表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
汐坊の『哉カナ』   作者: カレーライスと福神漬(ふくじんづけ)
80/103

ユッP


 場面シーンえた。


 エアポケットのような ・・


 たがいの・・が・・った。


 どちらともなく・・わらす。



「やるねえ!

さすがは、しおり ぼう

すでにセリフがあたまはいってるんだ」

うるんだひとみけ)

しのころ・・

ちゃしながら、

たがい、

必死ひっしで、

一行いちぎょう二行にぎょうしかないセリフを、

ダメし、

アドバイスしあいながら、

練習れんしゅうしてた当時とうじを・・おもしたよ」


「うん、うん、」

しおりひとみうるんでいた)

情熱じょうねつだけがりどころだった・・あのころ・・」


「それと・・『けん!』」

 相手あいてをグイとゆびさす、ユッ(ピー)


「そっちこそ!

うちのほうに、

セリフがおおてられた時は、よそよそしかったくせして」

 ユッ(ピー)そっくりの口調くちょう

 ゆびさし仕種しぐさ応酬おうしゅう(汐の十八番(おハコ)がさくれつ

 

 これには、もう、たいがいの人がKOノックアウトされてしまう。

 ゆず季も例外れいがいではなかった。

 一瞬いっしゅん、キョトンとしたのち、大笑おおわらい!


「ギャーハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」 


 おなかはげしく上下じょうげさせ、

 わら上戸じょうごまれる、

 胎教たいきょうになるほどの・・わらいっぷりであった。


 

 二人はソファにこしけ、

 うと、

 同時どうじに、

 くちひらいた。


 言葉ことば言葉ことばがバッティングする!


 クスクス笑いながら、

 ゆず相手あいてべ、

 発言はつげん機会きかいゆずった。

 

 バトンをけたしおりは、

 感心かんしんを(屈折くっせつさせずに)くちにした。

「ユッ(ピー)

一段いちだんうでげたねえ。

上手うまい!>

素直すなおにそう思うよ」


「ありがとう。

汐坊にそう言ってもらえるなんて・・光栄こうえいだ!

ウレしいね」


劇団げきだん子役こやくから、声優せいゆう

そして・・主役しゅやくときて、

いずれは・・

テレビドラマなんかも視野しやに入れてるワケ?」


「イエス!といたいところだけれど、

自身じしんかおゆびさして)

このルックスだからねえ。

ブスではないと自負じふしてる。

ただ・・決定けっていてきなものにけている。

うちには┃ はな ┃がない!


くやしいけど・・汐坊しおりぼうとはちがう。

かなしき現実リアルさ。

こえ一本いっぽんくよ、うちは!」


 ゆず自己じこ分析ぶんせきはプロフェッショナルであった。

 ルックスは(もなく不可ふかもなく)ビジュアルきとはがたい。

 しかし・・

 そのは、

 非常ひじょうきとしており、

 肯定こうてい的なひかりを、

 ━ いつかは、頭角とうかくをあらわしてくる ━

 そのような予感よかんをさせるにる、るぎないひかりはなっていた。




 ルームサービスされた、

 豪華ごうか昼食ランチのあたりにして、

 ゆずこえ(ワン)オクターブがった。


すごいね!

ひるからしてリッチなんだ。

スターはちがうね。


喫茶きっさで、

財布サイフ相談そうだんしながら、

ケーキのおわりを『どーしよーか?』と、

なやんでいたころがウソみたい」


「うれしいお世辞せじね。

いまや、スターダストだけど」

 ほおづえをつき、

 ホーギー・カーマイケルの名曲スタンダードを、

 小声こごえでハミングする、しおり



 ゆずは、

 小気味こきみよいリズムでランチを口へはこぶ。

 パクパク、もぐもぐ、ツルツル、ごくごく、ぺったらポ♪

 未来みらいははべっぷりに、

 おどろき、感心かんしんくちポカン!のしおりであった。 


 

「う━ん、美味おいしかった! ごちそうさま!」

 しおりのぶんのランチもたいらげた・・ゆず

 りた表情ひょうじょう彼女かのじょは、

 ナプキンでくちをぬぐうと、

 おなかをポンポンとたたいた。


「おそまつさまでした」

 ははなるもの栄養えいよう補給ほきゅう活動かつどうに、

 畏敬いけいめて、しおりった。



 ゆずは、

 いま一度いちどなかたたいた。

空腹くうふくは、じゅうぶんたされた。

そろそろ本題ほんだいはいろうか・・汐坊しおりぼう

 ユッPの眼光がんこうするどくなる。

左近さこんマネージャーからいたけど、

あたらしい演技えんぎスタイルを模索もさくしてるんだって?」 



 しおり無言むごんでうなずくと、

 ノートPCをげた。


 

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ