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Different-eyes  作者: 八藤
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第三話 激突 亜眼vs亜眼

「…誰だお前?殺されにきたのか?」


「残念だが不正解だ。友人を助けに来たっていうのがベストアンサーだ。

とりあえず…真島を離してもらう。」


岸野来矢だ。岸野来矢が…助けに来たのだ。

黄色の亜眼を輝かせて。


「フン…一度決めた獲物は殺すまでそいつだけをいたぶるっていうのが俺の主義だが…

まあいい、せっかく俺に殺されにきたんだぁ…

存分にもてなしてやるぜ…」


「…いらんもてなしだ。そういうのを『おせっかい』って言うんだ。覚えておけ…」


殺伐とした空気が流れる。

両者にらみ合い、どちらが先に行動するかうかがっている。


来矢は、この時すでに気付いていた。

和人が『自分と同じ様に亜眼あがんを持つ者』であるということに。

10年ぶりだろうか。

来矢が亜能力者と対峙するのは…


「さあて…遠慮なくぶっ殺させてもらうぜぇ!」

先に動いたのは…和人だ。

掌から鎖を4本だし、四方八方から来矢に襲い掛かる。

「クク…俺は鎖を操る【鉄鎖チェーン

の能力を手に入れた!こいつはな…手足から鎖を放出し…そいつを自在に操れんだよ!!」


4本の鎖は、それぞれ異なる動きをしながら迫り来る。

だが、来矢は余裕そうだ。

「なるほど…精密な動きも可能なのか…」

そして来矢はそれを全てーー


避けきれなかった。

いや…『避けなかった。』


4本の鎖が鞭の様にビシバシと殴りかかる。

「ぐっ…くそっ…」

「どうだ!俺の鎖は強力だろう?お前の体はどんどんボロボロになっていくぜ?ヒャハハハハハ!!」

来矢の体への負担が大きくなっていく。


「なら次はこいつだぁ!」

4本の鎖を束にし、先端を丸めて球体にする。

「ハンマーか…」

「その通りさ…【鉄鎖球撃チェーンハンマー】!!」


巨大なハンマーが腹部にぶつかり、数メートル先に飛ばされる。

「ぐああああっ…」

「口ほどにもねえクソゴミだったなあ…お前もここまでだ。」

ハンマーの先端の鎖でできた球体を拳と合体させ、そのまま顔面に殴りかかる。

「死ねぇ!!!」



一瞬の出来事だった。



和人の拳がーーー





空を切った。





「なん…だと!?」


「お前の動きはもう分かったぜ。」


「フンッ…黙れ!!」

脚に鎖を纏い、思い切り脚蹴りを食らわせようとするが、やはり当たらない。


「単純な動きだな。自分の能力に頼りきった闘い方だ…お前みたいな奴は俺には勝てないぜ…」

と煽りをいれる。

「黙れ…黙れクソゴミがぁ!」

怒り狂った和人は自らの掌から数十本もの鎖を出し、一斉に襲い掛かる。


「残念だが、数が多けりゃいいってもんでもない…」

今度は攻撃を完全に避けきると、鎖をつかみ、動きを制限する。

流れは完全に来矢がつかんでいる。

「口ほどにもないクソゴミだったなあ…なんてな。お前の言葉…そのまま返す。」


「グッ…クソがぁ!クソゴミがぁあ!!」



「お前も…ここまでだ。」


右手に着けていたゴム手袋を捨てる。


鎖を左手でつかみながら、和人に迫りよる。


来矢の右手に力が入る。


黄色の亜眼が一瞬輝き、



右手に電撃が迸る。



「なっ…!?てめえも……亜能力ちからを持ってたのかよ!?」



「最後の言葉がそれか…後悔するぞ。いいんだな?」



「ク、クソゴミがぁああああああああ!!!」




「「「「「「【閃雷拳せんらいけん】!!!」」」」」」








和人はその場に仰向けになって倒れた。

その時、彼の赤い亜眼が、黒い眼差しに戻った。





「安心しな…本当に殺しちゃいねえよ。死ぬほどの電圧じゃあねえよ…。」



そう一言呟くと、来矢は気を失っている真島を連れて、去っていった。

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