続・本ボシは誰だ? ━ 弓削さん刺殺事件 ━
「それでは・・また、
来週も必ず会えますように!
・・汐坊」
クリスマス直前スペシャル!
笹森 汐の『ラジオ哉カナ☆』は、
DJ 汐坊の余韻のある語り口で、フィナーレを迎えた。
最後に・・
早口でつけ加える。
「スペシャルサンクス・・『左の感覚』!
by ━ ユッP!
スタさん!
月吉選手!」
カフは静かに下ろされた。
生ドラマ 『めんちゃも屋』 を含む
レイティングのオンエアは、
大反響のうちに幕を下ろした。
<ギャラクシー賞の「ラジオ部門」は間違いないっしょ!>
など、
気の早い書き込みまであった。
番組制作者にとって、
意外だったのは・・
『めんちゃも』という言葉が、
年明け間もないうちに、
プチ流行語に化けたコトだ。
自分の殻を打ち破ろうとする行為を、
『めんちゃもする』
『めんちゃもチャレンジ!』
『めんちゃもアタック!』(理想の異性にアプローチすること)
『ダイエットめんちゃも!』
『受験めんちゃも!』
『就活めんちゃも!』
『めんちゃもオーバー』(高く設定したハードルを越えられなかった)
こんなふうに、
目標語と接着され、使われるようになったのだ。
━○━○━
立ち姿勢の里見の声が 半音 上がった。
「弓削 敦子氏 殺害事件の、真犯人は・・」
里見は、
うずくまった涼へ視線を向けた!
転じて、
興梠警部に目配せをする。
警部が・・「OKデス、入れなさい!」と、無線を飛ばした!
喫茶室の扉が開いた。
二人の刑事に連行された、
<真犯人>が・・姿を・・現す。
手錠をかけられ、腰縄が、巻かれていた。
一同 驚愕!!
「いや━━あ! 神様! ウソでしょう!」
悲鳴にも似た声を上げ、
両手で、
顔を覆う・・サユリ。
涼は、
現実逃避・・
対象から顔をそむけた。
奥さんは失神してしまった。
愕然とした表情のオーナー。
極限まで目を見開いた、
南平が、
声を絞り出した。
「うううう━━っ!
まさか!
こんなことって!
汐・・坊・・さん」




