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第57話 実演講義


 家の外に出ると、夜であって真っ暗だ。月の灯はあるがそれだけは見難いだろう。

 グレンは二つの『灯火』を生み出すと一つを家の裏庭に浮かせ、ライムに告げた。


「ここで待っているがいい」


 そのまま二十歩ほど離れた場所へ『灯火』一つを引き連れていくと、何やら作業を始める。

 近くにあった握りこぶし二つ分ほどの石を何もない地面に置き、その上空に残った『灯火』を浮かせると戻ってくる。


「なんですか? あの石」

「標的代わりじゃ。目標があった方がわかりやすいじゃろ。

 さてライム。ライムならばあの石をこの位置から熱で溶かすとしたらどうする?」

「え? 石を溶かす?」


 熱で石を溶かすのは無茶じゃないだろうか? それでも考えてみて今の自分に可能な方法を口にする。


「そう、ですね……。あの石を熱で溶かすなら、四大の『火の矢(ファイヤーアロー)』を使いますかね。


 矢の数は一本だけで貫通力を高めて石を砕かない様にして、突き刺さる速度も調整して、突き抜けないで矢の半ばで止まるようする。そして大量の魔力を叩き込んで、矢に持たせる熱量を可能なかぎり高くします」


「今のライムならそれが正解じゃな。ただ問題は『火の矢(ファイヤーアロー)』が石を砕かないかは保証ができないといったところじゃな」

「そうですね。砕けちゃたら溶かすっていうのは難しいと思います」


 承知している問題なのでライムは頷く。


「そう。こういった目的を融解させるといった、破壊をすれば済むわけでない場合は他の魔法系統は使いにくい。まあ、溶解させるという状況が他にあるとは思えんが。

 対象と距離が離れている状況で、対象の状態を変化させたいという時には、陰陽魔法は使いやすい」


「陰陽魔法は遠距離専門と言うことですか?」

「いや、そういうわけではない。

 他の魔法系統と比べると、距離が離れていても同じように扱えると言う事が、陰陽魔法の利点の一つだという話だ。


 まあ実際に陰陽魔法を使って、標的である石を溶解させてみるぞ。

 よく見ている様に」


 グレンはそう言うと、魔力を収集し始める。魔力が図形を描いていく。四大魔法とも五行魔法共違う形を基本とした魔法陣だ。五行魔法のように、属性変換のような事をしているようには見えない。

 だがそれよりも驚いたことがある。描かれた魔法陣はライムにとっては初めて見る形式だった。


「魔法陣が二枚?」

「そう。積層魔法陣だ。四大魔法や五行魔法も高度な魔法になると魔法陣を重ねる事があるが、陰陽魔法は基本が積層魔法陣だ。


 一枚目が第一段階から第三段階で二枚目が第四段階と最終段階を担っている」

「へえ……」


 ライムは感心した様子で展開されている魔法陣を観察する。

 今までさんざん魔法陣を描いてきて、たくさんの魔法に関する本を読んできたライムには、細かな内容は分からなくとも、魔力が魔法陣内でどのように流れるかはだいたい分かる。


 おそらく、グレンに近い方の魔法陣の中央が第一段階であり、外周へ向かうごとに段階が上がっていくのだろう。第三段階から次の魔法陣へは複数の接続線で外縁同士を繋ぎ、二枚目の方は中央に向かって流れ、最終段階は二枚目の中央部分になるのだろう。


「分かり易いように、それぞれの段階ごとに分割して見せようかの」


 グレンが言うなり、魔法陣の枚数が二枚から五枚へと分割される。綺麗に別れて接続線に繋がれているのは、三枚目と四枚目の魔法陣だけだ。つまり、もともと分割していた部分だけだ。

 他の魔法陣同士の繋がりはほぼ同心円状になっているが、何本もの接続線が複雑に繋がり合っている。


 一瞬でこんな風に完成されている魔法陣を機能毎に分割してみせる師匠の力量にライムは戦律した。かなり習熟したと思っている四大魔法の魔法陣でもライムが似たようなことをすれば、混乱して魔法陣がバラバラに崩壊してしまうだろう。

 けれど、魔法陣の機能ごとに見やすいのは確かだ。


 そこでライムは気がついた。

 他の魔法陣に比べて四枚目の魔法陣が占める割合がとても多い。大体全体の四割は四枚目の魔法陣が占めている。


「四枚目の魔法陣だとすると、機能はたしか、干渉経路の選定ですよね?」

「その通り。陰陽魔法はその部分が重要になっている。だがまあ、順番に説明していこう。

 この魔方陣が作り出す魔法の効果の目的は、目標であるあの石を高熱で融解させる事だ。

 その目的を達成するために、それぞれの魔法陣で何をやっているのかを実際に見ながら説明するぞ?」


「え」


 今なんと言ったと、ライムはさらに驚愕した。

 魔法陣の働きをそれぞれの部分毎に動かして見せると言う事だろうか。


 通常魔法陣へと送られた魔力は速やかに魔法の形をとる。魔法陣の内部での動きを見せられるよう停滞させる事など、どれほどの制御能力があれば可能なのだろうか?


 あ、いや。これから師匠が使う魔法陣は、ライムが使ってきた魔法陣とは系統が違う。四大魔法と五行魔法では不可能だが、陰陽魔法ではできることなのだろう。

 そんな一抹の期待を込めて尋ねる。


「あの師匠……? 」

「ん、どうした?」

「えっと、機能毎に分かりやすく、一つずつゆっくりと魔法陣の働きを見せてくれるって事でいいんですよね?」


「ああ、そうじゃ。その方が理解が深まるじゃろ」

「ええ。それはそうですけど。こういうことは陰陽魔法だからできることですよね?」

「? いや、四大魔法でも五行魔法でもできるぞ? というかそちらの方が単純な分やりやすい。

 だが、分割せずとも分かる程度の複雑さじゃからな。そちらでやってこなかったのは、それが理由じゃ」

「そう……ですか」


 どれだけ高い制御能力を持っているのだと、ライムは言葉が出ない。


「では始めるぞ」


 グレンの言葉と共に、まず一枚目に魔力が流し込まれる。五行魔法ではその前に属性変換をするが、流し込んだのは通常魔力だ。


「まず一枚目の魔法陣の機能は、第一段階である魔力からの種別の選定だ。

 この魔方陣が選択している種別――カテゴリーは単純に『熱』のカテゴリーだ」


 流し込まれた通常魔力が一枚目の魔法陣を通過し、二枚の魔法陣の間で停滞する。

 なにをどう、制御能力を高めればそんな事ができるのだと、ライムはもう感嘆を通り越して呆れの感情を懐く。


 それでも今の状態を見過ごすまいとしっかりと観察する。


「師匠? 通過した魔力が変化しているようには見えなんですけど?」

「五行魔法の属性変換とは、違いが分かり難いからな。だがしっかりと変化はしている。


 通常魔力はあらゆるものを内包する混沌の力を有しているが、この魔方陣を通過した魔力は『熱』に関する力以外は持ちあわせてはいない。


 では次に。

 次の第二段階は分割だが、そのままでは生成物が対消滅してしまうのでな。第三段階の対消滅の防止ための維持、並びに不要部の消去まで進む」


 魔法陣同士を繋ぐ接続線を通して、魔力が二枚目と三枚目の魔法陣を通過する。と、二つの塊になって、四枚目の魔法陣との間で停滞する。


 この時になると、ライムにも魔法陣を通過した魔力が通常とは異なることが感じ取れた。あれは超高温と超低温の力の塊だ。


「今は第三段階の、対消滅の防止ための維持の方は行っているが、不要部の消去はまだ行っていない。ライムにもここまで顕著になれば分かるだろう? コレが、純粋な『熱』を取り出し陰と陽に分割した結果だ。


 今回使うのは陽の性質を持った高温の力の方だ。ゆえに、陰の性質を持った低温の力の方は不要であり、第三段階の消去を行う」


 超低温の力の塊だけが、三枚目の魔法陣に取り込まれ、循環し、通常魔力へと戻された後、魔法陣の外縁から排出される。


「この時に排出される魔力はムダになるからな。それを嫌って、消去を行わず正反対の攻撃を連続して叩き込む者もいる。だが、それを行うにも実力が必要だ。ライムが初心者の内はしっかりと消去まで行うように」

「あ、はい」


「続いて第四段階に進む。干渉経路の選定だ。

 今この魔方陣は『陰』の世界を経由して、現実世界にある目標の石に当たるようにしてある。当てる方が陽の性質をもっているので若干複雑になっているがな」


 そこまで言ってグレンは一度言葉を止め、ちょっと首をかしげる。


「ああ……そうじゃな。いきなり『陰』の世界を経由した魔法を見せても、どうなっているのは分かり難いじゃろ。同じ魔法でも『陽』の世界を経由するとどうなるかを見てからの方がいいじゃろうな」


 グレンが言うと、とたんに四枚目の魔法陣が書き換わる。三枚目の魔法陣との間には超高温の力を維持したままでだ。ライムは師匠の実力に驚くのはもうやめようと達観の境地に達していた。

 書き換わった四枚目の魔法陣は先ほどまでよりずっと簡素な図形だ。


「これが『陽』の世界を経由する為の魔法陣になる。陽の性質を持った高温の力を、現実世界での経路を設定した。その分単純になっている。


 まずはこの状態で魔法を放ってみる。

 ライム、わしの後ろにもう少し下がりなさい。魔法陣の隣だと危ない」

「あ、はい」


 慌ててライムは退避する。


「では魔法を放つぞ。覚悟を決めておくように」

「え?」


 何の覚悟を決めるんだろうとライムを思った瞬間。


 ゴウッ!! という轟音と共に周囲の闇夜を切り裂く閃光が走った。


「うわっ!?」


 悲鳴を上げてライムは身をすくめる。

 閃光は一瞬で収まった。だがその瞬間に離れていたライムにも熱さを感じた。ヤケドを負うような熱さでは無かったが、呆然と標的となった石へと視線を向ける。その石は周囲の地面と同様に赤く灼熱していた。


「うむ、少々光が強かったな。夜じゃなくて昼にやるべきだったか」


 パシパシと目を瞬かせ、グレンは感想を述べる。


「な、な、師匠! 何なんですか!? これは!?」

「ああ、ライム落ち着きなさい。今のが高熱とい存在を、現実世界を経由して標的に当てた結果だ」


「え? 熱? じゃあ今の閃光と轟音は?」

「あれは魔法陣と標的の間にある空気が熱せられて起きた現象じゃ。本来なら標的のみを干渉させないといけないのだがな。


 現実世界を経由すると、今のように拡散してしまう。そのせいで石が灼熱はしても溶けてはおらんじゃろ? それに、地面の方にも影響を与えてしまっている。空気が乱されたせいで標準もぶれてしまったんじゃな」


 人事のようにグレンは感想をもらす。


 え、なに? これが普通なの? 

 ライムは戦慄し、混乱している。まるでレーザー兵器かなにかだ。しかも、込められた魔力の量はそれほど多くは無かったはずだ。


「落ち着きなさいライム。今のは見た目が派手なだけだ。ほとんどの力が光や音に変わって周囲に散ってしまったから派手になっただけじゃ。


 ライムも石を溶かすなら『火の矢(ファイヤーアロー)』で可能だと言っておったろう? 今の魔法は派手じゃが、石を溶かす事はできておらんのだから大した事はない」

「そう。ですね……」


 グレンになだめられ、ライムは頷く。がすぐに首をかしげた。

 あれ? コレで納得していいのだろうか?とライムは思った。


 と、家の中からパタパタと慌てた足音が近づき、勝手口が勢い良く開いた。


「おじいちゃんっ!? ライムっ!? 今の音何っ!?」


 血相を変えて、寝間着のアリティアが飛び出してきた。


「ああ、スマンなアリティア。起こしてしまったか。

 ライムへの実演講義をしていただけじゃよ。ちょっと予想外に大きな音が出てしまっただけじゃ」

「そう……なの?」

「そうじゃ」


 キョトンとしながら聞く孫に祖父は重々しく頷く。それだけで少女は納得したようだ。一度大きく息をつく。


「もー……。寝てたんだから、あんな大きな音立てないでよぉ……」

「スマン、スマン。もう大きな音は立たないから、安心して寝ていなさい」

「絶対だからねー……」

「ああ、わかっとる」


 アリティアは眠たそうに目をこすりながら家の中に戻っていく。


「もう起こさないでね」

「ああ。おやすみ」

「おやすみ。アリティア」


 二人して少女を見送る。すこししてからグレンが再開を告げる。


「さて、では次に『陰』の世界を経由したものを見せるとしよう」

「あの師匠?」

「ん?どうした?」


「本当に、大きな音を出したり、閃光を出したりしないんですよね?」

「安心せい。もうあんな派手なものない」


 言ってグレンは再び五枚重ねの魔法陣を構築する。閃光を放った後も維持していた積層魔法陣だが、アリティアが家から出ていると同時に霧散させていたのだ。


 その事にライムが気がついた。


「本当にアリティアには陰陽魔法については見せないようにしているんですね」

「ああ。魔法陣を構築するだけなら、今のアリティアなら見よう見真似でもできるからな。

 だがそれでは余計危険じゃからな。今までもあの子の目には触れないようにしてきた。ライムも気を付けるようにな」

「わかりました」


 話している内にグレンは、先程閃光を放つ前までの魔法陣の状態に、再現し終えていた。


「さて、では中断していた続きを行うぞ?


 先程は陽の性質を持った高温の力を、現実世界である『陽』の世界を経由して標的に命中させた。

 次は同じく陽の性質を持った高温の力を、世界の本質である情報の大海に近い『陰』の世界を経由して標的に命中させてみる」


 四枚目の魔法陣は始めの時と同じ、『陰』の世界を経由するという複雑な方の図形だ。

 ライムは警戒した様子で思わず数歩距離を取る。


「そこまで警戒せんでよろしい。もうあんなことは起きんから、もっと近くで見なさい」

「そう。ですか?」


 やや疑いの様子のライムだが、指示されるままに魔法陣に寄る。


「では始めるぞ」


 グレンの言葉と共に、三枚目と四枚目の魔法陣の間に存在していた、超高温の力の塊が四枚目の魔法陣へと誘導線にしたがって移動する。前回はこの状態は見ていなかったなとライムは思う。

 そして、超高温の力はそのまま五枚の魔法陣へと移動し、そのまま消失した。


「……あれ?」


 先程のように閃光を放つ以前に、超高温の力はどこかに消えてしまった。失敗したのかとライムは思う。


 だが違った。

 標的の石が突然真っ白になったかと思うと、どっぷんっ! と液体として破裂した。


「え゛……?」


 変な声出た。白くなったと思ったのは、灼熱して赤を通り越して白い光を放つほどの高温になったからだった。


「とまあ、こんな感じじゃな。『陰』の世界を経由すると、標的に到達するまで現実世界とは干渉しなくなるから、標的以外に損失が起きる事がない。


 ちなみにじゃが、さっきと今では全く同じ魔力量で、違うのは経由した世界だけじゃからな」


 それだけというが全く違う魔法に見える。


「それで五枚目――最後の魔法陣が最終段階、発現と効果時間の確保じゃ。


 今回の確保した効果時間は数秒だけじゃ。陰陽魔法では効果時間が長くなるほどに、必要とする魔法陣は巨大で複雑になっていく。


 永続的な効果にしようと思えばさらに最終段階だけで全体の九割をいくこともも珍しくない。もっとも、効果時間の長さというのは、最終段階の量だけではなくて、その効果も大きく影響するんじゃがな」


「はあ、そうですか。けど、陰陽魔法って四大魔法に似ているんですね」

「ん? どうしてそう思った?」


「え? いやだって、事前に属性変換をしているんじゃなくて、種別の選定は魔法陣任せにしているわけですから。それに、こんなふうに物理的現象を引き出せるんでしょう?」


 ライムは解けて地面広がる元石の溶岩を指さしていう。そして首をかしげた。


「にしても、本当に魂を扱うものなのですか? こんな派手は事が可能なのに?」

「熱を題材にしたからそう思うだけじゃ。今回の実演で見るべきものは、あんな石ころを炙ることじゃない。


 陰陽魔法の発動の工程を知り、そして、『陽』の世界と『陰』の世界を経由することの違いを理解することじゃ。


 『陽』の世界である現実世界はわしらが今生きて認識しているこの空間じゃ。じゃから『陽』の世界についてはよく知っている。

 しかし、『陰』の世界の方は通常は認識することすらできん。陰陽魔法の習得に置いて、本当に重要になるのは、『陰』の世界の理を知り、『陰』の世界がどのようなものかを経験し、実感することじゃ。そうでなければ、本当の意味で陰陽魔法を習得するとは言えない。


 今見せた『陰』の世界を経由した魔法すらも、今のライムが見ていたのは始まりと終わりだけじゃ。本当に知るべきなのはその過程にある。


 そして、『陰』の世界に干渉するということは、そこから魂に干渉できるということでもあるのだからな」


  魂への干渉、それが可能ならば己の魂を保護して、スライムの肉体からの悪影響を防ぐこともかのうになるだろう。


 『陽』の世界である現実世界から見ると、魂というのは肉体という殻に守られている。しかし『陰』の世界では魂というのはほぼむき出しだ。『陰』の世界から魂に干渉できるというのは、単純にそちらの方が魂に近いためだ。


 そんな説明をグレンから受けて、ライムは頷く。


「魂の保護がしやすいのはわかりました。けど、それだと、スライムとしての肉体を人間のそれにするには、魂がむき出しになっている『陰』の世界からアプローチすることになるんでしょうか?

 それとも肉体が魂を守っている『陽』の世界から?」


「前者じゃろうな。『陰』の世界からみれば肉体も魂と同様に本質がむき出しになっているからな。

 ただ、人の体の怪我を治すような、元ある状態に戻すようなことではなく、スライムから人の肉体にするような大規模な改変となると、どれほど高度になるかちょっと想像がつかない。

 それに加えて、肉体を改変すると同時に肉体の改変に魂が巻き込まれないように保護する必要もあるのだがな」


 グレンの言葉にライムはため息をついた。


「はあ……まだまだ先は遠いですね。肉体の改変だけじゃなくて、魂の保護も必要になるわけでしょう? いっその事自分の魂を隔離するようなモノが欲しくなってきちゃいます」


 冗談を口にし、グレンは苦笑する。


「そんな事をしたらおぬしは死ぬぞ?

 魂と肉体は密接につながっているからこそ生命が駆動するのだからな。おぬしの体を人間に戻すというのは、そのつながりも維持し続けねばならないのだ。


 だからこそ高度な技術を必要とする」

「そうですか……。ほんと、まだまだ先は遠いなぁ……」


 ライムは途方に暮れた様にため息をついた。それでも諦める事はないのだろうとライムは思った。



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