あの戦いは凄惨なものだったといえますね。敵に寝返った魔法使いによりこちら側の前線を崩され、窮地に至ったという記録が当時の資料にありました。」


 田所はそう説明し、当時のことについて思い出しながら他にも話をした。


「もしかすると、以前の時以上にひどい状態になりうるかもしれません。が私たちも調査し続け、彼らは今弱体化しているという情報を耳にしました。」


 その話を耳にして、先ほどの件も含め驚いていた彼はお茶を一口飲んでからその事実について確認する。


「それはどういうことだ、敵の戦力が思ったよりも少ないということか?」

「少し違うが、DGと言う組織はこの星に攻め込んで以降、急速にその活動を衰えさせていると。真実かどうか定かではないが、別の組織がDGの邪魔をしているらしい。」


 夜之一の説明を聞き彼はその組織に興味がわく。


「さすがにそれ以上は把握できていないが、幾つもの星を食いつぶしてきた非道な宇宙人たちに引導を渡す機会なのかもしれぬな。」

「そう、ですね。どうにかして、早期決着したいものですがね。」


 そう言いつつも、表情が穏やかでない彼を見た夜之一が疑問に思う。


「どうした、いつになく元気がないぞ?あの伝説のようにどーんといけばいいだろうに。」

「以前よりも力が出なくて、1人で無双するのは今は辛いです。正直あの時あれも使いたくなかったですし…。」


 彼のその発言について2人が質問しようとしたその時、八紋堀とリシェル、エレクトリールが戻ってきた。


「温泉って最高だな。疲れが一気に吹き飛ぶ。(ああ、なんて言おうか。やはり言えない。)

「そうですね。わかります。遅れてすみません。ただいま戻りました。」


 2人はハーネイトに話しかける。リシェルの表情がおかしいのを見て、ハーネイトが尋ねる。


「リシェル、大丈夫か?のぼせたのか?」

「え、ええ。気持ち良すぎて、長く入っていました。(あれをもしハーネイトさんが見たらと思うと、胃が痛い。)」

「そうか。程々にな。」


 リシェルは少し嘘をつきつつ、先ほどの件についていうべきかどうか悩んでいたのであった。


「もう他の方は揃っていますか。夜之一様、宴の準備をしてもよろしいですか?」


 八紋堀も大広間に来て、全員が集まっているかを確認していた。


「ああ、では頼むぞ。」

「はっ、すぐに支度をしに参ります。」


 一旦八紋堀が部屋の外に出る。そして数分後、数名の着物を着た女性が、食事や飲み物を運んできた。今まで見たこともない料理の数々にリシェルが目をキラキラさせていた。


「す、すげえ。これが日之国の料理か、実物は初めてだな。」

「すごいですね。とても美味しそうです。」

「うむ、準備はいいかの?皆のども、遠慮なく食べて飲んでくれ。」


夜之一の一声に続き、全員で乾杯をする。新鮮な魚や肉などが並び、まさに宴というべきか、豪勢な料理を食べながら話をする。


「相変わらず美味しいな。魚がうまい。口の中ですっととけ、臭みが全くない。心が洗われる味だ。」


 ハーネイトは、胡坐をかいて、新鮮な川魚の刺身を箸で口に運ぶ。


「近くを流れる五戸野毛川からとれる魚は、魚質が非常によいのでな。鮮度の良さがわかるか?リシェル殿?」

「確かに今まで食べた魚とは違う風味だ。驚きだ。機士国の魚はどこか雑味があるというか、揚げないと食べるのが難しかった。」


リシェルは、自国で食べた料理と比較して、日之国の料理がどれだけおいしいかを舌で堪能していた。

 

「日之国は食糧も資源も豊かな国での、住みたい国の調査でいつも上位にいるのだが、理由がわかるだろ?」


 夜乃一がやや得意げにそう話す。実際ここまで整備され賑わっている国は惑星全体でも少なく、多くの人が集まりやすい場所となっているのだ。これも、夜乃一王による政策や改善によるものであり、その手腕はすべての家臣から歴代で最高の領主だと言われている。


「確かにそうですね。良いところです。城下町を見てもわかりますね。故郷とは違う良さがあります。」

「ほほう、わかるかの。そういやそなた、機士国の出身と聞いたが、クーデターには巻き込まれなかったのか?」


リシェルは夜之一と話をし、質問に少し間をおいてから答える。


「私はクーデターの始まる一年ほど前に旅に出ていたので巻き込まれませんでした。」

「そうか、それで旅とは?」

「ハーネイトさんのような解決屋になりたくて旅に出ました。そのなかでハーネイトさんに出会い、機士国の件も含め今は同行中ということになりますね。」

「そういうわけか、ハーネイトが人を連れていた理由はわかった。」


 以前から一人で活動している姿しか確認していなかった夜之一は改めて、今仲間を連れている状況下について確認した。それはもしかすると、先ほど彼が口に出した話と合わせ何か裏があるのではないかとも夜之一は考えていた。


「それとエレクトリール、だったな。そなたはどこから来たのだ?」


 次に、夜乃一はエレクトリールに質問する。 


「はい、私はこの惑星の外からきました。住んでいた星がDGと呼ばれる勢力に襲われ命からがらこの星にきました。そして重傷を負ったところをハーネイトさんに助けていただきました。」

「そう、か。それはさぞ大変だったであろうな。しかしお主、男の割には色気と言うかなんというか不思議な雰囲気を出しておるな。」

「え、ええ、まあ。故郷には今帰れない状況ですが、帰れる時までハーネイトさんの側にいようと思っています。」


 エレクトリールがそういうと、夜之一の表情が少し嬉しそうになる。


「そうだな、その時までハーネイトの力になってくれると私からしてもありがたい。」

「はい、そのつもりです。」


 この時夜之一は既に、ハーネイトの異変にある程度気づいていた。しかしその異変が思ったよりも彼に影響を与え、力を封じているのかまでは漠然としていたが。だからこそエレクトリールが彼の支えになるという言葉に安心していたのである。夜之一とハーネイトの親交も長く、1人の友人として彼を心配していたのである。


「仲間、か。確かに今回は事も事だけに以前とは違った立ち回りを要求されるな。」

「確かにそうだが、お主色々と無理をしていないか?」


 夜之一の質問に一瞬ハッとするも、彼はすぐに取り繕いそれを否定する。


「そうか、だがハーネイトに今倒れられるといろいろ困るからな。無理せず申し出よ。」

「は、はい。」


 ハーネイトは短く返事をする。実際に魔法とは違った異形の能力の使用が体に負荷をかけていたのは事実である。しかし彼は使命感と言うか、期待されていることを理解して無理してでも体を動かそうとしていたのである。それについては理由が幾つもあるが、彼はあることを恐れていたという。

 その後も2人は宇宙人の存在について、世界の広さを再度知ることになる。そして機士国を今の状態にした宇宙人たち、DGについて話が進む。


「となると彼らの侵攻はそれなりに進んでいると見て間違いないだろう。こちらの掴んだ情報では、機士国の存在する西大陸はほぼすべて、敵の占領下にあると考えられる。ほとんど彼らの手に落ちるとは驚きだ。」

「奴等の占領スピードの速さは異常だ。このままでは東大陸もじきに魔の手が襲い掛かりそうだ。だからこうしてともに戦う仲間を集めているのだがな。」


 ゆっくりとした口調でそう話すハーネイト。それを聞き夜之一は懐から手形と手紙を取り出すと、ハーネイトに渡す。


「これは一体、夜之一領主。手形ですか?」

「ああ、そうじゃ。日之国は他国とも交流を活発に行っている国だとは分かっているだろう?これがあれば同盟国において支援を受けられる。まだ占領されていない地域ならば、有効に機能するはずじゃ。わしらも直々にそなたらの支援に回るが、作戦の道中でも役に立てばと思っての。」

「有難う御座います。」


ハーネイトはゆっくり静かに礼をする。


「今回の一連の事件、出来事は見過ごせないからの。事情と事実を知れば尚の事だ。それと、機士国王を助けてくれてありがとうと言っておく。彼の行方を追っていたが判らなくなっていてな。国としても感謝する。」

「いえいえ、仲間の協力あってこその結果です。みんなが力を出して支えてくれるからこそ、最悪の事態を防げたのです。」


 夜之一は改めて礼をし、それにハーネイトが答える。


「はは、お主はいつも謙虚だな。それがいいところではあるが。」

「私らもハーネイトさんを実際に見て、側にいてわかります。ハーネイトさんの人柄がここまで名を知らしめるのではないかと。」

「恥ずかしいぞ、ったく。」


ハーネイトは恥ずかしくて照れ隠しして、料理を口に運ぶ。


「えへへ、では冷めないうちに、と。」


エレクトリールがその容姿に反して大食いであることに全員が驚くも、その後も全員で食べて飲み明かし、一晩を城の中で過ごした。


 翌朝、ハーネイトが朝風呂に入り、上がったあと部屋に戻ると、八紋堀から、夜之一王が個人的な話があると言われた。それを聞いて彼は急いで階段を駆け下りて、2階の書物庫に足を運んだ。リシェルとエレクトリールはその時、まだ仲良く2人で寝ていたのだった。


「相変わらず膨大な書籍の量ですね。」


 ハーネイトが、書物庫に入り、辺りをぐるっと見渡す。10万冊以上にも及ぶ、この日之国の歴史の本や料理、文化の本などが所狭しと、本棚に並んでいる。以前彼がこの国を訪れた時も、一週間かけて書物庫の本を半分ほど読んだのだが、それでも古代遺跡のことについて重要な手掛かりはそこでは掴めなかった。その代わりに、魚料理の本や釣りの本を読み興味を持ち、新たな趣味が増えることになった。


「ははは、お主が離れたあとも収集していたからの。で話だが、一つ依頼を引き受けてくれぬか、ハーネイトよ。」

「構いませんが、何かあったのですか?わざわざここまで呼び出して。」

「ハーネイトよ、鍛冶屋の鉄蔵は覚えておるか?」

「ええ、覚えていますよ。彼の作った道具類は、非常に丈夫で私も高く評価しています。しかしその素振り、もしかしてその鉄蔵に何かあったのですか?」


 ハーネイトは、かつて小道具を作ってもらった鉄蔵のことを聞く。何でも、半月ほどから連絡が取れず、家族からも捜索願が出ている状態だと、夜乃一王はハーネイトに説明する。そして、鉄蔵の家の近くに、このようなものが落ちていたと言い、 夜之一はハーネイトに落ちていたカードのようなものを見せた。


「これは、魔法の紋様、魔脈と、何らかの魔物の絵柄か。これが落ちていたと。」

「ああ。なにか心当たりはあるか?」

「これだけでは難しいが、これを探せば鉄蔵の元にたどり着ける可能性はある。調査しましょう。一旦カードを私に預けてくれますか?」

「分かった。では頼んだぞ。報酬の方を用意しておこう。しかし、訪ねたいことがある。」

「はい、なんでしょうか?」


 夜之一の声のトーンが低くなり、ハーネイトもやや声の調子を下げつつ返事をする。


「ハーネイトよ、お前は人間は好きか?」

「は、はい、それはそうですよ。」


 いきなりの質問に言葉をやや詰まらせながらも肯定の返事を返す。


「本当に、そうか?あれだけ1人が気楽だと言っていたお主がな。」

「それは、確かにそういうときもありましたよ。……本当は、一人ですべて片付けたいと思っていますがね。」


 不意に本音を出すハーネイト。彼自身長い旅をしてきた中でいいことばかりではなく、時に恐れられ嫌な仕打ちを受けたことが何回もある。彼の体には人知を超える秘密が隠されているものの、心自体は人そのものであり、また感性についても、普通の人よりも純粋で少し傷つきやすいところがあった。周りから英雄として期待される半面、恐れられ嫌われたこともあった彼の心はこの時限界に近付いていた。それをまかりなりにも見抜いた夜之一は気になって質問したのである。


「すぐには解決できないこともある、か。前々から人間離れした力を持っているとは感じていたが、それなりに苦労もあっただろう。そうではないのか?」

「……そう、ですね。」


 少し黙り込んで、そう答えるハーネイト。それに夜之一が言葉をかける。


「私はな、お主にもっと好きにやってほしいと思っているのだ。」


 夜之一は薄々ハーネイトが何か人とは別の存在ではないかと感じていたのだ。普段巧妙にそう悟られないようにしている彼を見抜いていた。だからこそ、気楽にやってくれと言葉をかける。自分の信じた道を進めばいいとハーネイトにそういった。


「好きに、ですか。それで嫌われたら?」

「そのときはそのときだ。あまり考えていても進まないときはある。それに私はハーネイトが人の道に外れたようなことは決してしないと信じているからな。それだけは伝えておく。」


 彼なりに言葉を選びつつ、ハーネイトを信じているから嫌いになることはないとそう伝えた。


「ありがとう、ございます。自分なりに答え、考えてみます。」


 まだ表情は暗いものの、彼は顔をあげ夜之一の顔を見る。


「すぐには見つからないかもしれぬが、この度でも何かわかることがあればよいな。そうだったな、このカードだ。仕事の方をよろしく頼む。」


ハーネイトはカードを受けとる。そして夜之一は書庫の中に入る。ハーネイトはその後肩にかけていたコートをふわっと羽織り、刀を腰につけると城の外にでて早速鉄蔵の家に向かう。


「あのカード、妖気というか邪悪な気配をを放っていたが、やはりただものではない。何か裏があると見ていいな。」


そう考えながら、10分ほどでハーネイトは鉄蔵の家についた。家の中に人気はなく、もぬけの殻のようだった。


「さて、うっ、な、何だ。ガスかこれ。」


ハーネイトはすかさず外に出た。鉄蔵の家の中には、まだ残留したガスが残っており、危うく吸い込むところであった。別にガスを吸い込んでも、ハーネイトに毒の類はイジェネイターの固有能力により問題はない。だが彼は一応警戒して回避行動をとった。


「しかし、内部を見た限り荒らされた形跡はなく、おそらく鉄蔵はガスで眠らされ、誰かの手により連れていかれた。ということになるな。問題は誰が何のためにだが。」


ハーネイトは家の周囲を見て回る。1つの証拠も逃さないように、目に力を入れて血眼になって家を確認する。


すると、玄関先の周辺で見慣れない装飾品を見つけた。拾って見ると、小さく八頭の葉組 波伴遠雷 と書いてあった。


「思いっきり証拠品がある。敵さんも間抜けとしか言いようがないぞ。つまり行方不明事件と八頭の葉組について関係性がありそうなのは確かだ。」


ハーネイトは次に聞き込みを行った。鉄蔵の向かいにある家の住民に話を聞く。半月前に何か不審な人物を見たかと、住民たちに聞いて回る。

 それによると、約10日前に、八頭ノ葉組の籠が鉄蔵の家の近くに来たという。しかも落ちていた装飾品を見せると、住民の1人が答え、それは八頭の葉の組員を証明する代物であることが分かった。


「ハーネイト殿、八頭ノ葉組には、どうかお気を付けなされ。最近のやつらは以前よりも過激さが増しておる。それと、八頭ノ葉を追っているものが、この区の外れに居ります。珍しい2階建ての建物なので、見ればすぐに分かります。尋ねてみてはいかがでしょうか?」

「どうもありがとうございます。気を付けておきます。」


ハーネイトは更に、先ほど話をした住民に教えてもらった家を訪ねる。すると一人の男が現れた。


「誰だ。」


男は威圧するように部屋の奥からゆっくり出る。彼の名前は吉田川修造という。日之国の特殊部隊「影陽」の諜報部員であり逆だった、茶色の髪と、着崩した薄茶色の着物が印象に残る。


「ハーネイトです。久しぶりですね。住民の方から八頭ノ葉組について詳しいと聞き訪ねてきました。」

「おお、ハーネイトか。久しぶりだな!風の噂に聞く、解決屋になったと。一杯飲みながら話をしたいところだが。その時間はなさそうだな。」


 吉田川はハーネイトの顔と声を聞いて表情を柔らかくした。


「そうです。実は夜之一領主からの依頼で。」


 ハーネイトは一連の流れを吉田川に説明した。


「そういうことか、しかし密偵のことがなぜ住民に。」

「確かにそうですね。しかし、それで吉田川のいる場所が分かりました。」

「まあいい、おかげで強力な助っ人が来てくれたのだから、気にしないでおく。しかし、誘拐事件と八頭の葉に一連の関係があるとはな。確かにこの町内で2人行方が分からんのだ。鉄蔵の他にもな。」


 吉田川は、改めて事件の詳細をハーネイトに教えた。それについて、誘拐された人に関する共通項が何かないか、ハーネイトは確認する。


「その人たちに、何らかの共通項はありますか?同じ職業とか、趣味とか。」

「確か一人は元カラクリ兵器工場の幹部、もう一人は輸送用カラクリで働いていたという。御用警察も動いているがまだ見つからないらしい。」

「二人ともカラクリ、鉄蔵は鍛冶屋。機械系の工学に詳しい人ばかりだな。」

「一体何を企んでいるのか。しかしカラクリ、カラクリ…あ。」


 吉田川の表情が固まる。何かを思い出したようだ。


「どうした?」

「今から一ヶ月ほど前に、私が見つけ出した彼らの秘密拠点と思われる場所に、大型の機械が運び込まれたと。しかも話によれば古い戦闘用カラクリらしい。」

「つまり、やつらは誘拐した技術屋集団の手で、古いカラクリを直して何かやる予定かもしれない。」

「だからカラクリを直せそうなやつらを誘拐した、ということか。」

「ありえるな。しかも戦闘用のカラクリか。さらに、夜乃一王から聞いたが、八頭ノ葉は今の政府の体制に不満があるという。それに謎のカード。怪しい要素が満載だ。」

「ん?カードだと?いま持っているか。」


ハーネイトは吉田川にカードを一旦渡す。


「お主、これはあかんやつだ。どこで手にいれた?」

「手に入れたも何も、依頼を引き受けた際に夜之一領主から預かったものだ。此れの調査も平行してやろうとおもったら、このような事態になった。」

「そうか、私も人伝の話だが、このカードという代物は、人を魔物に変える物らしい。潜入捜査の時に、見慣れない茶髪の軍服の男と八頭の葉の幹部らしき人物が話をしたのを聞いた。報告しようとした矢先にハーネイトが来たからまだ伝えてないぞ。」

「話が本当なら、かなり嫌な話だな。仮にその茶髪の男がDGだとすると、日之国も危ないかもしれん。」

「ああ。そうだ、今日は八頭の葉組は会合があった日だ。夜に隠れ家に強襲を仕掛ける。それまでに急送便で事の次第を夜之一様に伝える。ハーネイトも出来れば仲間を呼んだ方がいい。飛倉から話は聞いた。」


そういうと、吉田川は手紙を急いで書く。それを見てハーネイトも、携帯端末でリシェルに連絡を取る。


「はい、ハーネイトさん。夜之一様から話を聞いていましたが、いま何処にいますか?」


 リシェルは先ほど起きたのか、眠たそうな声でハーネイトにそう言う。


「かしこまった話し方しなくてもよいぞ。今依頼を受けて調査中なんだが、夜之一様直属の密偵と会ってその家にいる。そして誘拐された人たちがいる可能性のある建物を特定した。」

「そうですか、私たちも向かいましょうか。」

「南門方面に物見櫓があるはずだ、そこで上から監視を頼む。場所は発煙弾で知らせる。」

「分かった。突入するなら連絡を先にお願いします。支援は任せといてください。」

「ああ。では所定の場所に。」

「分かった。」


ハーネイトは電話を切った。電話を受けたリシェルは、エレクトリールに声をかける。


「エレクトリール、話は聞いているか?」

「はい、ハーネイトさんの声が聞こえました。南門の櫓に向かいましょう。夜之一さんに言ってきます。」


エレクトリールが夜之一に内容を伝えるため部屋を出ると、リシェルは銃を担いで城門まで向かう。そして仕事中の夜之一に、エレクトリールはハーネイトからの連絡を伝えた。


「分かった。実は密偵からもたった今速達の手紙が来てな、恐らく狙いは私のいる城だろう。運び込まれたとされる兵器は恐らく、対城用の可能性が高い。ハーネイトとお主らで、奴等の謀略を阻止しろ。こちらも有事に備え召集をかけるが時間がかかるゆえ、お主らが頼みの綱だ。」

「分かりました。南門の櫓まで向かう必要がありますが、使用して構いませんか?」

「それは問題ない。ここから歩いて10分ほどのところにある。それと八紋堀、案内をしてあげてくれ。」


 夜之一は八問堀に声をかけ、案内をするように指示する。


「はっ、ではエレクトリール殿。私についてきてください。」

「分かりました。案内をお願いします。リシェルさんは既に城門の方に向かっています。」


エレクトリールと八紋堀は部屋を出て、城門で待っているリシェルと合流後、櫓に向かった。一方で、ハーネイトと吉田川は八頭の葉の隠れ家の近くまで来ていた。


「あれが、奴等の隠れ家です。すごく、でかいですね。」


吉田川は町外れの古く頑丈な建物に指さす。その建物はまるで工場のようで、煙突がいくつもある。その先端からは弱弱しく、灰色の煙が煙突からもくもくと風にたなびいていた。


「あれか、確かに中で機械を動かす音がする。建物の外観に反している感じといったところか。」

「そこまでもう分かるのか。頼もしいな。では、様子をうかがいながら、18刻丁度に突入だ。」

「ああ。こちらも発煙弾で仲間に知らせる。」


二人は建物の影に隠れながら、隠れ家を見張っていた。暫く監視していると、数名が辺りを気にしながら建物の中に入るのを確認した。


「粗方人が入ったみたいだな。行くか。」


ハーネイトはポケットからペンを取り出すと、ピンを抜いて隠れ家の壁に投げ飛ばし突き刺す。すると、1分ほどして、ペンから赤い煙が静かに、モクモクと立ち上がる。


「発煙弾か。これなら仲間たちも場所が分かるだろう。いいものだな。では行こう。」


二人は素早く隠れ家まで近づき、正面入り口にいた二人を背後から襲い気絶させる。


「まずはよし、では入る。」


二人は建物の中に入っていった。慎重に、しかし足早に建物内を進む。建物の中は薄暗く、物が散らかっていた。


「不気味な感じがするな。見た目の割に、人の数が少ない。それに奥から機械音が時折している。音も大分近い。あの階段を下ればいける。」

「わかった。あの階段だな?おっと、敵さんのお出ましだ。」


走っている二人の前に突然部屋から数十もの、八頭の葉組員が現れた。全員が刀を構えすでに臨戦態勢である。


「なにもんや貴様ら!勝手に入った奴はぶっ殺す。」

「もしや嗅ぎ付けられたか?」

「ここを知られたからには、生きて出られると思うな!」


厳つい形相の侍たちが全員、一斉に二人に襲いかかる。しかしそこは百戦錬磨の解決屋、ハーネイトは余裕な表情だった。


 ハーネイトはその場で軽く構え、腰に備えた根黒之御魂刀の柄をを軽く握り、居合い一閃でまとめて切り払う。吉田川もワイヤーつき十手を巧みに操り数人を捕らえ、気絶させる。


「なかなかの腕前だ。」

「お主もな。」


二人は敵を排除したあと、階段を降り、敵の幹部がいると思われる部屋に突撃する。


 それと同じころ、DGの元で研究をしていたボルナレロは他の研究員の目を盗み、拠点にあるデータをこっそりコピーしていた。


「ふう、大体終わったな。さて、どうしようかこれから。」


 その時、ボルナレロの背後から一人の女性が声をかける。


「ボルナレロ?少し話があるんだけど。」


 ハインレイシア・ルクレリス。彼女も同じ研究所のメンバーで、彼の上司にあたる。ボルナレロはハインレイシアの前に立つ。


「ねえ、拠点の移動の話なんだけど。どうする?」


 ハインレイシアは、ボルナレロに移動の話を持ち掛ける。さらに大きな研究所を、日之国の先にあるとある古城に設けたという。今いる拠点よりも設備がよく、多くの情報が入りやすいところであると説明する。ボルナレロは一瞬躊躇するも、ハーネイトにこの先会いやすい可能性と、さらに別の拠点でデータの回収ができると考え、二つ返事で了承した。


「では、準備を行うように。それと、あまり妙なことを考えてはだめよ?」


 ハインレイシアが、釘を刺すようなことを言いながら立ち去る。


「ククク、これはいい風が吹いているな。この機会を利用し、DGの計画をずたずたにしてやろう。正直こんなところにいるくらいなら、早くハーネイトに取り入れてもらえばよかったような気がするな。あやつの眼は確かだ。」


 ボルナレロはそう思いながら、薄ら笑みを浮かべる。彼の資産額がそれなりの大国が毎年計上する総予算と肩を並べるほどであり、それについて失念していたことを後悔していた。DGという組織はどうも別の星にある彼らの拠点から派遣されたものと、一部の機士国の人間を除き他の機士国人の総合的な士気が低く、組織として現状1つにまとまっていない状況である。

 

 実はこの事態を引き起こしたのはジュラルミンのせいではなく、以前この星を襲撃した際に敵側に寝返ったこの星の魔法使いの仕業であり、ジュラルミンは実は洗脳状態にある。しかしそれに気づいている人は皆無であった。しいて言うと、ハーネイトはジュラルミンの行動に疑問を抱いていた。野心家ではあるが、根は単純かつ理知的な男であるため、無策でこのようなことをするとは考えられなかったのである。実際ジュラルミンは国内でも評価は分かれていたものの、ハーネイトにとっては動かし方次第では優秀な人材となるという認識であった。また機士国にかつていた際にいろいろ面倒を見てもらったのがジュラルミンであり、割と側にいたため彼の本質は既に理解していた。それについてアレクサンドレアル6世と別れる前に話をし、既にエージェントを向かわせているという。もしこれが本当なら、やり方次第では早期決着も夢ではないと考え、今はその結果を待つだけであった。


 エレクトリールの秘密や、敵組織で叛逆の予感を見せる数名の人物、そして日之国を脅かす存在。ハーネイトは密偵とともに、誘拐されたとされる技術者たちを救出できるのだろうか?

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