表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
汐坊の『哉カナ』   作者: カレーライスと福神漬(ふくじんづけ)
31/103

里見恭平

 里見さとみ言葉ことば同意どういしめすように、

 首肯しゅこうした南平なんぺいは・・くちひらいた。


「ぼくは、地方ちほう出身しゅっしんしゃです。

大学だおいがく卒業そつぎょうしたら、

コネで・・

地元じもと企業きぎょう就職しゅうしょくすることになっています。

ですから、

東京とうきょうにいることじたいが、

ひとつの・・たびなんです。

ヒマができれば、ひとり、バイクではしりまわって、

史跡しせき名所めいしょ見物けんぶつ

流行はやりのみせをのぞいたり、

たまに・・

友人ゆうじんたちみにって、

バカばなしすることもふくめて・・

それが、ぼくのたびなんです」


「うむ!

それは・・感心かんしんだ。

人生じんせい設計せっけいが、できているようだね」

 


 南平なんぺいは、

 湯気ゆげてているナポリタンに、

 タバスコとこなチーズをりかけ、

 器用きようにフォークにいて、くちはこぶ。

 

 里見さとみはパイプを、灰皿はいざらいた。


「ところで・・

きみとマネージャーは、

なかなかのめいコンビぶりじゃないか」


「ええ、仕事しごときにしても、

相性あいしょうはいいでしょうね。

ただ・・設楽したら主任しゅにん

ちかごろずいぶん、分別ふんべつくさくなってきました。

まだ・・三十路みそじまえなのに。

以前いぜんは、

ヤクザ相手あいてに、まわりするくらい、

血気けっきさかん。

そのうえはなしかるひとでした。

いまでは、奔放ほんぽうなところは、

すっかりかげをひそめてしまった・・残念ざんねんです。

やはり、

DNAの部分ぶぶんが、おおきいんでしょうかね・・オーナーの」

 

 コーヒーのあじを、

 吟味ぎんみするようにむ・・里見さとみ


かれたようなをした、

(かい)女性じょせいは、何者なにものだい?」


「ああ、弓削ゆげさん。

ちゅう程度ていどのパラノイアですね。

架空かくう男性だんせいに、

ストーキングされてるとしんじこんでいて、

フロントをてこずらせてくれます。

宿泊しゅくはくだい支払しはらいは、

きちんとしているので、文句もんくえませんが・・

正直しょうじき頭痛ずつうのタネです。

問題もんだいこさなければいいんですけど」


「ホテルまいをしているところをみると、

わけありなんだろうが、

金銭きんせんてきには、不自由ふじゆうしていないってところか」


仄聞そくぶんしたところによれば、

実家じっかは、お金持かねもちらしいです。

かかりつけである、精神科せいしんかのクリニックがちかいので、

うちのホテルに滞在(ステイ)しているとか。

マズいな・・個人情報こじんじょうほうなのに。

オーナーにれたら、大変たいへんだ!」


「だいじょうぶ。

ここでのはなしは、どこにもれない。

安心あんしんしたまえ」

 

 食事しょくじえた南平なんぺいが、

 退席たいせきのあいさつをして、

 自分じぶん伝票でんぴょうろうとばすと、

 里見さとみは・・それをせいして・・った

 

「おちかづきのしるしだ。よい一日いちにちを!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ