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Different-eyes  作者: 八藤
9/11

第七話 オリジナル

今日は特に残酷な映写が目立つよ。注意してね。

「ぐっ…ガハッ…誰だッ…岸野の…仲間かッ…!?」


「仲間?んなもんじゃねえよ。

俺氏とコイツは今この場で出会った赤の他人同士でねぇ…

たまたま困ってたから人助けしてやった、ってだけの関係って訳だぜ。なぁオマエ?」


男は来矢の方を見ると、ニヤリと笑う。

そして…男の右眼は、オレンジに輝いていた。


だが、来矢はこの男に今までの様な違和感を覚えなかった。


「……助けてもらってすまない。」

来矢は男に感謝の言葉を伝えるが、男は聞く耳をもたずに喋り出す。


「ほう…お前は『オリジナル』か~!運がいいねぇ俺氏は!!

ククク…透明人間さんをブッ殺したら…次はテメエにさせてもらうぜ…」




…『オリジナル』?



どういう意味だろうか。



来矢にはそれが何を意味するのか、分からなかった。



「俺を…殺す、か。」


だが、来矢には1つだけ分かることがあった。




この男は…




今までの奴とは違う。




「さーてと、透明人間さんよぉ…

俺氏と1つゲームをしねえか?

逃げようとしても、全くもって無意味だぜ?」


男の視線は、"姿を隠して"逃げようとしていた沢見の方を見ていた。


「お前、な、なんで俺が分かるんだよ!?」

慌てて能力を解除し、再び姿を現す。


「そんな事はどうでもいいさ。

じゃあゲームのルールを説明しよう。

とても簡単なゲームさ。


お前を俺氏が殺したら…



俺氏の勝ちだ。



お前が俺氏を殺したら…



お前の勝ち。


どうよ?

ものすごくシンプルで分かりやすいだろう?

ククク…」


「フ……ふん…やれるものなら…


やってみやがれっ!!」


沢見がナイフを両手に持ち、男目掛けて走り出した。その瞬間、沢見の姿が【透明化ステルス】の力で溶ける様に消えていった。


「さあて…どこかなぁ?」

男が突然に脚を虚無に突き出す。


すると…その脚は消えていた"はず"の沢見の腹部に命中した。


「ぐぅ…ぁああ…」

沢見が苦痛の叫びと共に姿を現す。

「おーっと…そんなとこにいたのか~。

すまんすまん、ちょっと当たっちまったなぁ?」

男は「雑魚め」と言わんばかりに挑発を入れる。


「く…ならばこれだ…【魔術師マジシャンズナイフ】!!」

来矢戦の時の様に、数本のナイフを透明にし投げつける。

しかし…そのナイフは男には命中しない。

それどころか、男は投げられたナイフを全てキャッチしたのだ。

「なんだ?これ。ドッヂボールか何かかよ?笑わせんなよ、つまんねえぜ?」


「…何だと…!!」

思わず驚きの声を上げる来矢。


見えるはずのないナイフを全て避け、

それどころか全てキャッチする。

さらにその攻撃を「ドッヂボール」だと嘲笑う。


まるでその男にはー

全て"見えている"ようだった。


「よいしょ…これ、全部返してやるよ。」

男はキャッチしたナイフを逆手に何本か持つと、かなりの速さで走り出す。

その瞬間に沢見は能力を使い、透明になる。


「いくら速くたって当たらなきゃ意味ねえん…だょ…!?」

「当たっちゃった…ククク…」

ナイフが透明になった沢見の腹部に突き刺さる。

その光景はまさに宙にナイフが浮いている様であった。


「な…なんだよ…コイ…ツ。ど、どうしてぇ、俺の能力がぁ…効 か な い ん だ ぁ あ あ ! ?


「気づくのがオセエんだよザーコ。テメエの能力は俺氏には効かないっていう事実になぁ。

俺氏は【反能力アンチ】の超亜人でね…

お前の能力に対して『有利』な力を使うことができるんだよ。

今の俺には物を熱で判別できる力…

いわば赤外線センサーの様な能力が備わっている。

ナイフも体温で温まってたからねえ…すぐにわかったよ。

バリアーなんてものもあったなぁ。あれは俺の反能力で別の場所に消えてもらったぜ。ただの透明にした大きな鉄板だったな。


お前の技は全部お見通しさ。

つまり…

どんなに足掻こうが…お前は詰みってことよ。」


自分がすでに詰んでいる…

もはや沢見は戦意を喪失し、涙すら流していた。


「どうした?今すぐ命乞いしたら助けてやらんこともねえぜ…

病院もすぐ近くだからそのナイフの傷も治せるしな…

さあどうする?


生きる?



それとも…死ぬ?」


「い………命だけは………助けて…くれっ…

俺は……皆からは……

真面目で……いいやつだと……

思い込まれてるけど……

本……当は……

闇を……抱えて……生きてきたんだ……

だ……だけど……その"闇"を……

知った………やつらが………ガァッ………

俺は………そいつらを………殺さ………なきゃ………

腐ってる………世界を………

だから………俺ぁヴぁ…ぁああ!!生き……ギィ………グァアッ」






無慈悲な拳が、沢見を殺めた。






「バーカ。

嘘に決まってるだろ?

答えは『死』

これしかねえんだよ…」






来矢は…複雑な感情になった。

敵だったとはいえ…

本当に殺してよかったのか…

止めなくて…よかったのだろうか。

『とめて』

あのメッセージが頭を過る。






「さあて、お前の亜眼をもらうぜ。」


死んだ沢見のまぶたを無理矢理開き、持っていたナイフで亜眼をえぐりとる。

しかし、その眼は和人の時の様に黒眼に戻ってしまう。


「チッ…やっぱり偽物かよ。


まあいいや…



なんだかんだでオリジナルと出会えたんだ。



これも何かの縁だよなぁ…



岸野っていったか?



俺氏は篠谷伶斗しのたにれいと



挨拶代わりと言ったところだ。









早速だが…













オマエを殺すぜ。」

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